ヒロシマ・キャンドルアピール緊急行動声明

11月 27th, 2023

ガザ無差別大量虐殺の即時停止、核戦争阻止

ヒロシマ・キャンドルアピール緊急行動声明

2023年11月26日

STOP! GENOCIDE in GAZA  NO NUKES NO WAR!

24日、イスラエルは圧倒的な国際世論に迫られてガザ・ジェノサイド攻撃を4日間休止せざるを得なくなった。ハマスは約束通り人質を解放している。イスラエルは[政治犯]として捕囚しているパレスチナの女性、子供を一部解放するところまで追いつめられている。

しかし、ネタニヤフ首相は、一時停戦後には直ちにハマスを殲滅するまでパレスチナ人への攻撃を再開すると宣言している。

イスラエル・ネタニヤフ政権のこれまで行ってきた病院への攻撃、国連経営の学校や避難施設への壊滅的攻撃は決して許されるものではない。ガザ地区の住民の電源を奪う強制停電、外部との連絡網、水、食料、電気、燃料、移動の自由の供給を全て遮断して、空から地上から無差別爆撃をしている。

これは今に始まった事ではない。イスラエルは75年以上にわたって、こうしたアクセスを支 配してきた。高い塀をめぐらす「天井のない牢獄」にパレスチナ人を閉じ込める強制収容など、極悪非道の残虐な仕打ちをしてきた。

 今回さらに前例のない激しさで、ガザ地区のへの地上侵攻による爆撃と空爆を続けている。命がけで患者の治療に当たる医師たちや国連、国際NGOまで犠牲にして極悪非道の残虐な仕打ちをしている。このような一国家による他民族へのいわれなき侵略、収奪、虐殺行為が現代において許されて良いというのか!

イスラエルのガラント国防相は言った!「我々は 人間の顔をした動物と戦っており、それに見合う行動をする」。 これはまさに民族浄化だ!

何故、この世に生を受けたばかりの嬰児までが人工呼吸器の酸素補給を奪われ死んでいかなければならないのか!

何故、イスラエルが自国の覇権を拡げるために罪なき人々の命を踏み潰す無法行為を世界は許しているのか! ナチスによるユダヤへのホロコースト、Nuclear Genocideと言われるアメリカによるヒロシマ・ナガサキのへの無差別大虐殺の非人道的な歴史的事実は、人類が決して再び犯してはならない重大な国際犯罪である。

2021年にやっと人類が到達した核兵器禁止条約TPNWが2回目の締約国会議を迎えている。 そこに、原爆投下国米国や被爆国日本政府の姿はないのみならず、TPNWを否定している。

そのことが、ロシアのウクライナへの核使用の威嚇、イスラエルの核保有を自認する核兵器使用発言まで許す誘因となり、核戦争の危機を招いているのではないのか。

 私たちは、無差別に不当な力によって殺戮され傷つけられ、愛する家族を奪われ、環境 を破壊されているすべての人々に連帯する。

私たちは、世界で隠蔽されてきたすべての核被害者に連帯する。

私たちはヒロシマから世界に訴える!

イスラエルによるパレスチナ・ガザ殲滅、ジェノサイド攻撃の即時停止を!

ウクライナ戦争の即時停止を!

核被害者、核被災地への完全援護を!

核と人類は共存できない!

STOP THE GENOCIDE!  FREE PALESTINE NOW!

 NO WAR NO NUKES! NO MORE HIBAKUSHA!

今日、私たちは原爆ドーム前から、原爆犠牲者の魂の炎を宿し輝く1500本のキャンドル・ メッセージを世界に届ける。

STOP! GENOCIDE in GAZA  NO NUKES NO WAR!

          核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)


 Stop Indiscriminate Genocide in Gaza Immediately

Prevent Nuclear War            

Statement of Urgent Action of Hiroshima Candle Appeal

November 26, 2023

STOP! GENOCIDE in GAZA

           NO NUKES NO WAR!

On the 24th, Israel was forced by overwhelming international public opinion to

suspend the Gaza Genocide attack for four days. Hamas is releasing hostages as

promised. Israel has been driven to the point of releasing some Palestinian women and

children held as [political prisoners].

However, Prime Minister Netanyahu has declared that after a temporary ceasefire, he will immediately resume attacks on Palestinians until Hamas is destroyed.

The Israeli Netanyahu government’s previous attacks on hospitals and devastating attacks on UN-run schools and shelters are impermissible. Forced power cuts that deprive the residents of the Gaza Strip of power, cut off all outside communications, water, food, electricity, fuel, and freedom of movement, and indiscriminate bombing from the air and from the ground.

