Archive for the ‘声明’ Category

ジョセフ核軍縮担当米国特使の発言に抗議し、発言の撤回を要求する!

金曜日, 7月 27th, 2007

ジョセフ核軍縮担当米国特使の発言に抗議し、発言の撤回を要求する!

                                2007年7月5日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
                       核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
                       共同代表
                        岡本三夫 河合護郎 森瀧春子
 
「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の数十万単位の人命だけでなく、文字通り何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」。米政府のロバート・ジョセフ核不拡散問題担当特使(前国務次官)が4日、ワシントンでの記者会見で語った。「ほとんどの歴史家の見解は一致する」とはとんでもない虚言である。スタンフォード大学歴史学教授バートン・バーンスタイン博士をはじめ、原爆投下問題に関する内外の専門家は的はずれの暴論に驚いていよう。
 久間防衛大臣の「原爆投下はしかたない」発言につづく暴言の連鎖である。1945年8月の段階で、日本はすでに東京を初めとする60以上の大都市が米国の戦略爆撃で焼き尽くされ、無防備の市民に襲いかかる米軍機を迎撃できる能力もなく、軍部内強硬派の抵抗はあったものの、降伏とポツダム宣言受諾は時間の問題であり、原爆投下の軍事的必要はまったくなかった。
 以上のような暴言や「原爆投下で戦争終結が早まった」という俗説には何の根拠もなく、むしろ米国は原爆投下までは日本の降伏を許さなかったために戦争が長引いたというのが歴史の真実である。日本が降伏し、戦争が終わってしまっては、20億ドルという巨費を投じて開発した原爆の実戦使用というチャンスを永久に失うことになる。政府首脳は何よりもそれを恐れたのだった。G・アルペロビッツ教授のように「原爆は広島・長崎に落とされたが、ソ連へのメッセージだった」とする歴史的分析もある。
 また、早くも45年9月、米国のドワイト・マクドナルドというジャーナリストは『ポリティックス』という雑誌に原爆投下が国際法違反の国家テロだと決め付け、ナチス・ドイツによるユダヤ人抹殺と何ら変わらない戦争犯罪だとして、「原爆投下は広島・長崎という2つの都市を実験室に、両市の市民をモルモットに見立てた前代未聞の凶悪な科学的実験だった」と糾弾している。
 さらに、D・アイゼンハワー将軍やD・マッカーサー将軍など軍首脳の原爆投下を疑問視した発言も残っている。前者は「日本はすでに惨敗しており原爆は不必要だ」と言っており、後者は「米軍の上陸を待たずに日本は9月かそれ以前に降伏するだろう」と言っている。ドイツの降伏(45年5月)以後、日本がソ連を介して降伏の条件を米国と交渉中だったことも明らかになっている。原爆を使用しなければ膨大な数の米将兵と日本国民が犠牲になったという根拠はまったくない。
 日米両政府やその他の国々が北朝鮮の核兵器保有を憂慮しているのは当然だが、ジョゼフ特使のような原爆善玉論こそ核拡散の元凶であり、核兵器は凶悪な犯罪兵器だという認識を世界市民が共有しない限り今後も核拡散の流れを防止することはできないだろう。1997年に行われた米国での世論調査でも、核兵器がない方が国は安全という意見は84%に、核兵器廃絶を望む米市民は87%に達した(世論調査専門のLake Sosin Snell & Associates社の調査)。
「9・11」以後、米世論は「反テロ戦争に核兵器は有効」というように揺れているようだが、原爆被爆国である日本が反核の姿勢を変えることは許されない。数十万人の被爆者はいまも被爆の後遺症で苦しんでいる。日本政府はジョゼフ特使の暴言を撤回するよう米政府に求め、米政府と協力することによって核兵器廃絶へのロードマップを国際社会に示してもらいたい。

原爆投下に関する久間氏の発言に抗議し、政府の統一見解を要求する!

金曜日, 7月 6th, 2007

————————————————————-

原爆投下に関する久間氏の発言に抗議し、政府の統一見解を要求する!

