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核兵器禁止条約発効2年にあたっての声明

日曜日, 1月 22nd, 2023

 本日(2023年1月22日)は、核兵器禁止条約(TPNW)が発効して2年となる。現在、92か国が署名し、68か国が批准している。

 2022年2月、ロシアがウクライナに侵略し、核兵器を使用する旨の威嚇を行うなど、現在、核戦争の危機に直面している状況にある。しかし、広島の被爆者と市民は、決して核兵器を使用してはならないこと、核戦争に勝者はなく、地球の破滅をもたらす結末となること、今も続く戦火により多くの無辜の人々が殺されていることを一刻も早く終わらせ、停戦・終戦することを訴える。

 77年前、広島市はアメリカ軍の核兵器の爆撃により壊滅させられた。日本人だけではなく植民地支配していた朝鮮半島・台湾出身者、強制連行された中国人、アメリカ人捕虜や、国策により東南アジア諸国や中国から日本に留学した人たちも無差別に被爆させられ、また、死亡させられた。また、原爆の爆裂による直接の威力(熱線・爆風・初期放射線)だけでなく、残留放射線による被爆は爆撃後広島市内に入った人にも及び、放射性降下物による被爆は爆心地から30キロを超える地域にまでも及んだ。戦争が終わった後、広島での死亡者は1945年末までで約14万人と推定され、現在に至るまで白血病やガンにより多くの被爆者が死亡させられてきている。また、3日後に爆撃された長崎市も同様な原爆の爆撃を受け、同様の状態になっている。

 昨年6月、核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開催され、ウィーン宣言が採択された。核兵器禁止条約の普遍化と核被害者の援護などが課題となっている。本年11月に開催される第2回締約国会議で、議論が深まることを期待したい。
 昨年8月、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開催されたが、最終文書の採択に至らなかった。同条約6条の核軍縮義務を履行し完結する(=核兵器を廃絶する)ことは、2000年、2010年の最終文書で確認されているにもかかわらず、一歩も前進しなかったことは極めて残念な事態である。核兵器保有国がNPTを補完するTPNWの署名・批准に背を向ける態度を取ることは許されない。

 私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながって核なき世界をめざしていきたい。

2023年1月22日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足 立 修 一

核戦争を招く「安保3文書」閣議決定の撤回を求める(声明)

木曜日, 1月 19th, 2023


 岸田内閣は12月16日、「国家安全保障戦略」などの安保3文書を改定する閣議決定を行った。歴代の自民党政権が、現行憲法のもとでは「保有できない」としてきた敵基地攻撃を目的とする武器を保有し、国際法にも反する先制攻撃すら可能にする内容をはらんでいる。果てしない軍拡競争となる恐れがあり、その行きつく先は核兵器保有、核戦争である。被爆地ヒロシマから核兵器の廃絶を訴え続けてきた私たちは断じて容認できず、閣議決定の即時撤回を強く要求する。

 「ウクライナ戦争」により世界は核戦争の危機に直面している。戦争被爆国である日本の政府が行うべきことは、核戦争の危機を回避させることである。被爆地ヒロシマから選出された岸田文雄首相には、とりわけその責務があるはずだ。しかしいま首相は、アジアにおいても軍事緊張を高め、戦争の引き金に指をかけようとしている。首相はヒロシマの有権者の声を「聞く力」も失ってしまったのか。私たちは大きな失望感のなかにいる。

 安保3文書のうち「国家安全保障戦略」は、中国の軍事動向を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と断定し、「同盟国・同志国と連携して対応すべきもの」とした。安全保障政策の大転換が、中国を想定していることを明示したものである。また、2027年度の軍事費を対GDP比で現状より倍増して2%とすることも明記している。

 「国家防衛戦略」と「防衛力整備計画」では、周辺国のミサイル戦力の増強を口実に、ミサイル防衛網の強化に加えて、遠方から敵を攻撃する「スタンドオフ防衛能力」の主力として米国製巡航ミサイル「トマホーク」の購入を明記し、2027年度までの5年間の軍事費総額を43兆円にするとした。2023年度予算案での軍事費は公共事業費より多い10兆1686億円に達し、社会保障関係費に次ぐ規模になった。これは日本国憲法の基本精神を踏みにじる軍事国家への道であると言わざるを得ない。

