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HIROSHIMA ISSUES A HEARTY WELCOME TO THE CONFIRMATION OF THE NUCLEAR BAN TREATY COMING INTO EFFECT

水曜日, 11月 25th, 2020

HIROSHIMA ISSUES A HEARTY WELCOME TO THE CONFIRMATION OF THE NUCLEAR BAN TREATY COMING INTO EFFECT

On October 24, it was confirmed that the UN Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons would enter into force on January 22 2021, ninety days after the 50th country Honduras submitted its ratification of the treaty.

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA) welcomes the event from the bottom of our heart.

For 75 years since the US atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, the citizens have continued their appeal to the world for the abolition of nuclear weapons. These cities experienced the most inhumane atrocities of indiscriminate attack, in which those forced to come from the Korean Peninsula and POWs of the Allied Forces also lost their lives.

The Treaty, concerned about the inhumane consequences caused by using such weapons, makes nuclear weapons illegal and prohibits signatory countries from developing, testing, manufacturing, stockpiling, transferring, and using and threatening to use nuclear weapons. It also requires the damage caused to victims and the environment, as a result of testing, or use of nuclear weapons, to be remedied and given assistance and compensation. The Treaty thus attempts to eliminate all the risks that remain as long as nuclear weapons exist.

Sharing the hibakusha’s wish that the same experience shall never be repeated, we have worked to ban nuclear weapons legally in cooperation with many countries, as well as the United Nations, the International Red Cross, the Red Crescent, and NGOs such as ICAN. The fact that the Treaty is now ready to be effective is historically significant because it is the result of these activities and it marks a point at which we can make a new start.

The current state of affairs surrounding nuclear arsenals is in danger of leading to nuclear war. America and Russia have made several nuclear disarmament agreements null and void and are developing smaller tactical nuclear warheads, enabling them to be used in actual warfare. This must be blocked and stopped globally.

The Japanese Government, under the American nuclear umbrella, has not signed the Treaty asserting that it weakens Japan’s security.

However, depending upon the nuclear umbrella presupposes that nuclear weapons may be used. Using just one of these weapons could lead to chain-reaction detonation of nuclear warheads. It is feared, by the same token, that nuclear warfare might cause global climate change which endangers the very existence of humans, as well as all living things.  This year, the coronavirus pandemic has claimed the lives of more than one million people (as of Oct. 27). Strengthening military power does not save people’s lives.

About seventy percent of Japanese people agree that the government should join the Treaty.

We demand that the Japanese Government sign and ratify the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons as soon as possible.

We, the people of Hiroshima, are filled with hope and announce our heartfelt welcome of the epoch-making Treaty.

We hereby express that we will focus our efforts toward the achievement of the abolition of nuclear weapons.

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

October 25, 2020

ヒロシマは核兵器禁止条約の発効確定を心から歓迎する

水曜日, 10月 28th, 2020

ヒロシマは核兵器禁止条約の発効確定を心から歓迎する

 本日(現地時間10月24日)、核兵器禁止条約の発効が確定した。50カ国目の批准国となるホンジュラスが批准書を寄託したことによる。同条約は、90日後の2021年1月22日に効力を生ずることとなった。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は、このことを心から歓迎する。

 1945年8月のアメリカによる広島・長崎への原爆投下から75年間、ヒロシマ・ナガサキはその未曾有の非人間的悲惨の極限をもたらされた体験から核兵器廃絶を訴え続けてきた。これらの爆撃では、市民に対する無差別殺戮が行われ、日本の植民地支配の結果、日本に強制動員された朝鮮半島出身者や連合国の捕虜も犠牲となった。

 核兵器禁止条約は、このような核兵器の使用による非人道的影響に着目し、核兵器を違法な兵器とし、その開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶を規定し、これまでの核による人間や環境の被害への支援、保障を求め、これにより、核兵器が存在する限り生じる危険性を一切排除するものである。

  私たちは、「同じ思いをもう2度とさせたくない」と願う被爆者とともに、同じ思いの多くの国々や国連、国際赤十字・赤新月社運動、ICANなどのNGO団体とともに核兵器を法的に禁止することを求めて赤十字国際委員会や核不拡散条約(NPT)再検討会議など国内外で訴えてきた。条約の発効確定は、このような活動の一定の到達点として、新たなスタートに立つべき決定的な歴史的意義を持つものである。

