米トランプ政権によるNPR(核体制見直し)発表と河野外務大臣の歓迎談話への抗議声明

米トランプ政権によるNPR(核体制見直し)発表と 

       河野外務大臣の歓迎談話への抗議声明

 

 米国政府は、1月30日のトランプ大統領による一般教書演説において「比類なき力」こそが「確実な防衛手段」であり「強いアメリカを取り戻すため」に「核兵器を近代化し核軍事力を立て直すこと」を国防政策の要と主張した。

続く2月2日、2010年以来となるNPR(核体制の見直し)を発表し、さらなる核戦略の強化を推し進め、実戦使用をするという危険極まりない新方針を打ち出した。

それは、「実戦で使える核兵器の開発・配備」のため「爆発力を抑えた小型核兵器の開発に着手する」というもので、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に搭載する小型核兵器及び核兵器を搭載し海上発射する巡航ミサイル(SLCM)の開発に着手することを示したものである。また通常兵器による戦略的な攻撃に対して、核攻撃を以って報復するという拡大抑止をも前面に出している。

あたかも核兵器の小型化は、核攻撃による被害を軍事目標に限定でき実戦使用可能であるかのように虚言を弄し、使用のための閾を低くするものである。

 

平昌オリンピック・パラリンピック終了後に予定されている米韓軍事合同演習及び2月18日から3月まで実施する日米共同訓練などはさらなる緊張状態をもたらすもので強く反対する。平昌オリンピックで友好のムードがたかまり対話による緊張緩和を求める世界の声が大きくなる現状に逆流し北朝鮮を挑発し、さらにはトランプ政権の北朝鮮への先制攻撃を導くもので許してはならない。

「敵国の軍事施設などへのピンポイント攻撃」は北朝鮮への核使用を実際のものとする意図であり、戦術核の新たな強化は国名を挙げて敵視するロシア・中国への挑発であり核軍事力による新たな東西冷戦の危機を生み出すものであると言わざるを得ない。

 

核戦争の非人間的極みの体験をさせられた日本こそが、米トランプ政権の核兵器使用宣言に対して真っ先に反対の声を上げるべき時に、こともあろうに安倍政権の河野太郎外務大臣はいち早く歓迎の談話を発表した。それは、米政権が同盟国に核抑止力を保証しさらに強化したことを高く評価し、日本政府は米政権と協力して安全保障を損なわない現実的な核軍縮を進めていくとするものだった。これまで米国に対し、核先制使用と拡大抑止力を求めてきた安倍政権は、核搭載の米戦艦への燃料補給や支援を通じ日米一体となって核戦争に加担していくことを目指すというのか。

 

私たちは核戦争を体験し、いまだに続くその被害に苦しむヒロシマの市民として核兵器廃絶のために闘い続けてきた。2017年から2018年にかけてヒロシマの声を一つにして「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動実行委員会を」27団体により結成し、6回にわたる共同行動及び7回の関連行動を積み重ね国内外に訴えてきた。そして2017年7月7日に国連で「核兵器禁止条約」が多数の国々によって採択されたことに大きな希望を持つことができた。

 

日本政府は一貫して、核兵器の法的禁止に反対し、国連で採択されてもなお核兵器禁止条約への署名・批准を拒んで核兵器廃絶を求める世界の潮流に逆らっている。

「核と人類は共存できない」と、その未曾有の非人間的体験から核廃絶を訴えてきたヒロシマは、核廃絶に逆行する米トランプ政権の危険な核戦略体制に反対し、安倍政権の米国に追随する核戦争政策に強く抗議するものである。

 

2018年2月21日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会

共同代表:青木克明 足立修一 森瀧春子

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