 特定の国との関係を軍事的な敵対関係とすること自体が憲法の理念とは整合せず、日本が東アジアの軍事的脅威と受け取られる危惧がある。隣国であり、歴史的にも経済的にも深い関係にある中国を敵視し、対立の最前線に立つと宣言することは極めて無謀である。

 経済が成長せず、少子化も止まらない日本に巨額の軍事費を捻出する余裕はない。敵国より強い軍隊を持たなければ平和は維持できないとする、時代遅れの「抑止力」を口実に軍備増強をはかれば、庶民のくらしはますます厳しくなる。とりわけ、コロナ禍と物価高騰によって、くらしや生業の困難さが増している時に、「防衛増税」の論議をすすめる政府には怒りを禁じえない。

 岸田首相は、軍事力増強のための増税に関し「将来の世代に対し責任を有する今の国民が負うべき責務だ」と述べたが、これが想起させるのは、第二次世界大戦による国民の戦争被害に対し、政権が「国民等しく負うべき」とする「受忍論」である。

 いまこそ「NO WAR NO NUKES(戦争やめろ 核戦争するな)」の声を大きくし、「自衛」の名において他国へ軍事侵攻しないよう、戦争法(安保法制)の廃止と「安保3文書」の改定閣議決定撤回をめざして闘い抜く決意をヒロシマの地から強く表明する。

2022年12月26日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足立修一

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※この声明は、12月26日、岸田首相宛に送られました。

8・6ヒロシマ国際対話集会~反核の夕べ2022

火曜日, 7月 19th, 2022

PDFはこちら

8・6国際対話集会~反核の夕べ2022
核戦争をいかに防ぐか ヒロシマで考える

ロシアによるウクライナ侵略戦争は長期化し、市民の犠牲はますます悲惨になっています。プーチン大統領は核兵器の使用にも言及し、チェルノブイリや稼働中の原発までも攻撃し、世界はかつてない核戦争の危機に直面しています。一方で米国はじめNATO諸国はウクライナへの武器支援を拡大し、世界で軍拡の流れが強まっています。
日本では参院選で防衛費増大、憲法9条改定を主張する勢力が多数を占めました。いま、わたしたちは何をしたらいいのでしょうか。ともに考え行動しませんか。


日 時︓8月6日(土) 14:00 ~ 16:30
場 所︓広島弁護士会館(広島市中区上八丁堀2-73)3階ホール 
資料代︓500円


内 容︓

■グローバルヒバクシャからのスピーチ(動画を予定)


■講演「核戦争をいかに防ぐか ヒロシマで考える」
 講師︓元広島市長 平岡敬さん
    

プロフィール 平岡 敬 ( ひらおか・たかし)
1927 年、大阪市生まれ。
大阪、朝鮮半島、広島で育ち、京城(現在のソウル)帝国大学在学中に終戦を迎える。

52 年、中国新聞社に入社。編集委員、編集局長などを経て、中国放送(RCC)社長に。91 年から2期8年、広島市長を務めた。

著書に「偏見と差別」(未来社)、「無援の海峡―ヒロシマの声、被爆朝鮮人の声」(影書房)、「希望のヒロシマ」(岩波新書)など


聞き手︓フリーランス記者 宮崎 園子さん

プロフィール 宮崎園子 (みやざき・そのこ)
1977年、広島県生まれ。朝日新聞社を昨年退社し、広島で取材・執筆を続ける。近著に『「個」のひろしま 被爆者 岡田恵美子の生涯』。 HANWA運営委員。 平岡さんのロングインタビューを自身のnoteに掲載中。

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◎オンライン視聴希望者は下記のURLもしくはQRコードよりお申込みの上、資料代500円を振り込んで  ください。

先着100名、締め切り8月1日。入金確認できましたらZOOMのURLを送ります。

https://forms.gle/kWUiQz8XSwAqtrVQA


振込先︓郵便振替口座 01300-2-50889
    郵便局以外からの振込の場合 一三九店(139)当座 0050889

◎会場参加者は申し込み不要です。

お問合せ

TEL 082-211-3342  eメール hanwa@e-hanwa.org

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核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA) 代表︓足立修一
730-0013 広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室 足立・西法律事務所内
TEL 082-211-3342  eメール hanwa@e-hanwa.org