This is nothing new; Israel has controlled such access for over 75 years. It has been committing heinous atrocities, including the incarceration of Palestinians in “prisons without ceilings” surrounded by high walls.

This time, with unprecedented intensity, they are continuing their ground invasion of the Gaza Strip with bombings and airstrikes. They are committing heinous atrocities at the expense of doctors who risk their lives to treat patients, the United Nations, and international NGOs.

How can such unprovoked aggression, deprivation, and genocide by one nation against another be tolerated in this day and age?

 Israeli Defense Minister Gallant said! “We are fighting human animals and we act accordingly.” This is truly the ethnic cleansing!

Why must even newborn infants be deprived of oxygen through ventilators and allowed to die?

Why does the world allow Israel to commit such lawless acts of trampling on the lives of innocent people in order to expand its hegemony?

The inhumane historical facts of the Nazi Holocaust against the Jews and the indiscriminate massacre of Hiroshima and Nagasaki by the United States, known as Nuclear Genocide, are grave international crimes that humanity must never commit again.

The TPNW, which humanity finally reached in 2021, is now in its second meeting of the State Parties to the Treaty for Prohibition of Nuclear Weapons.

Neither the U.S., the country that dropped the atomic bombs, nor the government of Japan, the Nuclear bombed country, were present at the 2MSP. They both deny the TPNW. This has led to Russia’s threat to use nuclear weapons against Ukraine and Israel’s self-admitted possession of nuclear weapons, and has brought about the danger of nuclear war!

We stand in solidarity with all those who are killed, maimed, deprived of loved ones, and suffer environmental destruction by indiscriminate and unjustified force.

We stand in solidarity with all nuclear victims whose existence has been hidden from the world.

We appeal to the world from Hiroshima!

❖ We call for an immediate halt to Israel’s extermination of Palestine and Gaza and genocide attacks!

❖ Immediate halt of the war in Ukraine!

❖ Full support for nuclear victims and nuclear-affected communities!

❖ Nuclear weapons/technology and humanity cannot coexist!

STOP THE GENOCIDE! FREE PALESTINE NOW!

NO WAR NO NUKES!

NO MORE HIBAKUSHA.

Today, from in front of the A-Bomb Dome, we are sending the Hiroshima message by the 1500 candles shining with the flame of the souls of the A-Bomb victims to the world.

   STOP! GENOCIDE in GAZA

     NO NUKES NO WAR!

                      Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

11月26日(日)キャンドルメッセージ

11月 24th, 2023

 

 

核兵器禁止条約第2回締約国会議の直前、

キャンドルメッセージを世界に発信します

 

11月27日から核兵器禁止条約の第2回締約国会議が、ニューヨークで始まります。一方で、パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルのネタニヤフ政権によるジェノサイド(大量殺戮)攻撃が続いています。ウクライナでの戦争も長期化するなかで、核戦争の危機が一層高まってきました。米国の原爆によるジェノサイドを体験したヒロシマから、即時停戦、ガザ市民を救え、核戦争を止めようというキャンドルメッセージを世界に発信します。

日時:11月26日(日)16:30~18:30

(キャンドル点火は17時すぎ)

場所:原爆ドーム前

キャンドルメッセージ 1500本で光の文字をつくります

STOP! GENOCIDE in GAZA

NO NUKES NO WAR!

呼び掛け 主催 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

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プログラム

16:30~17:30   キャンドル設置

17:00~18:30   セレモニー

         ・キャンドル点灯

         ・写真撮影

         ・趣旨説明    森瀧春子 HANWA顧問

         ・特別アピール  田浪亜央江 広島市立大教員

         ・声明文読み上げ 足立修一 HANWA代表

         ・閉会挨拶

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趣旨

*パレスチナ・ガザへのイスラエルのネタニヤフ政権による残虐なジェノサイド攻撃は執拗に続いている。

*何故、この世に生を受けたばかりの嬰児までが人工呼吸器の酸素補給を奪われて死んでいかなければならないのか !

*何故、イスラエルは自国の覇権を拡げるために罪なき人々の命を踏み潰す無法を行い、世界はそれを許しているのか !