                             2007年7月5日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
防衛大臣    小池百合子 殿

                 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
                 共同代表
                  岡本三夫
                  河合護郎
                  森瀧春子

 「原爆投下はしょうがない」という久間前防衛大臣の暴論に改めて強く抗議し、謝罪を要求する。原爆投下が戦争終結を早めたというのは俗論にすぎず、むしろ原爆完成まで戦争を長引かせたというのが主要な日米戦争史家たちの結論である。だが、3日には「原爆が日本人を救った」という米政府高官の侮辱的発言が伝えられた。日本の政治家が生半可な知識に安住し、原爆の犯罪性を主張しないためだ。
 1996年7月8日、国際司法裁判所は「核兵器の使用と核兵器による威嚇は人道法に違反する」という勧告的意見を発表した。つまり、核兵器使用は戦争犯罪だという認識である。7月16日に広島で開催される「原爆投下を裁く国際民衆原爆法廷」判決公判でも、被告である当時のトルーマン米大統領ほかへの厳しい判決が発表されるだろう。
 原爆(核兵器)は皆殺しの非人道的兵器であり、原爆は「絶対悪」(湯川秀樹博士)である。放射能による後遺症は被爆者を生涯にわたって苦しめる。北朝鮮の核だけが問題なのではない。米国をはじめ、すべての核兵器国は「悪魔の兵器」である核兵器を廃絶し、非核の平和と安全保障を追究すべきだ。
 アウシュヴィツでの非人道的行為は敗者(ドイツ)の犯罪だったため裁かれ、原爆投下という非人道的行為は勝者(米国)の犯罪だったため裁かれなかった。だが、両方とも第2次世界大戦中の2大戦争犯罪だった。無論、日本軍による数々の戦争犯罪が原爆投下で免罪されたわけではない。
 「原爆投下はしょうがない」発言で久間前防衛大臣は辞任したが、これで「幕引き」になったわけではない。選挙対策の辞任にすぎなかったからだ。防衛省が国民向け謝罪文と原爆投下をどう認識しているかを声明文として公表するよう小池防衛大臣に要求する。そうでなければ、「原爆が日本人を救った」という日米における原爆善玉論を根絶することはできない。
 また、被爆国であり、非核三原則を国是とする日本の舵取り役である自公連立政府が広島・長崎への原爆投下をどう評価しているか、諸国の核兵器保有をどう見ているか、日本が今後も非核三原則を順守するのかは、国民にとっても世界市民にとっても重大関心事である。これらの課題に関する安倍内閣の明白な統一見解の公表を要求する。

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 
〒730-0012 広島市中区上八丁堀8-23林業ビル4F 広島県生協連合会気付 
Tel 082-502-3850  Fax 082-502-3860  

緊急行動のお願い:国連軍縮局を無くさないようにしてください

水曜日, 2月 14th, 2007

HANWAは2月5日、次の要請書を、潘基文国連事務総長と麻生太郎外務大臣に送付しました。
——————–
要 請 書

緊急行動のお願い:国連軍縮局を無くさないようにしてください

日頃より、核廃絶と平和のためにご尽力いただいていることに心より感謝致します。私たちは、世界で初めて核兵器による無差別攻撃を受け、えも言えぬ体験を経験した広島において、二度と同じことをくりかえしてはならないとの観点から地球上の核兵器廃絶をめざして運動している市民団体です。

この要請書の目的は、国連軍縮局 (DDA) を今後も維持するよう日本政府が緊急に行動して下さるよう要請することにあります。これまで独自の任務と担当事務次長を有して活動してきたDDAが政治局に吸収されてしまうかもしれないという最近の情報に接して、私たちは大変憂慮しています。この情報通りになるとすると、これは、国連がその任務を全うする面においても、また政府間の会合や条約上の組織に奉仕する面においても、好ましくなく、不必要な変化であると思います。
核軍縮を求める国連総会決議や、「世界の人的及び経済的資源を軍備のために転用することを最も少なくして」(第26条)という国連憲章のビジョンに明示されているように、軍縮は国連の中心的任務の1つです。国連は、DDAを別の国連組織の一部にするのではなく、独立した組織として維持し、国連に本来託された任務にしたがって、事務機構においても軍縮を優先させるべきだと思います。