第1回核兵器禁止条約締約国会議の開催を心から歓迎します

水曜日, 6月 22nd, 2022

第1回核兵器禁止条約締約国会議の開催を心から歓迎します

 2022年6月21日から23日まで、オーストリアのウィーンで第1回核兵器禁止条約締約国会議が開催されることを私たちヒロシマの市民は心から歓迎します。現在、62か国がこの条約を批准・加盟しています。
 77年前、ヒロシマはアメリカ軍の核兵器の爆撃により壊滅させられました。日本人だけではなく植民地支配していた朝鮮半島・台湾出身者、強制連行された中国人、アメリカ人捕虜や、国策により東南アジア諸国や中国から日本に留学した人たちも、無差別に被爆したり死亡させられたりしました。爆裂による直接の被爆だけでなく、残留放射線による被爆は爆撃後広島市内に入った人にも及び、放射性降下物による被爆は爆心地から30キロを超える地域の黒い雨を浴びた人にまでも及びました。広島での死亡者は1945年末までで約14万人と推定され、その後も現在に至るまで白血病やガンにより死亡させられてきました。
 2017年7月、国連で核兵器禁止条約(TPNW)が採択され、2021年1月22日に発効しました。このことは、ヒロシマやナガサキの被爆者が訴えてきた被爆の事実のみならず、世界の核被害者の被害事実(採掘、精製、加工、実験など)、すなわち、核兵器が持つ非人道的影響を世界の人々が広く認識するに至り、国際法で核兵器に関連する一連の行為が禁止されることになりました。このことは、核兵器廃絶に向けての大きな一歩となったと認識しています。
 私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながって核なき世界をめざしていきたいと思います。第1回締約国会議の開催を心から歓迎し、実りある議論を期待します。

2022年6月19日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
代表 足 立 修 一

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(英訳)

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
We Heartily Welcome the First Conference of States Parties to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons
 
We, the Citizens of Hiroshima, welcome with all our heart, The First Meeting of States Parties to the UN Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW) to take place in Vienna, Austria, from 21st to 23rd June, 2022. So far sixty-two nations have ratified the Treaty.
Seventy-seven years ago, Hiroshima was annihilated by the nuclear attack by the armed forces of the United States of America. Not only Japanese people were bombed, but those from the Korean peninsula and Taiwan, Chinese people forcibly made to work in Hiroshima, American POWs in Hiroshima, and students who had come here from Southeast Asia to study in line with the state’s policy, were all exposed to the bomb and killed. In addition, many people who entered the city were affected by residual radiation. Exposure to radiation even extended to areas more than 30 kilometers away from the hypocenter, when black rain fell on people. Approximately 140,000 people of Hiroshima are estimated to have lost their lives by the end of the year 1945. Deaths from leukaemia and cancer have since continued.
The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons was adopted at the UN conference on 22nd July, 2017, then came into effect on 22nd January, 2021. This is not just the result of what hibakushas in Hiroshima and Nagasaki have tried to testify to the world. Facts of the damage suffered by nuclear victims in the world (mining, refinement, processing, and experiment) are now known to people worldwide. International law prohibits a series of activities related to nuclear weapons. This is a big step toward the abolition of nuclear weapons.
We oppose countries which possess nuclear weapons postponing abolition of them and demand the Government of Japan sign and ratify the Treaty immediately. We wish to cooperate with all the nuclear victims in the world so that a world free from nuclear weapons will be realized. We strongly hope the parties have a productive discussion.


19th June, 2022
ADACHI Shuichi
Representative
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

声明文(2022年3月8日)

火曜日, 3月 8th, 2022

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2022年3月8日 HANWAキャンドル・アピール 声明文

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ロシア軍の軍事行動の即時中止を

求め、核兵器の威嚇・使用に

絶対に反対します。

原発への攻撃・占拠を直ちに

やめよ。


 プーチン大統領は、ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻を2月24日に開始しました。多くの一般市民がこれにより、被害を受け苦しんでいます。避難民も大量に発生し、150万人もの人々が周辺国に避難しています。プーチン大統領の行ったロシア軍の行為は、国際関係における武力による威嚇又は武力の行使を禁じている国連憲章(第2条第4項)への明確な違反であり、侵略と評価されるべきものです。私たちは、ロシア軍の軍事行動の即時中止を求めます。