 今、核兵器をめぐる世界の状況は米露が核軍縮のための各種の条約を失効させ、小型核兵器の開発、実戦使用の道を進めるなど、核戦争をもたらす危機的状況にあるが、この動きを世界中から包囲し封じていかねばならない。

 日本政府は、アメリカの核の傘に依存する安全保障政策を執り、核兵器禁止条約は、日本の安全保障を弱体化するものとして、同条約に署名しないとの態度を示している。

 しかし、核の傘に依存するというのは、核兵器の使用を前提とするもので、ひとたびの核兵器の使用が連鎖的な使用に繋がり、ひいては、地球規模の気候変動により、人類、否、生物の生存自体が危険にさらされる事態を招来することが懸念されるのである。本年は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、これまでに115万人もの人々の命が奪われた。軍事力をいくら強化しても、人々の命が守れない事態が起こっている。

 日本の市民は、約7割が核兵器禁止条約に参加すべきとしている。

 私たちは、日本政府に対し、核兵器禁止条約に一刻も早く早期に署名・批准することを求める。

 私たちはヒロシマから希望を持ってこの画期的な核兵器禁止条約の発効を心から歓迎し、核兵器廃絶への道に力を結集していくことを表明する。

2020年10月25日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA

被爆75年 8・6ヒロシマ宣言

木曜日, 8月 20th, 2020

 

 被爆75年を迎える直前の本年7月16日、米トランプ大統領は1945年
7月16日の原爆製造成功を称えて「アメリカは偉業を遂げ、核抑止力で世界の
利益に貢献してきた記念日だ」と述べ私たちを挑戦的な言動で怒らせました。核
兵器禁止条約発効を目前にして焦り妨害しようとするものです。
 本日、私たちは〝迫る核危機を乗り越えるためにヒロシマは何をなすべき
か″を考える機会を持ちました。
 INF失効後の米露の新たな核・ミサイル開発競争、イランとの核合意破棄、
2021年に期限が迫る米露の新START、核兵器実戦使用のための小型核
開発をはかる米トランプ政権の爆発を伴う核実験再開の示唆など、今核をめぐ
る危機的な状況が如何に高まっているのか。
 核廃絶のためには、このような複雑に動く内外の情勢の的確な把握が必要で
あること、沖縄における日米の軍事同盟の実態や世界の核情勢を第一線で取材
を進めている琉球新報の新垣記者から知識を共有し、オキナワ-ヒロシマ-ナ
ガサキが連帯して何をなすべきか考えあいました。
 米国をはじめとする核保有国や、日本など核抑止力に依存する国々は、国連で
の核兵器禁止条約採択に反対し、禁止条約の発効を何とか潰そうと躍起になっ
てきました。被爆国日本の政府は禁止条約に真っ向から反対するとともに核兵
器実戦使用を打ち出した米トランプ政権の「NPR:新しい核態勢の見直し」を
高く評価し、六ケ所村核燃料サイクルを動かそうとするなどプルトニウムのさ
らなる備蓄を伴うこの動きは、国際社会から不信を招いています。
 しかし、もはや「法的に禁止する」という国際的潮流を止めることはできず、
本年7月7日現在、核兵器禁止条約に81ヶ国が署名、そのうち40ヶ国が批准
するに至っています。
 ICANをはじめとする国際NGOの取り組みでここまで来ましたが、10
ヵ国をそこに加える戦いは終わっていません。また、核兵器関連企業への投資か
ら手を引くよう求める金融機関への取り組みにより世界の100近い金融機関
が2017年以降取引から撤退してきています。核兵器禁止条約の発効を連帯
の力で一層進めていく正念場です。
 INF全廃条約を失効させた米トランプ政権は、中国・露との対立を激化しア
ジアやヨーロッパへの地上配備型中距離ミサイルの配備を目指し動きだしました。本年5月には「領空開放(オープンスカイ)条約」からの脱退を実行しています。
 安倍政権は、日米軍事同盟強化の要として日本への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備を秋田、山口両県に導入しようとしましたが、技術的な問題や地元の猛反対などから最近頓挫し撤回に追い込まれました。しかし、代りにNSC(国家安全保障会議)で、防衛大綱の見直しを図りミサイル防衛などの検討に加え、専守防衛を逸脱する危険な「敵基地攻撃能力」を保有するとの論議に入っています。
 新たな東西冷戦と言われる状況の中で、核戦争の危機が生み出されています。本年春のNPT(核不拡散条約)再検討会議は、世界を襲っている新型コロナウィルスの猛威で延期されましたが、NPTが課した「核軍縮の努力義務」はすでに崩壊してしまっている状態です。
 コロナウィルスによる犠牲は世界の弱者にのしかかり、それを尻目に巨額の税金を軍拡に投じる為政者たちは、同時に悲惨な貧困、放射能被害、ウィルス被害などあらゆる被害の真相を隠蔽し、切り捨てて来ています。
人類に敵対する違法なものとして核を明確に規定し、その開発、製造、実験、移転、威嚇などを禁止し、すべての核被害者への支援・環境汚染の除去などを規定する国際法―核兵器禁止条約―の発効こそが、核を葬る決定的な人道的理念・手段として緊急に求められています。
 <核と人類は共存できない>という歴史的現実から生まれた共通認識のもと、ヒロシマは連帯して巨大な核権力に立ち向かっていこうと世界に訴えます。