私たちは、昨年末にアナン前国連事務総長が、「核兵器は人類が直面している最大の脅威であるにもかかわらず、それに対処すべき共通戦略が完全に欠如している」と訴えた演説に強い感銘を受けました。また今年になってからも、元米国政府高官であったキッシンジャー氏らによる「核兵器のない世界を」と題した署 名論文が掲載され(ウオール・ストリート・ジャーナル、2007年1月4日付け)、核兵器廃絶への世論が形成されようとしています。核兵器のみならず、その他の大量破壊兵器、また小火器によってもたらされる問題が増大しているいまの時期に、国連は組織内における軍縮の地位を低めるべきではありません。DDAは、冷戦後の軍縮問題に取り組むために設置されたものですが、今まで以上にそれは必要とされているのです。さらには、現在、世界的な軍縮の仕組み、規範、また体制が争点になっています。DDAという、国連の決定を履行する責務を有する第一義的な世界的機関の地位を低下させることは誤った方向であります。
軍縮問題を第一義的な関心事とする任務と事務次長を持ってDDAが組織体として存続することが重要です。また、核軍縮を扱う部局が非核兵器国出身の事務次長に仕えていることが重要です。こうすることで、DDAは、軍縮を最終目標とした独立の評価を行うことができます。DDAには長年の専門知識と組織的実績がありますが、これは政府や市民社会にとって不可欠のものであり、異なる部局の下ではいつの間にか失われてしまう可能性があります。さらに、軍縮はたいへん技術的な分野です。軍縮に専念する部局があると、他の分野の諸問題を扱い軍縮問題に不慣れな部局を通じて処理するよりも、もっと迅速に決定を下すことができます。
DDAは、自らの事務次長を通して事務総長に直接仕える、貴重なアイデンティティー、権限、そして能力を失ってはなりません。DDAの実務量と技術的な性質を考えると、そのためだけに専念する局がどうしても必要であり、DDAがカバーすべき問題は、DDAの吸収どころか拡大を必要とするほど急を要するものです。
現在のDDAを統括する国連事務次長は田中信明大使です。それ以前にも阿部信泰大使、明石康大使と、日本人が国連軍縮局で重要な役割を果たしてきたことは重要です。広島、長崎を経験した被爆国日本のこの分野での果たすべき役割は極めて大きいと思います。軍縮問題に取り組む国際的なNGOも、DDAの存続に対して、日本政府が強い影響力を発揮することを望んでいます。
以上より、広島の地から日本政府の積極的な行動を切にお願いするものです。

2007年2月5日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 共同代表
         岡本三夫
         河合護郎
         森滝春子
      連絡先:広島県広島市中区上八丁堀8-23 林業ビル
        広島県生活協同組合連合会気付
          082-502-3651

——————————————-
5 Feb., 2007

His Excellency Ban Ki-Moon
Secretary-General of the United Nations
United Nations Headquarters
New York, NY USA

Dear Mr. Secretary General,

We are writing to you on behalf of The Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA), a non-governmental and non-profit organization committed to education, research and information on peace, consisting of major peace organizations in Hiroshima. Especially we have been working for nuclear abolition and to establish a Northeast Asia Nuclear Weapons-Free Zone.

This letter is intended to ask Secretary-General to keep an independent Department for Disarmament Affairs (DDA), with its own mandate and Under-Secretary-General. We are seriously concerned about the recent reports that DDA might be subsumed under the Department for Political Affairs. If this happens, we believe that the UN will go through a shift that is unfavorable and unnecessary, both in terms of the UN’s fulfilling its mandate and servicing inter-governmental meetings and treaty bodies.

Disarmament is one of the central tasks of the UN, as evidenced by the first UN General Assembly resolution calling for nuclear disarmament, and the UN Charter’s vision for “the least diversion for armaments of the world’s human and economic resources” (Article 26). The UN must live up to its mandate and prioritize disarmament in the Secretariat, maintaining the independent DDA instead of subordinating it to other agendas.