 さらに、プーチン大統領は、自国が核兵器の保有国であることに言及し、2月27日には核抑止部隊を高度の警戒態勢に置きました。これはロシアによる核兵器の使用の威嚇といえる行為であり、私たち被爆地のヒロシマの市民は強く抗議します。


 このほかにも、ロシア軍は、ウクライナの原子力発電所や国立物理技術研究所の敷地内の核物質を扱う施設を攻撃したと報じられていますが、これらは「核テロ」と評価できるものであり、強く非難されるべきです。


 他の誰にも2度と原爆の苦しみを体験させてはならないと訴える被爆者と核兵器の廃絶を求める市民の声が、今こそ求められています。


 私たちは、ウクライナで不当な砲撃に逃げまどいながらも「プーチンの侵略許さない!」の声を上げている民衆や、プーチン強権の弾圧に抗して「戦争反対」に立ち上がっているロシアの民衆に連帯し、人類を戦争・核に破滅させないため広島・原爆ドーム前からキャンドル1300本に灯をともし<NO WAR  NO NUKES! HET BOЙHE!>世界に発信しました。


 核戦争の危機がプーチンの侵略を機に高まっている状況を利用し、日本の政界で画策され始めた「核」共有論は、核の保有と使用が憲法に違反しないと強弁する危険極まりない動きです。


 私たち被爆地のヒロシマの市民は、世界を破滅に導く戦争と核兵器の使用に絶対に反対します。

2022年3月8日      

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足 立 修 一

プーチン・ロシアのウクライナ侵略  抗議のキャンドル・アピール

月曜日, 3月 7th, 2022

プーチン・ロシアのウクライナ侵略
抗議のキャンドル・アピール


NO WAR NO NUKES НЕТ ВОЙНE
プーチンは侵略をやめよ︕核戦争をするな︕


 「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)」では、2 月24 日からのプーチン・ロシアのウクライナ侵略行為に対し、3 月8 日(火)に平和記念公園の原爆ドーム前にて、緊急の抗議アピールを行います。ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続くなか、プーチン大統領は、核兵器使用も視野に入れた戦闘態勢の指示を軍に行いました。核兵器による威嚇は、国際人道法違反です。これは許されることではありません。
 私たちは1000 本のキャンドルで「NO WAR NO NUKES・НЕТ ВОЙНE」(戦争・核兵器はいらない)の文字を描き、灯をともし、世界に向けて侵略行為の即時停止、核兵器の不使用を被爆者の方や広島市民とともに訴えます。


日 程︓2022 年3 月8 日(火)
時 間︓17︓45 ~ 19︓00 


内 容︓開会挨拶・趣旨説明
    キャンドルアピール(撮影) 
    声明文発表
    被爆者他リレートーク


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
代表 足立 修一
〒730-0013 広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404 号室 足立・西法律事務所内
TEL 082-211-3342 E メール hanwa@e-hanwa.org 


進行


16︓00 実行委員集合 キャンドル準備


17︓45 キャンドル点火


18︓00 挨拶・趣旨説明 (HANWA 顧問 森滝春子)


18︓15 写真撮影


18︓30 声明文発表(HANWA 代表 足立修一)