2020年・被爆75年8月6日
8・6国際対話集会~反核の夕べ2020 参加者一同

核兵器禁止条約の発効を求めるヒロシマ声明

土曜日, 7月 27th, 2019

2019.7.16 キャンドル・アピール

 ヒロシマから核兵器禁止条約の早期発効を! キャンドル・アピール       

RATIFY BAN NUKES NOW! 2019

今こそ核兵器禁止条約の批准・発効を!2019

       核兵器廃絶を求めるヒロシマの会(HANWA)

      核兵器禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民一同

       

核兵器禁止条約の発効を求めるヒロシマ声明

2年前の2017年7月7日に、122か国の賛同によって核兵器禁止条約が国連で採択されました。核兵器は、存在も使用も威嚇も許すことのできない非人道的兵器であり、法的に禁止することによって人類が生きのびる可能性を圧倒的多数の国々が選んだのです。 核保有国や核抑止力政策を採る国々が核兵器禁止条約の実現を妨害しようとも、核兵器廃絶のために最も短い道である核の法的禁止は世界中の共通認識となりました。  

私たち広島市民は、核兵器禁止条約制定2周年に当たり核兵器禁止条約の発効に必要な 批准国を50カ国以上に拡げなければと世界中に、市民の描くキャンドル・メッセージで アピールします。 核利用サイクルの過程で引き起こされ、今なお拡大している甚大な核被害の問題、核戦争の危機を見据えることがヒロシマの課題です。  

核開発による人類生存の危機を根っこから断ち切るべく、ウラン採掘、核兵器、原発、劣化ウラン兵器など核利用のサイクルによりもたらされている非人道的被害の原点から、あらためて「核と人類は共存できない」ことを確認し、国際的な連帯のネットワークを築くことを推進していきます。

「唯一の戦争被爆国」を名乗る日本政府は、核兵器禁止条約に反対し、核兵器廃絶への道を阻みつつ「核保有国と非保有国の溝を埋める橋渡し役を」果すと言います。しかし、自らは核依存政策を維持し、「橋渡し」どころか米トランプ政権などの核保有国の側に立ち、国際的溝を深め妨害しているのが実態ではありませんか。 同時に他方では、被爆の安全神話を振り撒き福島の核災害を封印し、原発被害者を棄民にしようとしています。原発の再稼働、海外への原発輸出、自国の核保有の意図をも持つ使用済み核燃料再処理によるプルトニウムの備蓄など核利用サイクル政策を推進して国際的な疑念と不信を拡げています。 核兵器禁止条約が制定され支持する国際的潮流は押し戻すことのできない大勢となっています。

ヒロシマ市民は、広島市長が被爆74年の原爆被曝の日に世界に発する広島平和宣言において日本政府に対し核兵器禁止条約の賛同国となることを要求するよう、私たち市民を代表して高らかに宣言することを求めます。 核兵器廃絶のための核兵器禁止条約発効の早期実現のため、国際的連帯を更に強める民衆の連帯の力こそが、核兵器廃絶のための最も有効な核兵器禁止条約の発効を実現するものだと信じます。

                  2019年7月16日 

Statement Hiroshima Demands Ban Nukes Treaty Be Immediately

Effectuated HANWA Candle Appeal

RATIFY BAN NUKES NOW! 2019

Two years ago on 7th July 2017, the proposed Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons was adopted with the approval of 122 countries at the United Nations Headquarters. Nuclear Weapons are totally inhumane weapons whose existence or use must be forbidden. Threat of its use cannot be permitted, either. That is the reason why an overwhelming majority of states chose to prohibit nuclear weapons in order to pursue the possibility of the survival of human beings.