We are deeply impressed with a speech given by Kofi Annan, the former UN Secretary-General, late last year. In speaking of the danger of the nuclear weapons, he said, “The one area where there is a total lack of any common strategy is the one that may well represent the greatest danger of all: the area of nuclear weapons.” In addition, the signature article (The Wall Street Journal, Jan.4, 2007 )that titled “A world free of Nuclear Weapons” by Kissinger et al who were former U.S. Government high official is carried in this year, and the public opinion to Nuclear Weapons Abolition is going to be formed. The UN should not reduce the stature of disarmament within the UN at a time when such dangers posed by nuclear weapons, as well as other weapons of mass destruction and small arms, are escalating. DDA, designed to address post-cold war disarmament issues, is more necessary than ever before. Moreover, the world’s disarmament machinery, norms and regime are embattled right now; thus, reducing the stature of the primary global institution responsible for implementation of UN decisions is the wrong course.

It is important for DDA to remain its own entity with its own mandate and Under-Secretary-General whose primary concern is disarmament. It is also important that a department dealing with nuclear disarmament serves to an Under-Secretary-General from a non-nuclear weapon state. This allows DDA to make independent assessments with disarmament as the goal. DDA houses years of expertise and institutional memory which are invaluable to governments and civil society, and which could be quietly lost under a different department. Furthermore, disarmament is very technical; having a disarmament–focused department actually allows decision to be made more quickly than having them processed through a department dealing with disparate concerns and less familiar with the issues.

Department for Disarmament Affairs must not lose its unique identity, mandate and its ability to directly servicing the Secretary-General through its own Under-Secretary- General. The quantity and technical nature of the Department’s work is sufficient for the UN to warrant a dedicated department, and the issue the Department covers is sufficiently urgent to justify expansion rather than absorption.

As citizens of Hiroshima, we would like to submit the above request with all sincerity. Thank you for your attention to this matter.

Very truly yours,

HIROSHIMA ALLIANCE FOR NUCLEAR WEAPONS ABOLITION (HANWA)

緊急声明:北朝鮮の核実験に抗議し核兵器廃絶を訴える

月曜日, 10月 16th, 2006

——————————–

URGENT CALL

PROTEST AGAINST NORTH KOREA’s NUCLEAR WEAPONS TEST AND DEMANDING COMPLETE ABOLITON OF NUCLEAR WEAPONS

HIROSHIMA ALLIANCE FOR NUCLEAR WEAPONS ABOLITION (HANWA)
(Directors: Dr. Mitsuo Okamoto, Mr. Goro Kawai, Ms. Haruko Moritaki)
Office: c/o Hiroshima Consortium of Co-ops
4F, 8-23 Hacchobori, Naka-ku, Hiroshima 730-0012
Tel. +81 82 502-3651

We, Hiroshima citizens, together with our hibakusha who are still suffering from radiation disease after sixty-one years of the atomic bombing, strongly protest against DPRAK’s nuclear weapon test which was conducted on Monday 9th October.
We can never tolerate the possession of nuclear weapons as they deprive humanity of its future. The Government of Mr. Kim Jong Il claims, “the success of nuclear weapon test will guarantee the security of DPRK and contribute to world peace.” However, the reckless testing of nuclear weapon will not only play havoc with DPRK’s national security and seriously undermine the ordinary life of its people, but will escalate tension in North-East Asia and accelerate nuclear arms race of the world.
DPRK should give up the belief in nuclear deterrence and turn its policy toward the immediate halt of nuclear-weapons R&D in order to build peace and stability of the nation and the region.
At the same time, we condemn the five nuclear weapons states which have failed to disarm their own nuclear arsenal, as required by the nuclear Non-Proliferation Treaty (NPT), and not only gave DPRK the mistaken idea that possession of nuclear weapons will increase its security, but have been engaged in developing “usable” nuclear weapons themselves.
We must note that the policy of pressure and economic sanctions of the US and Japan may have driven DPRK to go nuclear. Furthermore, we warn that a military intervention, reported to be planned by the US and Japan in accordance with Ch. 7 of the UN Charter, if carried out, would only aggravate the situation. We propose rather that an alternative policy should be adopted to dissuade DPRK from the pursuit of its nuclear ambition by means of guaranteeing its security and alleviating the hunger of its people through a renewed negotiation within the Six Party Talks.
Economic sanction, as amply proven by the sanctions against Iraq after the Gulf War that caused the death of millions of Iraqi children, would only destroy the life of ordinary North Koreans leaving their political leaders unharmed whatsoever.
We demand that Japan should become the champion of abolition of nuclear weapons by promoting to set up the North-East Asian Nuclear Free Zone following the example of The Central Asian Nuclear Free Zone Treaty which was concluded on 8th September of this year. Further economic sanctions and reinforcement of the Japan-US Security Treaty with the nuclear umbrella must be avoided, not to speak of nuclearization of the Japanese SDF.
We conclude by reiterating our most strong demand for DPRK to abandon its nuclear program and Japan’s self-imposed restraint of economic sanction against DPRK and utmost efforts of all nuclear weapons states to make the Planet Earth absolutely free from nuclear weapons.              13 Oct.2006