市民・被爆者によるリレートーク

    箕牧 智之・広島県被団協理事長 

    佐久間邦彦・広島県被団協理事長 

    田中 聡・広島被爆者団体連絡会議事務局長 

    在広島のウクライナの人

    若者代表


19︓00 閉会・撤収

Statement to Commemorate the 1st Anniversary of the TPNW

火曜日, 2月 22nd, 2022

Statement to Commemorate the 1st Anniversary of the TPNW

Today marks the first anniversary of the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW) coming into force. As of today, 86 countries have signed it, with 59 having ratified it.
76 years ago, the city of Hiroshima was annihilated by the US Military attack. Casualties were not only Japanese, but there were many people from abroad exposed to radiation and were killed: those from the Korean Peninsula and Taiwan, both colonized by Japan, Chinese forced to work in Japan, American POWs, and Southeast Asians studying in Japan due to Japan’s policy. Direct exposure to radiation was caused when the bomb was detonated, but even after that, residual radiation affected people who entered the city after the bombing. Radioactive fallout reached those caught in Black Rain more than 30 kilometers from the hypocenter. Estimated fatalities at the end of the year 1945 numbered approximately 140 thousand, followed by deaths from leukemia and cancers until the present day. Nagasaki was bombed three days later and suffered similar damage.
In March 1954, a Japanese tuna fishing boat (Lucky Dragon No. 5) was exposed to radiation emitted from a hydrogen bomb test (1,000 times more powerful than the Hiroshima Bomb) at Bikini Atoll approx. 160km from the atoll. This incident triggered the movement in Japan against A- and H-bombs by hibakusha who rose up saying, “We know through experience that we must save humans from this crisis.” One result of the movement was medical care to Hiroshima and Nagasaki hibakusha started twelve years after the bombing.
In July 2017, the TPNW was adopted at the United Nations conference and was enacted on January 22nd, 2021. Nuclear weapons are now illegal by international law. This helped people around the world understand the inhumane consequences of nuclear weapons suffered by A-bomb hibakusha and nuclear victims throughout the world as well.
However, the five nuclear powers delivered a joint statement on January 3rd this year that a nuclear war cannot be won, without any mention of when and how to reduce more than the current 13,000 nuclear weapons, and when and how they will perform and complete their duty of nuclear disarmament (Article VI of the NPT). Since there has been a definite agreement among the member states to conclude the duty in previous Review Conferences, the TPNW is ‘an important treaty that could be regarded as a final passage to a world without nuclear weapons’ (Prime Minister Kishida), and as such, the nuclear weapon states cannot be excused from their duty to sign and ratify the Treaty.
We oppose the nuclear weapon states delaying the abolition of such weapons. We demand that the Government of Japan sign and ratify the Treaty immediately. We must also make a joint effort with global hibakusha who wish to see a world without nuclear weapons.

January 22, 2022
Shuichi Adachi
President
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)


※この英文は2022年1月22日HANWAより発出された「核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明」の英訳です。

2022年1月22日 広島バナーアピール

土曜日, 1月 22nd, 2022

2022年1月22日広島バナーアピール




核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明

土曜日, 1月 22nd, 2022

この声明は2022年1月22日にHANWAより発出されました。

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核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明

 本日、核兵器禁止条約が発効し、1年が経過した。86か国が署名し、59か国が批准している。

 76年前、広島市はアメリカ軍の核兵器の爆撃により壊滅させられた。日本人だけではなく植民地支配していた朝鮮半島・台湾出身者、強制連行された中国人、アメリカ人捕虜や、国策により東南アジア諸国や中国から日本に留学した人たちも被爆したり死亡させられたりした。爆裂による直接の被爆だけでなく、残留放射線による被爆は爆撃後広島市内に入った人にも及び、放射性降下物による被爆は爆心地から30キロを超える地域の黒い雨を浴びた人にまでも及んだ。広島での死亡者は1945年末までで約14万人と推定され、その後も現在に至るまで白血病やガンにより死亡させられてきた。3日後に爆撃された長崎市も同様な被爆を受けた。

 1954年3月、アメリカによるビキニ環礁での水爆実験(広島原爆の1000倍の威力)により、爆心地から約160キロの距離に停泊していた日本のマグロ漁船(第五福竜丸)が被ばくさせられたことを契機として、日本では被爆者が「自らの体験を通して人類の危機を救おう」と原水爆禁止を求める運動に立ち上がり、また、広島・長崎の被爆者に対する医療援護が被爆12年を経て行われるようになった。

 2017年7月、国連で核兵器禁止条約(TPNW)が採択され、2021年1月22日に発効した。このことは、広島の被爆者をはじめとする世界の被爆者の被害、すなわち、核兵器の非人道的影響を世界の人々が広く認識するに至り、国際法で核兵器の使用が禁止された。核兵器廃絶に向けての大きな一歩となった。

 これに対し、本年1月3日、米ロを含む核兵器保有5か国は、「核戦争に勝者はない」と言及する声明を発した。しかし、具体的に、現在13000発以上存在する核兵器につき、いつ、どのように減らし、核不拡散条約(NPT)6条の核軍縮義務を履行し完結する(=廃絶する)のか、への言及はなかった。これまでのNPT再検討会議で軍縮義務を完結する明確な約束が合意されていることに照らせば、TPNWは、「核なき世界への出口ともいえる重要な条約」(岸田首相)であり、核兵器保有国がTPNWの署名・批准に背を向ける態度を取ることは許されない。