*ナチによるユダヤへのホロコースト、Nuclear Genocide と言われるアメリカによるヒロシマ・ナガサキのへの無差別大虐殺の非人道的な歴史的事実は、人類が決して再び犯してはならない重大な国際犯罪である。

*2021年にやっと人類が到達した核兵器禁止条約 TPNW が2回目の締約国会議を迎えている。そこに、原爆投下国米国や被爆国日本政府の姿はないのみならず、TPNW を否定している。そのことが、ロシアのウクライナへの核使用の威嚇、イスラエルの核保有を自認する核兵器使用発言まで許す誘因となり、核戦争の危機を招いているのではないのか?!

*私たちは、無差別に不当な力によって殺戮され傷つけられ、愛する家族を奪われ、環境を破壊されているすべての人々に連帯する。私たちは、世界で隠蔽されてきたすべての核被害者に連帯する。

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私たちはヒロシマから世界に訴える!

イスラエルによるパレスチナ・ガザ殲滅、ジェノサイド攻撃の即時停止を!

ウクライナ戦争の即時停止を!

核被害者、被災地の援護を!

核と人類は共存できない!

原爆投下責任の議論「棚上げ」答弁への公開質問状

9月 28th, 2023

原爆投下責任の議論「棚上げ」答弁への公開質問状

広島市は9月21日と22日の市議会本会議で、平和公園と米国のパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定に関して、原爆投下責任の議論を「棚上げ」して「和解の精神」で「未来志向の取り組み」をすると、村上慎一郎市民局長が答弁しました。私たちは、この答弁に不安と疑念を感じます。世界で核戦争の危機が迫っている今こそ、原爆投下の非人道性と投下責任を、声を大にして問わなければならないと考えるからです。広島市の姿勢が、プーチン・ロシアによる核兵器使用を容認することにもなりかねないと危惧します。このような重大答弁が松井一実市長ではなく、市民局長からされたことにも驚きと失望を感じます。

ただ、この答弁は私たちには理解しにくいところが多くあります。まずは、広島市側の考えを確認したいと思いますので、以下の質問にお答えください。

1.姉妹公園の交渉のなかで、広島市側は原爆投下責任の議論を「棚上げ」することを米国側と確認したのですか。逆に、米国側は真珠湾攻撃の責任議論を「棚上げ」することを明言したのですか。交渉において「棚上げ」とは、問題を保留することを双方が合意することですが、そういう合意はされたのですか。真珠湾攻撃と原爆投下という20世紀の重大事件について、そのような合意がされたのなら、人類史のエポックとして記録されることと思いますが、私たちは現段階で知り得ていません。また、このような重大な決断をするにあたり、松井市長は被爆者や市民の声をいつ、どのように聞かれましたか。

2.原爆投下責任の議論は広島市の言うところの「和解」の妨げになりますか。双方が真剣に話し合ってこそ、「和解」ができるのではないですか。当然、日本の真珠湾攻撃やアジア諸国への加害責任についても同じことだと私たちは考えますが、松井市長の見解をお聞きします。

3.「現時点では棚上げする」としていますが、いつになったら原爆投下の責任を問うのですか、あるいは原爆投下の責任に関する議論をするのですか。

4.ウクライナの戦争が長びく中、世界は核戦争の危機にさらされています。原爆投下責任の議論を棚上げするという広島市の姿勢は、プーチン・ロシアによる核兵器使用を容認することにはなりませんか。「現在の世界情勢を考慮するならば、今こそ和解の精神を重視した対応を逃してはならないと判断し、姉妹公園協定を締結した」と答弁していますが、広島市は世界情勢をどう分析していますか。

5.答弁では「広島ビジョンの中で安全保障政策に言及し、核の抑止力を肯定する記述はありますが、それは核抑止論が既に破綻していることを明示するものであり和解の精神に何ら関係するものではないと考えております」としていますが、なぜ広島ビジョンの記述が核抑止論の破綻を明示するのでしょうか。私たちは、広島ビジョンは核抑止論を肯定し核兵器廃絶を究極の目標に追いやるものと危惧し、市長にも伝えました。8月6日の平和宣言では、核抑止論を否定する広島市の姿勢が貫かれたと私たちは評価しましたが、今回の答弁はそれと矛盾しませんか。

以上の質問は、私たちが入手した以下の答弁記録に基づいていますので、確認してください。

9月21日、中村孝江議員への答弁

和解の精神とは、あくまで現時点では責任に係る議論は双方で棚上げにし、二度と戦争の惨禍を繰り返すべきではないという考え方を確認し、未来志向に立って対処していこうというものです。従いまして、この姉妹公園協定は、原爆投下に関わる米国の責任に係る議論を現時点では棚上げにしますが、核兵器の使用を二度と繰り返してはならないという市民社会における機運の醸成を図っていくために締結したものです。なお、広島ビジョンの中で安全保障政策に言及し、核の抑止力を肯定する記述はありますが、それは核抑止論が既に破綻していることを明示するものであり和解の精神に何ら関係するものではないと考えております。