———————————————
緊急声明:北朝鮮の核実験に抗議し核兵器廃絶を訴える

10月9日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)が発表した核実験実施に対し、原爆投下61年後の今も原爆被害に苦しむヒロシマは強く抗議します。
核兵器はいかなる理由があろうとも人類の未来を奪うものとして絶対に認めることはできません。
金正日政権は「核実験の成功は、北朝鮮の安全を保障し平和に寄与するものである」と強弁していますが、核実験の強行は自国の安全性の自滅的破壊と国民生活のよりいっそうの疲弊をもたらすのみならず、北東アジアの緊張状態を一気に高め、世界の核軍拡競争に拍車をかけるものでしかありません。
核抑止力への信仰を捨て、自国民と北東アジアの平和と安定のため、核開発の即時停止と核兵器廃棄の方向に転換するべきです。
同時に私たちは、北朝鮮をして核保有にまで至らせたアメリカをはじめとする核大国の核兵器廃絶への努力の放棄と、より使用可能な核兵器の開発に強く抗議します。

また、北朝鮮の核保有は、これまでの経済制裁など力による北朝鮮への圧力政策がもたらしたといえる限りにおいて、日米両国政府が強硬に進めようとしている軍事介入を含む国連憲章第7章にもとづく制裁決議による圧力は事態を深刻化させるだけで、その危険性に警鐘を鳴らします。あくまでも、6カ国協議を中心に対話による説得を進め、北朝鮮への安全保障と飢餓などに苦しむ北朝鮮人民への支援にもとづく外交努力に全力を注ぐことによって北朝鮮政府の核政策を放棄させるべきです。
経済制裁が何をもたらすかは、湾岸戦争後イラクへの国連経済制裁がもたらした数百万人に及ぶ子供たちの死を想起すればわかるように、北朝鮮民衆の生活を破壊するものでしかありません。
日本政府は、今年9月8日締結された中央アジア5カ国による「中央アジア非核兵器地帯条約」に習い、北東アジアにおける非核地帯の設置など核兵器廃絶の旗手としての役割を今こそ果たすべき時です。
いたずらに経済制裁の更なる強化や、日米軍事同盟および核の傘の強化に走ってはなりません。ましてや日本の核武装論の台頭を許すべきではありません。
以上、北朝鮮政権の核武装放棄と日本国内の北脅威論醸成の自制そして世界各国の核兵器廃絶への努力を求めます。

2006年10月13日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
共同代表 岡本三夫  河合護郎  森瀧春子
730-0012 広島市中区上八丁堀8-23 林業ビル4F
Tel 082-502-3651
———————

中央アジア非核兵器地帯条約締結への賛辞  

水曜日, 9月 20th, 2006

ウズベキスタン大統領様

      特別メッセージ

           核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
               共同代表 岡本三夫
                      河合護郎
                     森滝春子