 私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながって核なき世界をめざしていきたい。

2022年1月22日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足 立 修 一

要請書

火曜日, 12月 14th, 2021

次の要請書は2021年12月13日にHANWAより発出されました。

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岸田文雄 内閣総理大臣殿
林 芳正 外務大臣殿
要 請 書


 2022年1月4日からニューヨークで核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれ、また、同年3月22日からウィーンで核兵器禁止条約締約国会議が開かれることになっています。これらの会議での議論は、核兵器廃絶に向けた重要な意義をもつものです。
 広島の被爆者は、長崎とともに、自らの被爆体験とその後の人生の苦しみ・悲しみをそして一瞬にして尊い数十万の命が奪われたことを他の誰にも経験させてはならないとの思いで、国内外で証言を続けてきました。このことが世界の人々を動かし、核兵器の非人道的影響が理解され、本年1月22日に発効した核兵器禁止条約に結実しました。史上初めて核兵器を全面的に禁止した条約は、被爆地広島・長崎の私たちにとっては、悲願そのものです。
私たちは、核兵器保有国がNPT条約第6条の核軍縮義務、核兵器を廃絶する明確な約束を遵守し、核軍縮を着実に進めること、及び核兵器禁止条約が普遍化し、国際人道法の原則に反する核兵器が二度と使用されないことを心から願っています。
 しかし日本政府は、核兵器禁止条約が目指す目標を共有しているとしながらも、日米同盟の下では米国の核抑止力を維持することが必要だとし、核兵器禁止条約は、核兵器保有国から支持を得られず、核軍縮に取り組む国際社会に分断をもたらしているとし、現時点で署名批准はできないとしています。
原爆投下で甚大な被害を受けた日本では、今なお多くの被爆者が原爆症をはじめとする疾病・障害で苦しみ、また、これまで援護から取り残されてきた「黒い雨」被爆者もようやく救済の緒につくなどその非人道的影響はますます明らかになっています。戦争被爆国である日本には、核兵器廃絶の先頭に立つべき道義的責任があります。
私たちは、NPT条約第6条が、核軍縮について「誠実に交渉する」義務を核兵器保有国に課しており、核廃絶を目指すことが合意されていることから、核兵器禁止条約はNPT条約を補完するものであると認識しています。

 核兵器が使用されると、人類の生存を根底から脅すことになる人道的影響がある。核兵器禁止条約を推進する国々のこの認識は、日本政府も共有できるはずです。よって全ての核兵器保有国が核の先制不使用を表明するよう働きかけるべきです。
 ことに岸田文雄首相は、爆心地のある広島1区選出の国会議員として初めて内閣総理大臣に就任し、広島の原爆被害の状況を最もよく知る立場にあり、つねづね「核兵器廃絶はライフワーク」と発言しています。日本の世論は、条約への署名・批准や締約国会議へのオブザーバー参加に積極的です。この声に応えるためには、安全保障を非人道的な核兵器に依存する核抑止政策から抜け出すことが不可欠です。非核三原則を有する日本が、北東アジア非核兵器地帯構想を検討することがその答えになります。アメリカとの軍事同盟であるNATO加盟国のドイツ、ノルウェーはすでに締約国会議への参加を表明しています。
 広島市の松井一実市長は過日、長崎市の田上富久市長とともに岸田首相に面会し、締約国会議への参加を直接求めました。「核兵器による平和」を否定し続けてきた広島の私たちが国会に送り出した岸田首相に求めるのは、核兵器の惨禍を体験した国として、主体的・自立的にリーダーシップを発揮することです。核兵器廃絶に向けて具体的なステップを踏み出した締約国会議に、戦争被爆国としての自立的意思でオブザーバー参加することはその第一歩ではないでしょうか。その先にこそ、日本政府の言う「橋渡し」のあり方が具体的に見えてくると考えます。
私たちは、日本政府に対して、広島、長崎への原爆投下の人類史上の意義と人道的影響を踏まえて決断を求め、以下のことを要請します。

1 日本政府として、核兵器禁止条約の署名・批准を行うこと。

2 NPT再検討会議で、全ての核保有国が核の先制不使用を表明することへ
の働きかけをすること。

3 核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加すること。

4 上記1を前進させるためには、日本が核抑止政策から抜け出す必要があり、そのために北東アジア非核兵器地帯構想の検討開始を表明すること。

2021年12月13日


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 代表 足 立 修 一