9月22日 門田佳子議員の質問への答弁

昨日の本会議で私の答弁の中で「棚上げ」と申しましたのは和解の精神を説明するために用いたもので、さらに姉妹公園協定が、アメリカ国家の責任を不問・免罪にするためのものではないということを理解してもらうために用いたものです。

すなわち、「棚上げ」という言葉は、一般的には問題の解決処理そのものを放棄するというものではなく、あくまで事情に応じて、一時的に保留すると、そういうものだと思います。今回の締結の判断につきましては、米国の原爆投下の責任に係る議論があるということは踏まえつつ、現下の国際情勢、これを考慮するならば、その解決を待つのではなく、核兵器の使用を二度と繰り返してはならないという機運を市民社会に醸成するための未来志向に立った対応を逃がさないようにすることこそが急がれると考え、こんな思いを他の誰にもさせてはならないと世界に訴えてきた被爆者の寛容と和解の精神に沿うものであると考えたからでございます。

国際対話集会2023

7月 30th, 2023

2023年8月6日開催、国際対話集会ちらしです。PDFはこちら

国際対話集会2023

問われるヒロシマ

NO WAR NO NUKES の旗を今こそ高く!

G7広島サミットは、核兵器によって平和が保たれるという「核抑止」の主張を被爆地広島から世界に発信してしまいました。それも、広島選出の岸田首相によって「広島ビジョン」として発表されたのです。サミット前には広島市の児童生徒が学ぶ「ひろしま平和ノート」から「はだしのゲン」や第五福竜丸の記述が削除されました。サミット後には広島市の平和公園と米国ハワイのパールハーバー国立記念公園の姉妹協定が、松井一實市長と米国のエマニュエル駐日大使によって、突然調印されました。「和解」や「未来志向」という言葉が松井市長からしきりに語られています。背景には、米国の要請によって大軍拡を進める岸田政権の強い意思があるように私たちは思います。「戦争できる国づくり」政策が露骨になってきた2023年の8月6日、世界各地で今も続く核被害の実態も学び、私たちは今何をすべきなのか、ともに考え、行動を起こしましょう。

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日 時︓8月 6日(日)14:00~16:30
会 場︓広島弁護士会館 3階大ホール 

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内 容︓

講演1 14:10~
 「世界の核ヒバクシャのネットワークに被爆三世アーティストとして関わる」
川野 ゆきよさん(アメリカ在住アーティスト)

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川野 ゆきよ さん
祖父が爆心地から近距離の中国電力本社(中区小町)で被ばく。数少ない生存者。
現在被ばく三世のアーティストとして米国オレゴン州で活動中。

Oregon PSR(社会的責任を果たす医師団・オレゴン支部)の諮問委員会メンバーとして反核運動に携わる。
バーモント美術大学で修士号取得。作品はアメリカ、日本、オーストラリアで展示されている。全米各地の大学、研究所で講演。

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講演2 14:40~
 「広島・長崎の役割とは︖
      ―広島G7サミットにあたって考えたこと」
     山口 響 さん (長崎の証言の会)

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山口 響 さん
1976年、長崎県生まれ。市民団体「長崎の証言の会」で2014年より証言誌編集長を務める。長崎大学などで非常勤講師。首都圏在住時にはNPO法人「ピースデポ」にも関わった。
共編著に『原爆後の75年――長崎の記憶と記録をたどる』(書肆九十九)など、監訳書
に『核兵器禁止条約の時代――核抑止論をのりこえる』(法律文化社)など。

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報告:

「シンコロブエ鉱山の歴史と現状
  広島・長崎の原点を見つめる」

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形 式︓対面参加・オンライン併用
参加費︓500円

申込み︓対面参加ご希望の方は直接会場にお越しください。(申し込み不要)


オンライン参加ご希望の方は、QRコードまたは
https://forms.gle/rERdiwZrhgDueoucA
の申し込みフォームに必要事項を記入して送信してください。

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主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 

代表︓足立修一
事務所:〒730₋0013 

    広島市中区八丁堀5₋22 メゾン京口門404号室 足立・西法律事務所
問い合わせ: 090 9060 1809(藤元) hiroshimahanwa2021@gmail.com