Even though nuclear-weapon states and those dependent on nuclear deterrence for their security have attempted to prevent the Treaty from coming into effect, the legal prohibition of nuclear weapons is now common understanding throughout the world as the shortest way to abolition.

On the anniversary of the adoption of the Treaty, we, citizens of Hiroshima, appeal to the world by lighting candles to express our hope that more than 50 states will ratify the Treaty, so that it will be brought into effect as soon as possible.

Damage caused at every stage of the nuclear cycle continues to increase. The threat of nuclear war is also realistic. Hiroshima’s mission is to address these issues.

The humanitarian crisis must be completely overcome and we reaffirm that humans cannot coexist with nuclear and power. From the standpoint that uranium mines, nuclear power generation, depleted uranium weapons and atomic weapons all produce damage to humans, we continue to create networks of international alliance.

Japan, as the only atomic-bombed country, opposes the Treaty saying that it will “act as a mediator to bridge the gap between nuclear power states and non-nuclear states.” However, far from acting as a mediator, the government is actually widening the gap by always siding with the nuclear powers, particularly the Trump Administration.

On the other hand, our government is also spreading the myth of the safety of exposure to radiation, concealing the reality of the Fukushima disaster, thus abandoning victims of the catastrophe. Japan is also pursuing the nuclear-fuel cycle while re-opening shuttered power plants and further exporting the technology to open new power plants worldwide. Moreover, Japan is storing plutonium by reprocessing nuclear fuel which could be used to develop nuclear weapons in the future. This policy is arousing suspicion in the international community.

The approval of the Treaty has now acquired irreversible international currency. Hiroshima citizens request the Mayor of Hiroshima to demand clearly in the Peace Declaration to be issued on the 6th of August that the government of Japan should sign and ratify the Treaty without delay.

We believe that joint efforts of people across the world to make the Treaty come into effect as soon as possible will most effectively realize a world free of nuclear weapons.

16th July 2019 HANWA

(Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition)

Hiroshima Citizens for Immediate Realization of Ban Nukes Treaty                 

米トランプ政権によるNPR(核体制見直し)発表と河野外務大臣の歓迎談話への抗議声明

土曜日, 5月 19th, 2018

米トランプ政権によるNPR(核体制見直し)発表と 

       河野外務大臣の歓迎談話への抗議声明

 

 米国政府は、1月30日のトランプ大統領による一般教書演説において「比類なき力」こそが「確実な防衛手段」であり「強いアメリカを取り戻すため」に「核兵器を近代化し核軍事力を立て直すこと」を国防政策の要と主張した。

続く2月2日、2010年以来となるNPR(核体制の見直し)を発表し、さらなる核戦略の強化を推し進め、実戦使用をするという危険極まりない新方針を打ち出した。

それは、「実戦で使える核兵器の開発・配備」のため「爆発力を抑えた小型核兵器の開発に着手する」というもので、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する小型核兵器及び核兵器を搭載し海上発射する巡航ミサイル(SLCM)の開発に着手することを示したものである。また通常兵器による戦略的な攻撃に対して、核攻撃を以って報復するという拡大抑止をも前面に出している。

あたかも核兵器の小型化は、核攻撃による被害を軍事目標に限定でき実戦使用可能であるかのように虚言を弄し、使用のための閾を低くするものである。

 

平昌オリンピック・パラリンピック終了後に予定されている米韓軍事合同演習及び2月18日から3月まで実施する日米共同訓練などはさらなる緊張状態をもたらすもので強く反対する。平昌オリンピックで友好のムードがたかまり対話による緊張緩和を求める世界の声が大きくなる現状に逆流し北朝鮮を挑発し、さらにはトランプ政権の北朝鮮への先制攻撃を導くもので許してはならない。

「敵国の軍事施設などへのピンポイント攻撃」は北朝鮮への核使用を実際のものとする意図であり、戦術核の新たな強化は国名を挙げて敵視するロシア・中国への挑発であり核軍事力による新たな東西冷戦の危機を生み出すものであると言わざるを得ない。

 