私たちは、第二次世界大戦という戦争の中とはいえ、世界で最初に核兵器の惨劇を受けた広島の地で、一刻も早い核兵器の廃絶をめざして活動している、個人参加を基本とした市民団体です。
 2000年のNPT再検討会議で、核兵器国が、『保有核兵器の廃棄に関する明確な約束』をし、人類は核兵器廃絶に向け大きく前進しました。しかし、2001年9月11日にアメリカ東部で起きた同時テロを契機としたアメリカの対テロ戦争という流れによって、2005年の再検討会議では、核兵器廃絶への具体的道筋を見出せないまま終わってしまいました。それは、イスラエル、インド、パキスタン、更には北朝鮮などへの核兵器の水平拡散を固定化させ、NPT体制は危機に瀕しています。核の時代がはじまってから60数年を経た今も、人類は核兵器廃絶への道を見出せない憂うべき状況にあります。
 そうした中で、去る9月8日、セミパラチンスクにおいて、中央アジア5カ国による中央アジア非核兵器地帯条約が締結されたことは、この閉塞状況を打開する画期的なことであり、この快挙に対し心より賛辞をお送りします。広島の地から、歴史的な仕事を成しとげた皆様に心より敬意を表します。
これまで地球上には4つの非核地帯条約があり、南極条約とあわせると、南半球の陸地のほとんどは、非核地帯に属しています。これを、核兵器保有国が集中する北半球に拡大させていくことが、人類全体にとって焦眉の課題となっており、貴国らが成しとげた中央アジア非核兵器地帯条約は、世界の非核化にとって極めて大きな前進です。
 非核兵器地帯の拡大は、軍事力による『核の傘』ではなく、軍事力によらない『非核の傘』によって、市民の安全と平和を守ろうとする重要な努力です。私たちは、皆さんの努力に励まされながら、日本を含む東北アジアの非核兵器地帯条約の一刻も早い成立をめざして努力する所存です。この地域は、いまだに冷戦構造が残り、核兵器保有国が力を保持している矛盾の詰まった地域ではありますが、多くの被爆者がいる特別の地域でもあり、一刻も早い非核地帯化が望まれます。中央アジアについで、東北アジアでも非核地帯化が実現すれば、地球全体の非核地帯化へ向けて一気に状況は動いていくはずです。
 人類の共生を一刻も早く実現するために、地球上のどこをも非核地帯にし、核兵器廃絶を実現するために共に手を携えて歩むことをお誓いして、広島からのメッセージとします。

          20006年9月18日

————————————
             18 September 2006
TO:
 Your Excellency
 The Most Honorable President of
 The Republic of Uzbekistan

FROM:
   Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

        Message of Solidarity and Gratitude

Representing the Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA), we would like to congratulate you on the establishment of the Central Asia Nuclear Weapon Free Zone Treaty last Friday to commemorate the fifth anniversary of the terrorist attacks on the US power centers in New York and Washington, D.C. on September 11th, 2001.

At the Non-Proliferation Treaty Review Conference in May 2000, the world seemed to have taken a significant step when the Nuclear Weapons States adopted a historic final document promising an “unequivocal undertaking” to totally “eliminate their nuclear arsenals.” However, influenced by the US policy of “war on terror” occasioned by the events of 9/11, the NPT Review Conference in 2005 not only failed to adopt concrete measures to fulfill that promise, it actually regressed markedly from the commitment to nuclear weapons abolition agreed upon in 2000.

The regress can be observed in the matter-of-fact recognition of the possession of nuclear weapons by Israel, India, Pakistan, and even North Korea, seriously jeopardizing the NPT regime. Humanity finds itself still in a precarious situation, unable to find a path toward the abolition of nuclear weapons even sixty years after the dawn of the Nuclear Age.

On behalf of the citizens of Hiroshima, HANWA wholeheartedly welcomes the signing of the Central Asia Nuclear Weapon Free Zone Treaty and congratulates the five Central Asian Countries involved in the historic signing at Semipalatinsk, Kazakhstan. Coming as it does when other efforts toward a nuclear-weapon-free world appear deadlocked, this Treaty is certainly an epoch-making contribution to the cause of nuclear weapons abolition.

The four previous Nuclear Weapon Free Zones, together with the Antarctic Treaty, make almost the entire southern half of the globe nuclear-weapon-free. It is an urgent task of humanity to spread the NWFZ’s to the northern half of the globe where the nuclear-weapon states are located. Therefore, the establishment of the Central Asia Nuclear Free Weapon Zone Treaty, for which your government and others have worked so long and so hard, marks a major milestone in the denuclearization of the rest of the world.