広島市平和行政の変質を問う声明

7月 4th, 2023

広島市平和行政の変質を問う声明


 2023年6月29日、広島市長は在日米国大使館を訪れ、広島平和記念公園(原
爆公園)とパールハーバー国立記念公園(真珠湾記念公園)の姉妹公園協定を締結し
た。原爆公園は、米軍の原爆投下によって無残に無差別大量虐殺された十数万の人々
及び放射能後障害によって遅れた死をもたらされた人々を悼む慰霊の場である。一
方、真珠湾記念公園は、日本軍の奇襲攻撃で始まった日米戦争の戦跡記念公園であ
り、戦果として沖縄からの学童の疎開船・対馬丸を含む日本艦船撃沈を展示する戦勝
記念館である。広島市は、歴史的位置付けが全く異なる両公園の姉妹公園協定の意義
を次のように述べている。


 『本市としても、戦争の始まりと終焉の地に関係する両公園の提携は、過去の悲し
みを耐えて憎しみを乗り越え、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていく
ことになると考えています。』『加えて、「G7首脳広島ビジョン」の実現に向けた第一
歩としてその機運の醸成に資することにつながることから協定締結の申出を受け入れ
ることとしました。』


 これでは、戦争の始まりが真珠湾奇襲攻撃で、原爆投下は戦争の終結を早めたとい
う米国側の主張を認めたことにならないだろうか。私たちには容認できない考え方で
あり、歴史の真実とも違うのではないだろうか。


 明らかに国際人道法に違反する無差別虐殺の原爆投下に対する責任ある歴史的検証
と犠牲者への謝罪があってこそ和解への道は開けるはずだ。


 私たちは無数の原爆犠牲者に対して、人類の未来に対して、あくまで米国の原爆投
下の責任を問い続ける義務がある。また、同時に、日本がかつて植民地支配し、アジ
ア諸国を侵略したことに関し、アジア・太平洋地域の人々に苦難を与え、未だ清算で
きていない問題があることを認識する必要がある。誤った歴史的認識への反省なしに
未来に向かうことは不可能だから。


 ましてやG7 広島ビジョンは核兵器を、核抑止力を有用だと改めて認めたものであ
ると私たちは考えるが、広島市は広島ビジョンが理想的な核兵器廃絶への方途と位置
付けて、両公園の姉妹協定のみならず、NPT 再検討会議においても「機運の醸成に資
する」ものと認識していることは容認できない。これまでの広島の核兵器絶対否定の
土台を崩していいのか。長年かかって核兵器禁止条約を実現した被爆者をはじめとす
る世界市民を裏切っていいのか。


 広島市は、平和教育用「ひろしま平和ノート」にある貴重な教材である「はだしの
ゲン」「第五福竜丸」を4月に削除してしまった。その経緯や理由は不明なところが多
い。なぜ、核開発のための核実験、原爆被害の実態をありのままに伝えることに背を
向けるのか。これも何らかの力に対する追随としか思えない。G7を控えた「環境」
作りだったのか。国内のみならず世界中から不信を向けられてしまっていることを認識すべきだ。
G7広島サミットを控えた2023年3月29日、広島市のホームページから放射能兵器劣化ウラン弾に関する記述が削除された。ウクライナ戦争にあたって、イギリスがウクライナ軍事支援として劣化ウラン弾の大量供与を表明した時期に当たる。


 ホームページのFAQ欄には「劣化ウラン弾が目標物に当たると爆発し、霧のようになった劣化ウランの細かい粒子が空中に飛散します。これを吸い込むと、科学的毒性により腎臓などを損傷するとともに癌などの放射線障害を引き起こします」と簡略に核心を記していた。
劣化ウラン被害記述をウクライナ戦争に使用されるという危機に当たって削除したということは、NATOと一体となってウクライナを支援する日本政府からの指示あるいは広島市側の忖度への疑念が拭えない。


 今春以降次々と広島市の平和行政の変質を問われる施策が松井市政から発せられてきている。G7サミットの広島開催が動機となって広島がヒロシマでなくなってきていることに危機感を覚える。
広島市という自治体は78年前の原爆投下によって無辜の民を瞬時に消され、子どもたちから親を、親から子どもたちを奪われた非人間的悲惨をこうむった地であることを自覚してきたはずだ。広島市には、いずこの国の権力に対しても核の非人道性を訴える義務と権利がある。核大国の、核抑止に頼る国家の権力に媚びず、核絶対否定の信念を矜恃し、市民を、人類の未来を護っていかなくてはならないのではないか。