核戦争の非人間的極みの体験をさせられた日本こそが、米トランプ政権の核兵器使用宣言に対して真っ先に反対の声を上げるべき時に、こともあろうに安倍政権の河野太郎外務大臣はいち早く歓迎の談話を発表した。それは、米政権が同盟国に核抑止力を保証しさらに強化したことを高く評価し、日本政府は米政権と協力して安全保障を損なわない現実的な核軍縮を進めていくとするものだった。これまで米国に対し、核先制使用と拡大抑止力を求めてきた安倍政権は、核搭載の米戦艦への燃料補給や支援を通じ日米一体となって核戦争に加担していくことを目指すというのか。

 

私たちは核戦争を体験し、いまだに続くその被害に苦しむヒロシマの市民として核兵器廃絶のために闘い続けてきた。2017年から2018年にかけてヒロシマの声を一つにして「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動実行委員会を」27団体により結成し、6回にわたる共同行動及び7回の関連行動を積み重ね国内外に訴えてきた。そして2017年7月7日に国連で「核兵器禁止条約」が多数の国々によって採択されたことに大きな希望を持つことができた。

 

日本政府は一貫して、核兵器の法的禁止に反対し、国連で採択されてもなお核兵器禁止条約への署名・批准を拒んで核兵器廃絶を求める世界の潮流に逆らっている。

「核と人類は共存できない」と、その未曾有の非人間的体験から核廃絶を訴えてきたヒロシマは、核廃絶に逆行する米トランプ政権の危険な核戦略体制に反対し、安倍政権の米国に追随する核戦争政策に強く抗議するものである。

 

2018年2月21日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会

共同代表:青木克明 足立修一 森瀧春子

核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 声明

日曜日, 12月 10th, 2017

核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 声明

 

今日、2017年12月10日、人類の存続を保証するための歴史的な核兵器禁止条約実現に決定的な貢献をした「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」にノーベル平和賞が授与されます。

米国によるヒロシマ・ナガサキへの原爆投下は、非人間的悲惨の極みをもたらし、数十万の命を何が起こったかも知る由もなく一瞬にして虐殺し、家族と身体的機能を奪われて生き残った者に72年間も放射線障害をはじめとする痛苦を与え続けてきました。

2017年7月7日に、国連で核兵器を国際的規範で違法とし、核兵器の開発、製造、実験、所有、譲渡、使用の威嚇などを禁じる核兵器禁止条約が122もの国々の固い決意のもとに採択されました。「核と人類は共存できない」というヒロシマ・ナガサキをはじめとする世界中のあらゆる核被害者の世界への叫びがやっと届いたものです。

一方、核保有国とその同盟国は、人類破滅をもたらす核兵器に安全保障を依存するという恥ずべき姿勢を維持するのみならず、核兵器禁止条約の採択に賛同した国々に圧力をかけ批准を妨害しています。

ヒロシマは信じます。禁止条約の採択に賛同した叡智ある国々が1日も早く署名・批准を成し遂げ、人類の存続のための最も有効な手段である核兵器禁止条約の発効に寄与することを。

核はその開発の段階から軍事利用、商業利用の区別を問わず先住民や太平洋諸島島民をはじめとする弱き側の民衆に大きな犠牲を強要してきました。放射線被害は未来を担う世代にも大きな被害をもたらしています。禁止条約はその苦悩に向き合い光を当てたものでもあります。核被害を根底から告発し、核なき世界を求めてきた私たちヒロシマ市民が大きな希望を持つことができる所以でもあります。

日本政府の核抑止力依存政策は禁止条約で禁じる「核使用の威嚇」に抵触するものであり、被爆国でありながら核保有国の側に立ち、核兵器禁止条約に反対していることを、私たち日本の市民は決して許しません。私たちは全力をあげて、日本政府をして、署名・批准の良識ある行動に立たせることを誓います。

本日ノーベル平和賞授賞式で、世界のヒバクシャを代表してヒロシマの被爆者であるサーロー・節子さんが世界に核廃絶を訴えます。私たちはサーロー・節子さんと共にあります。感謝と激励のメッセージを届けようと原爆ドームに集いました。

ICANは、私たちにとって希望溢れるNGOです。その若い力強さで核廃絶の実現に向け世界を牽引してくれることを心から期待しています。

 

核兵器禁止条約・ICANのノーベル平和賞おめでとう!

サーロー・節子さん ありがとう!がんばって!

核兵器禁止条約で核なき世界を! 世界の人々と連帯して!