The expansion of NWFZs signifies a Herculean effort to defend peace and security not by military means of “nuclear umbrellas” but by non-military “non-nuclear umbrellas.” Encouraged and empowered by your historic achievement, we promise to make every effort to establish a North-East Asian NWFZ Treaty inclusive of Japan at the earliest possible date.

Nonetheless, we deplore the fact that the Cold War political structure has not ended but survived in our region with the immediate presence of three nuclear-weapon states and their contradictory strategies. But our region is characterized by the many hibakusha, or Atomic Bomb survivors, who lead their daily lives here and fervently desire to totally eliminate these most inhumane, criminal, and heinous weapons. We are convinced that global denuclearization will be precipitated if a North-East Asian NWFZ Treaty can follow close on the Central Asia NWFZ Treaty.

We would like to conclude our message from the Historic City of Hiroshima by pledging our solidarity and unwavering cooperation with you and all progressive governments and citizen initiatives around the world seeking to make our entire planet a NWFZ, thus fulfilling responsibility to the future to abolish nuclear weapons and guarantee the peaceful co-existence and co-prosperity of the human family.

  Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

  Directors: Prof. Dr. Mitsuo Okamoto
        Mr. Goro Kawai
        Ms. Haruko Moritaki

外務省要請書(信頼性代替弾頭予算について)

木曜日, 7月 20th, 2006

                             2006年5月12 日
外務大臣
麻生太郎様

              要請書

        (団体名)核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
                 核兵器廃絶ナガサキ市民会議 
                 核兵器廃絶市民連絡会議

 外交のために、日頃よりご尽力いただいていることに感謝し、かつ敬意を表します。
昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が成果なく終わって以来、核兵器廃絶への道筋が見えにくくなっています。本年のジュネーブ軍縮会議(CD)は第2会期に入ろうとしていますが、この場も、核軍縮などについてほとんど前進が見られていません。
そうした中で、米政府が現有の核弾頭をより頑丈で耐久性のある弾頭に総入れ替えする計画を明らかにしています。2007年度における米エネルギー省の予算要求やそれを巡る関係者の議論に接すると、米国政府の中に核兵器の永久保持を目指す憂慮すべき動きが顕在化していると、私たちは指摘せざるを得ません。
私たちは、日本政府がこの動きに対して明確な意思表示をすることが今極めて重要であると考え、以下のように政府の見解を質すとともに行動を要請したいと思います。