 被爆78年の8月6日を前にして、広島市の「平和行政」に対して上記について再考を求めるものである。


2023年7月4日


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
代表 足 立 修 一

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

6月 21st, 2023

 第22回総会と研修会

場所:広島弁護士会館2階 大会議室 (広島城東側、裁判所北側)

時間:6月24日午前10時45分ごろ~12時

総会 2023年6月25日(土)10時~12時

   総会(10時~10時45分)(予定)

   剣友会:HANWA 総会終了後 14時まで

講師:
 高橋 悠太さん
  核廃絶ネゴシエーター/ 核兵器廃絶日本 NGO 連絡会 幹事

テーマ: G7から核兵器禁止条約へ
     「核なき世界を日本から」はじまります

※ 一般参加も歓迎します。オンライン(ZOOM) 視聴申し込みは

    fujigen@abelia.ocn.ne.jp
締め切りは23 日午後 5 時。

問い合わせは 090 9060 1809 (藤元)

G7広島サミットに対する声明

5月 12th, 2023

G7広島サミットに対する声明

 ここヒロシマは、78年前にアメリカ軍が投下した一発の原子爆弾で十数万人の市民が無差別に虐殺された人類史に刻まれた地である。この地には名も知れぬ無数の人々の遺骨が重なる。また原爆の地獄を生き残った人々は78年後の今日も晩発性放射線障害に苦しみ、死が訪れるまで彼らにとっての戦争が終わることはない。だからこそヒロシマに生きる私たちは核兵器廃絶を全力で発信し続けるのである。

 このヒロシマに核保有国とその軍事同盟国のG7首脳が集うのであれば、その目的はただひとつ。核兵器禁止に向けた具体的かつ積極的な検討以外にはありえない。そうでなければヒロシマに集う意味は全くないと私たちは断言する。

 今日、ロシア政府のウクライナ侵略によって核戦争の危機はかつてなく高まっている。

 岸田首相は、2022年8月国連で、「ヒロシマ・アクション・プラン」を公表し、①核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきこと、②核戦力の透明性の向上、③核兵器数の減少傾向を維持する、④核兵器の不拡散を確かなものとすること、⑤各国の指導者等による被爆地訪問の促進を通じ、被爆の実相に対する正確な認識を世界に広げることを求めた。

 これについて、原子力の平和的利用の促進を除き、それらの行動は進められるべきだが、これまでの国際的な状況、交渉の進展に照らし、不十分なものというべきである。

 すなわち、1996年の国際司法裁判所(ICJ)勧告的意見(核兵器の使用は一般的には国際法に違反する)、2000年、2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書で合意された核兵器を全廃させることについての明確な約束、2018年国連規約人権委員会での一般的意見、2021年の核兵器禁止条約の発効などの動きを踏まえるなら、ヒロシマ開かれるG7では、これまでの合意を一歩でも前進させる合意を求めたい。

 特に、2023年4月に発せられたG7外相会合のコミュニケでは、ロシア、中国、北朝鮮の核兵器について、様々な問題を指摘する一方で、自分たちが持っている核兵器については、「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。」として、正当化を図っている。

 しかし、全ての核兵器が廃絶されるべきとの明確な約束が反故にされるかのような認識がヒロシマで開催された会議で表明されることは許されない。

 「核兵器のない世界」は「理想」ではない。核戦争の危機を回避し、核被害者をこれ以上生み出さないための、その現実的な第一歩こそが核兵器禁止条約である。G7首脳は、このヒロシマで核兵器の禁止にむけた具体的な議論に着手せよ!期限を定めて核兵器禁止条約への参加のプロセスをつくれ!

 G7広島サミットに参加する核保有国首脳は、自らの核開発によって生み出した世界の核被害者に対する責任を果たす義務がある。核保有国の核の傘のもとで、連携して核開発を推進してきた同盟国の首脳も同様である。核の被害者への贖罪と人類の未来のために、ここヒロシマの地で核兵器禁止を誓うべきではないか。

 私達はG7サミットに集う各国首脳に以上のことを強く要求する。

2023年5月13日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足立 修一

 

The World’s Nuclear Victims Ask: To the G7 Summit Leaders

5月 11th, 2023

HANWA Nuclear Victims Forum

5月 10th, 2023

HANWA Nuclear Victims Forum

The World’s Nuclear Victims Ask: To the G7 Summit Leaders
<What will the G7 summit do in Hiroshima to avert the nuclear war crisis?
What will the G7 Summit do in Hiroshima to rescue nuclear victims? >