 

2017年12月10日

 

核兵器禁止条約を実現したICANのノーベル平和賞を祝い、

禁止条約の早期発効を求めるヒロシマ市民集会 参加者一同

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

実行委員会参加団体 (12月1日現在 27団体)

 

・      核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

・      NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト

・      広島県被団協(坪井理事長)

・      広島県原水禁

・      広島県保険医協会

・      広島県原水協

・      広島県被団協(佐久間理事長)

・      第九条の会ヒロシマ

・      広島YMCA国際コミュニティーセンター

・      ANT-Hiroshima

・      さよなら原発ヒロシマの会

・      上関原発止めよう!広島ネットワーク

・      広島医療生協

・      広島県民主医療機関連合会

・      ピースリンク広島・呉・岩国

・      韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部

・      カトリック正義と平和広島協議会

・      新日本婦人の会広島県本部

・      広島宗教者平和協議会

・      被爆者支援広島ネットワーク

・      ヒロシマ革新懇

・      広島県AALA連帯委員会

・      被ばくの歴史・平和学市民コンソーシアム

・      ワールド・フレンドシップ・センター(WFC)

・      日本キリスト教団核問題特別委員会

・      原爆胎内被爆者全国連絡会広島支部

・      原爆被害者相談員の会

北朝鮮の核・ミサイル実験に抗議する声明

金曜日, 9月 8th, 2017

北朝鮮の核・ミサイル実験に抗議する声明

  米韓日は合同軍事演習をやめ米朝両政府は速やかに非核化の対話を

私たちは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が繰り返すミサイル発射と9月3日に行った核実験に強く抗議します。同時に、北朝鮮に対する軍事攻撃も選択肢とする米国政府の対応を深く憂慮し、トランプ大統領や米政府高官の核使用や先制攻撃を示唆する恫喝的言動を非難します。核兵器をもって互いに威嚇しあう両政府の対立は核戦争を引き起こしかねず、私たちは今、東アジア全域が壊滅的惨禍を被る瀬戸際にあるという深刻な脅威を感じています。

私たちは北朝鮮政府に対して核兵器・ミサイル開発の即時凍結を求めるとともに米国・韓国両政府に対して北朝鮮の体制崩壊を目標にした軍事行動・軍事演習を即時中止するよう求めます。日本政府に対しても、米韓の軍事行動・演習に自衛隊を参加させないよう強く要請します。

そのうえで、米朝両政府に対して、速やかに対話のテーブルにつき、朝鮮戦争を終わらせ、平和協定を締結するための交渉を始めるよう求めます。

韓国、中国、ロシア、日本の各国政府に対しては米朝両政府に対して、挑発的・威嚇的言動の即時停止を要求し、米朝外交交渉再開への支援と6カ国協議の再開に向けて最大限の努力を行うことを求めます。

東アジアではアジア太平洋戦争と朝鮮戦争で膨大な市民が犠牲になりました。広島、長崎の悲惨な原爆被害を通して、核兵器の使用がもたらす壊滅的な帰結に対しては適切な対処はあり得ず、国境を越え、人類の生存、環境、社会経済的な発展、世界経済、食料の安全及び現在と将来の世代に重大な影響を与えることが国際社会の共通の認識となっています。戦争は非人道の極みであり、繰り返されてはならず、核兵器は絶対に使用されてはいけません。

2カ月前に国連で国連加盟国の約3分の2にあたる122カ国が賛成して核兵器禁止条約が採択されました。禁止条約では、核実験や核ミサイルの発射実験も、核兵器使用の威嚇も国際人道法違反として禁じています。世界の大勢は現在、米朝双方が行っていることをいずれも国際人道法違反とみているのです。

私たちは米朝両政府が挑発的・威嚇的言動を停止し、速やかに朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争終結・恒久平和確立へ向けての対話を始めることを心から求めるものです。

 

2017年9月7日

核兵器廃絶を求めるヒロシマの会(HANWA)

共同代表 青木 克明      足立 修一      森瀧 春子

核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明

土曜日, 7月 8th, 2017

核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明

   核兵器禁止条約の採択をヒロシマは心から歓迎する

2017年7月7日、ヒロシマ・ナガサキ原爆被爆の未曾有の非人間的惨禍から72年目の今日、世界の生きんとする人々の悲願である核兵器禁止条約が国連で122カ国の賛成と反対1、棄権1と圧倒的多数で採択されました。

まさに世界に人類生存への希望をもたらした歴史的な日を迎えたのです。

ここヒロシマで、アメリカによる原爆投下によって無残に命を奪われた十数万の人々、被爆後72年の間、家族関係を原爆により破壊され辛酸をなめながら、放射能の後遺症に苦しめられ「遅れた死」をもたらされた二十数万人の人々、そして今なお、病魔や生活苦を背負わされている多くの人々と共に私たちは核廃絶を求めてきました。

そのことについては、核兵器禁止条約前文において、ヒバクシャの受け入れがたい苦難と被害、核廃絶への貢献を特記して表しています。

その実現のための最も現実的な法的規範である「核兵器禁止条約」は、「核と人類は共存できない」という理念を掲げた私たち世界民衆とその代表者である志を持つ国々の連帯の力で勝ち取ることができました。市民社会に解放された禁止条約国連交渉会議のあり方が、人類英知の結晶を生み出したのです。

採択された「核兵器禁止条約」は、核の非人道性を問い糺し、核が人類生存の道を阻む「悪」であるという烙印を押した国際規範です。核兵器の開発、実験、保有、移譲、使用及び使用の威嚇が禁止されました。特に、爆発を伴わない核実験も禁止したことは新たな核開発の防止の実効性を高めるものです。さらにこれらの行為をいかなる形でも援助、奨励、勧誘することも禁止されました。核兵器使用の威嚇が禁止されたということは、核抑止力依存を国策とする国家にとっては深刻な打撃を与え、国際法で禁じられる故に安全保障策の根底的な転換を迫るものになります。

また、核廃絶の原点である世界の核被害者に目を向け、その国家と被害をもたらした加害国の被害者への支援及び核汚染地の環境回復という責任と義務を明記したこと、核被害が特に弱き側の先住民の上に押し付けられていること、放射能の影響が母体である女性や将来の世代に及ぶことを明示し、核被害の及ぼす放射能の脅威を強調したことは、私たちが長年、核被害実態の解明と被害の救援に取り組んできたことの反映です。

一方、原子力利用による核被害の実態に踏まえ、「核と人類は共存できない」という理念を掲げてきたわたしたちにとって、NPT(核不拡散条約)にもとずく「核の平和利用の権利」の保障に言及した点は今後の大きな課題と言えます。

この条約はさらに、核保有国が条約に加入したうえで保有核兵器を時間枠の伴う検証可能かつ不可逆的な方法で解体していく道筋も定めています。  アメリカ等が関係諸国に不参加や反対投票をするよう圧力をかけている中で、また核の傘に依存する被爆国日本が反対表明や不参加の態度をとるなど妨害が続く中、確固とした信念に基づき採択を実現させたホワイト議長をはじめとする人々、国々に深い敬意を表します。

私たちは日本政府に要求します。直ちに被爆国としての責任ある態度を持って締約国となるよう署名、批准を果して、国際社会の信頼を取り戻すべきです。日本政府がアメリカの核の傘に依存する政策は、すでに国際法によって違法となったことを肝に銘じなければなりません。

9月20日の署名開始から50カ国の批准が行われて90日経つと核兵器禁止条約はいよいよ発効します。日米両政府などの抵抗妨害を市民の力で無力にして自国の署名批准を推し進めましょう。禁止条約を実現した大きな力を私たちは持っています。

核兵器の最後の一つをこの世界から無くするまで、ヒロシマも世界の市民も声を一つに頑張りぬくことを誓います。

 

2017年7月8日

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

核兵器禁止条約採択を歓迎するヒロシマ集会参加者一同


核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明(参加団体付き)採択 17.7.8(PDF)

本日の声明文を次の方々に送りました。

首相官邸 安倍晋三総理大臣

外務省軍縮課 岸田文雄外務大臣

岸田文雄後援会事務所(広島市中区)

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日本政府内閣府

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 

国連の核兵器禁止条約交渉会議で禁止条約が採択された直後の8日午後、私たち広島市民は「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動その3」として、原爆ドーム前で「核兵器禁止条約案採択をヒロシマは心から歓迎する!」集会を開き、約100人の参加者一同による「核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明」を発しました。集会案内と声明文を安倍晋三総理大臣あてにお送りします。

声明では、「世界に人類生存への希望をもたらした歴史的な日を迎えた」と条約採択を歓迎する一方で日本政府に対し、直ちに被爆国としての責任ある態度を持って締約国となるよう署名、批准を果して、国際社会の信頼を取り戻すよう求めています。。