Date: Saturday, May 13, 2023, 13:30-16:45
Place: World Peace Memorial Cathedral
Organizer: Hiroshima Association for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
  Hybrid event, ¥1,000


Purpose of the event:     

  • The leaders of the seven nations that depend on nuclear deterrence as the cornerstone of their security, including the three nuclear weapon states, will gather in Hiroshima, the site of the atomic bombing, to discuss what to do about the atomic bombing. What are they going to discuss?
  • Isn’t Hiroshima being used as a venue for discussions that will not only strengthen the military alliance with nuclear weapons as the cornerstone of its security policy and promote an early end to the war in Ukraine through further military expansion, but will also lead to increased tensions in the world?
  • We demand that if the conference is held in the A-bombed city of Hiroshima, it should express a strong will for the abolition of nuclear weapons by immediately ending the war in Ukraine, banning the use of depleted uranium (DU) in Ukraine by both sides of Russia, Ukraine
    and discussing concrete measures to indemnify all nuclear victims in the world and to restore environmental contamination caused by radiation.
    *To this end, as part of the World Nuclear Victims Forum held in Hiroshima in 2015, we invite nuclear victims from inside and outside the world to discuss the actual situation of nuclear damage, predictions of inhumane tragedies that would be caused by nuclear war, support for nuclear victims and nuclear-affected areas, and prevention of the spread of nuclear damage, and to send out their voices from Hiroshima to the G7 and to the world. The conference will also strengthen the network of nuclear victims around the world.

Part 1
Opening, Introduction of speakers Ms. Haruko Moritaki, Advisor of HANWA (5 min)


Keynote Speech: Dr. Tilman Ruff
Co-President, International Physicians for the Prevention of Nuclear War (IPPNW)(Nobel Peace Prize 1885)

Founder of International Campaign to Abolish Nuclear Weapons ICAN(Nobel Peace Prize 2017)

Associate Professor of School of Population and Global Health, University of Melbourne


Title: “What is Nuclear Damage? 

Facing the Crisis of Nuclear War, the Ruin of Humanity”
   

 Video Recording (40 min. lecture with simultaneous interpretation)

+ 20 minutes of Q&A online)


Part 2

Appeals from Nuclear Victims


1.Ms. Chieko Kiriaki, Hiroshima Hibakusha

“The Meaning of the Atomic Bombing” (10 min.)


2. Ms. Maki Yanbe, victim of the nuclear power plant accident, former vice-chairman of the Fukushima Prefectural Teachers Union and leader of the Futaba Branch

 “Damage caused by the Fukushima nuclear power plant accident” (20 min.)


3.Dr. Masao Tomonaga, Professor Emeritus Nagasaki University / Global Citizens Assembly

    for Nuclear Phase-Out Nagasaki

“Serious Health Hazards due to A-bomb Exposure” (online, 15 min.)


4. Mr. Ashish Birulee, Alliance Against Radiation from Uranium Mines in Jadugoda, India

Photojournalist    

 ”Jadugoda Uranium Mine, India: The Present Situation of Damage”

Video message 10 minutes (with Japanese caption)


5. Mr. Isaiah Mombilo, Representative of NGO for Civil Society in Congo, South Africa

“Nuclear Damage at Sinkolobwe Mine, Congo”  

Video message 10 min. (with Japanese caption)


6. Ms. Evelyn Ralpho, Second-generation Victim of the Marshall Nuclear Tests

“The Continuing Damage Caused by Nuclear Tests in the Marshall Islands”

               Video message 10min. (with Japanese caption)


7. Janan Hassan, Obstetrician and Pediatrician, Basra, Iraq 

     “The reality of the depleted uranium in Iraq” (Message)    

Mr. Maki Satou, International Coordinator/ Representative of SAKABEKO

 “Report of Iraq resent visit”


8.Mr. Akira Kawasaki, ICAN International Steering Committee Member (Video message 10min. (with Japanese caption)) Peace Boat)

 ”From the World of the Nuclear Weapons Abolition Movement” (10min.)


9.Ms. Kuniko Watanabe, HANWA Steering Committee Member/ANT-Hiroshima

  “From the Field in Hiroshima” (10 min.)