お手数をおかけしますがご伝達のほどよろしくお願い申し上げます。

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

〒730-0013広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室

足立・西法律事務所

(TEL)082-211-3342

(Eメール) hanwa@e-hanwa.org

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核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動宣言

月曜日, 6月 12th, 2017

  2017年5月27日

日本政府内閣府

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 

私たち広島市民は27日広島市で、「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動その1」として「核兵器廃絶!ヒロシマ市民集会」を開き、参加者一同による「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動宣言」を発しました。集会プログラムと宣言文を安倍晋三総理大臣あてにお送りします。

宣言では、国連・核兵器禁止条約交渉会議の第2回会合が進展し、核兵器禁止条約が策定されて、秋の国連総会で採択されることを強く求めています。そのためにも、日本政府が、これまでの態度を改め、交渉会議に出席し、非人道的核兵器の非合法化に向けて被爆国として積極的な役割を果たすことを求めています。

お手数をおかけしますがご伝達のほどよろしくお願い申し上げます。

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

〒730-0013広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室 足立・西法律事務所

(TEL)082-211-3342

(Eメール) hanwa@e-hanwa.org


*5月28日、同文を首相、外相、岸田文雄事務所(広島)あてに郵送しました。

 

日本政府が核兵器禁止条約交渉会議に参加しない表明をしたことに抗議する

木曜日, 3月 30th, 2017

 日本政府が核兵器禁止条約交渉会議に参加しない表明をしたことに抗議する

 

3月27日、国連で核兵器を法的に禁止する国連の「核兵器禁止条約」交渉会議が始まった。この新条約の交渉では、120カ国以上が、法的拘束力のある核兵器禁止条約制定を支持しており、同月31日までの会議で禁止する範囲などの詳細については各国が意見を交わし、議長が本年5月までにたたき台となる条約案を示すことが見込まれている。

ところが、日本は、この会議に出席したものの、各国の代表者による意見表明の場で高見沢将林軍縮会議代表部大使は、今回の禁止条約交渉に反対し、今後の会議への不参加を表明した。すなわち、「今回の交渉では核軍縮での協力が不可欠な核兵器国の理解や関与が得られない」、「交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難」と述べ、「核保有国抜きの禁止条約は実効性がなく核兵器国と非核兵器国、さらには非核兵器国間の分裂を広げ、核兵器なき世界という共通目標を遠ざける」とした。また、北朝鮮の状況にも触れ、「禁止条約がつくられたとしても、北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」とした。その上で、「現状では交渉に参加できない」とし、今後の会議への不参加を表明した。また、岸田文雄外務大臣も会見で、交渉不参加を決めた理由につき、高見沢大使と同様の説明をし、岸田外相は条約交渉について、「核兵器国と非核兵器国が参加する枠組みで努力することが現実的であり核兵器のない世界への最短の道と信じている」と述べた。昨年10月には岸田外相は参加を表明していたにもかかわらず被爆地出身としての責務を放棄し、米トランプ政権との軍事同盟からの圧力のもと変節したとしか考えられない。

初めての戦争被爆国でありながら、米国の核の傘の下にある日本が交渉会議に出席したものの、交渉のあり方に反対の意見を述べ、その後参加しないと表明するという、いわば会議の妨害に行ったとみられても仕方のないような行動を安倍政権が取ったことにつき、世界と日本の世論に逆行する行動であり、わたしたち広島の市民は強く抗議する。

核兵器の廃絶は、人類の悲願であり国連が、国際法で禁止することによるその実現に向けて動きだす意義は極めて大きい。ヒロシマは核被害の原点から核を否定する。核の絶対否定なしに核兵器の廃絶も原発の廃絶も達成できない。被爆者は、同じ地獄をどこの国の誰にも絶対に再現させてはならならないことを求めている。わたしたち広島市民は、原爆で亡くなった人々の無念の魂を背負って日本政府に対し、核兵器禁止条約の実現に向けて方針を転換することを求め、本年6月以降の会議に参加し核兵器国を巻き込む努力をすることを求める。私たちはヒロシマから希望を持ってこの画期的な核兵器禁止条約実現を通しての核兵器廃絶への道に力を結集し、ヒロシマからの声を挙げ続けていくものである。

2017年3月29日

 

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)