Closing Remarks by Mr. Shuichi Adachi, HANWA Representative (5 minutes)


Facilitator Mr. Yasuyuki Fujimoto, Secretary General, HANWA
Ms. Noriko Nakashima, HANWA Steering Committee Member
Iinterpreter Ms. Naoko KoizumiMs. Mariko Komatsu


HANWA核被害者フォ-ラム

世界の核被害者は問う~G7首脳へ

<G7サミットは核戦争の危機回避・

核被害者救援のためにヒロシマで何をするのか?>


日時:2023年5月13日(土) 13時30分~16時45分

場所:世界平和記念聖堂

主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

  *ハイブリッド開催        参加費 1000円


開催趣旨     

*核保有3か国を含み核抑止力を安全保障の要とする7か国の首脳が原爆の投下地・広島に集まり何を話し合おうとしているのでしょうか。

*核を安全保障政策の要としてその軍事同盟の強化をはかり、更なる軍拡によってウクライナ戦争の早期終結を促すどころか、世界の緊張状態を高める結果に繋がる論議をする場にヒロシマを利用するのではないのでしょうか?

*私たちは、被爆地で開催するならば、ウクライナ戦争の即時終結、ウクライナでのロシア、ウクライナ双方による劣化ウラン弾(DU)の使用禁止、世界のあらゆる核被害者の救援や放射能による環境汚染を回復するための具体的方途を協議し、核兵器廃絶への強い意思表示をするべきだと要求します。

*そのため、2015年に広島で開催した「世界核被害者フォーラム」の一環として核被害の実態、核戦争によって引き起こされるであろう非人道的な惨劇の予測、核被害者、核被害地への支援、核被害の拡大防止について世界内外の核被害者を招聘し、その声をヒロシマからG7及び世界へ発信をするとともに、世界の核被害者のネットワークを強めます。


第1部

開会・趣旨説明・登壇者紹介  森瀧 春子さん(HANWA顧問)5分

基調講演:Dr, Tilman Ruff ティルマン・ラフさん

IPPNW(核戦争防止国際医師会議共同代表)(1985ノーベル平和賞受賞)

ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)創始者(2017ノーベル平和賞受賞)

メルボルン大学人口・グローバルヘルス学部准教授(公衆衛生、感染症専門医)

 

 講演題目:「核被害とは何か? 人類の破滅をもたらす核戦争の危機に面して」  ビデオ講演 (40分)+オンラインで質疑20分)

         

休憩   10分


第2部

核被害者等からのアピール

1. 切明 千枝子さん 広島被爆者  「原爆被爆の意味するもの」 10分

2.山家(やんべ) 真紀さん 原発事故被害・元福島県教組元副委員長/双葉支部長 「福島原発事故による被害」  20分

3.朝長 万左男さん

長崎大学名誉教授/核廃絶地球市民集会ナガサキ代表

「被爆による深刻な健康被害」(オンライン  15分)

4. Mr. Ashish Birulee アッシシ・ビルリさん

インド ジャドゴダ・ウラン鉱山放射能反対同盟 写真ジャーナリスト    

  「ジャドゴダ・ウラン鉱山被害の現状」

ビデオメッセージ 10分 キャプションをつける)

5. Mr. Isaiah Mombilo イサイア・モンビロさん

コンゴ市民社会NGO代表

「コンゴ・シンコロブエ鉱山核被害について」   

ビデオメッセージ 10分 (和訳キャプション)

6. Ms.Evelyn Ralpho エヴィリン・ラルホ さん

 マーシャル核実験被害者二世(10分)

 「今も続くマーシャル諸島核実験被害」

        ( ビデオメッセージ  和訳キャプション)

7. Dr. Janan Hassan  ジャナン・ハッサンさん

  イラク・バスラ  産科・小児科医師 

「イラク劣化ウラン被害について現場の実態」 

   (ビデオメッセージ・写真 5分 和訳)

8.佐藤 真紀さん  SAABEKO代表/シリア和平ネットワーク運営委員

    「最新イラク訪問報告:DU被害の現状など」 15分

8.川崎 哲さん  ICAN国際運営委員/ピースボート) 10分

    「核兵器廃絶運動の世界の現場から」

9。渡部 久仁子さん (HANWA運営委員・ANT-Hiroshima)10分

   「ヒロシマの現場から」


閉会挨拶  足立 修一さん(HANWA代表) 5分


進行 藤元 康之さん HANWA事務局長

コーディネーター 中嶋 典子さん HANWA運営委員

通訳 小泉 直子さん小松 真理子さん


世界の核被害者は問う G7首脳へ

5月 1st, 2023