1)信頼性代替弾頭(RRW)を計画する米国核政策について
 2006年度の米国の核兵器予算において、いわゆる核バンカーバスター(強力地中貫通型核兵器、RNEP)の研究開発予算が消え、代わりに信頼性代替弾頭(RRW=Reliable Replacement Warhead)計画の予算が増えました。議会がRNEPに否定的な見解を示したことは歓迎すべきことです。しかし、RRW予算に関しては、国家核安全保障管理局(NNSA)が935万ドルを要求したのに対し、議会は大幅に増額して2500万ドルを支出することを決定しました。これに勢いを得て、2007年度大統領予算はRRW計画に2770万ドル(約33億円)を要求しています。
 私たちがまず第一に憂慮するのは、RRW計画が核弾頭のいっそうの削減を可能にし、また核爆発実験の再開をしなくても済む道であるという一見魅力的な理由を掲げながら、実は核兵器の延命をもくろんでいることです。昨年の予算に最終合意したときの米議会上下両院協議会報告書は、次のように書いています。
「(両院協議会は)RRW計画のもとで行われるいかなる兵器設計作業も、現存する貯蔵兵器の軍事的能力の範囲内にとどまらねばならない、また、いかなる新型兵器設計も過去の核実験によって確認された設計パラメーターの範囲内にとどまらねばならない、という2005会計年度に与えられた指示をくり返す。協議会は、NNSAが、合衆国の核貯蔵規模をかなり縮小するという政府決定をサポートするため、科学的貯蔵管理計画の成果を基礎にして製造工程を改善し、コストを下げ、そして動作マージンを増加させることを期待する。」
 このようにして、老朽化によって2040年までに寿命を迎えるとされる現存の核弾頭の総入れ替えが実行されようとしています。
それだけではありません。私たちが第二に憂慮するのは、RRW計画は現有の核兵器の能力を超えないという条件で行われると言いながらも、そのための投資は施設の面でも人材の面でも、米国の核兵器開発能力を間違いなく強化することです。それは核兵器研究所や弾頭製造工場に資金を投入し、人材を豊富にし、これまでよりも近代的な核兵器生産のインフラを作り上げることになります。新しいインフラがあれば、さらに高度な核兵器開発も可能になります。米国政府がそのことを明確に意図していることが、NNSAブルックス局長の次のような演説(06年3月3日。原文を資料として添付します)で明らかになりました。
「2030年には、我々の即応性のあるインフラによって、現在とは異なる、もしくは改良された軍事的能力を持つ核兵器を生産することが、要求に応じて可能になっています。RRW計画によって活性化された兵器設計コミュニティは、18ヶ月以内に既存の兵器を改造し、新たなデザインを設計し、開発し、エンジニアリング開発段階に進むことを決定してから3、4年以内にその生産を開始する能力をもっています。」
 私たちは、米国のこのような計画は核兵器廃絶を求める私たちの努力への重大な挑戦であると考え、RRW計画に強く反対します。計画は、米国のNPT第6条を「誠実」に履行する義務に違反し、2000年のNPT再検討会議での「保有核兵器の完全廃棄に関する明確な約束」を反故にするものです。

 そこで、私たちは日本政府に、このような米国の信頼性代替弾頭(RRW)計画をどのように考えているか、その見解を質したいと思います。そして、日本政府が、RRW計画を中止し、NPT再検討会議での「明確な約束」を履行する具体的なプログラムを提示するよう米政府に要求するよう求めます。

2)CDにおける現状打破の動きについて
 昨年の国連総会で、CDが現状の行き詰まりを克服して正常に機能するまで、第1委員会に特別委員会を設置して核軍縮などの協議を進めるという決議案を、カナダ、メキシコなど6か国が準備しました。しかし、6か国は2006年のCDの発展に期待し、昨年の提案を見送ったという経緯があります。提案を見送るに当たって、6か国は「CDが2006年もまた結果を残せないままに1年を送ることになれば、大多数の国の安全保障上の利益が少数の国の政策によって人質にとられているような状況に対する、民主的なかつ多国間的な代案を保証する手段の一つとして、この提案を再度提出するという選択肢は捨てない」と述べていました。
 そのような経過を受けて、2006年にCD議長となる6大使が1年をとおして系統的な努力をするという、かつてない取り組みを開始していると聞きます。しかし、残念ながら私たちはCDの正常化について、まだなんらの朗報にも接していません。

そこで、私たちは、日本政府に次のことをお尋ねし、要請します。
1.第1会期において、日本政府はCD正常化のためにどのような方針で臨みましたか。その成果をどう評価していますか。第2会期にはどう臨みますか。
2.議長となる6大使の努力がどのような変化をもたらしていますか。今後の予測はどうですか。
3.CDが今年も正常化しない場合、日本政府はカナダ、メキシコなどの提案を積極的に推進するよう要請します。また、それに代わる構想があれば聞かせてください。

 以上、お尋ねするとともに要請いたします。

連絡先:特定非営利活動法人ピースデポ

 六カ所再処理工場アクティブ試験の即時中止を!

土曜日, 4月 15th, 2006

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は4月14日に記者会見を行い、抗議声明を発表すると同時に次のところに郵送致しました。

郵送先;小泉総理大臣、外務大臣、経済産業大臣、日本原燃、青森県、佐賀県、広島県、広島市、長崎県、長崎市
———————-

             抗 議 声 明
    六カ所再処理工場アクティブ試験の即時中止を!

 私たち「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」は、世界で最初に原爆による被害を受けた広島の地で、核の被害者の立場を中心にすえて、核の悲惨さを広く世に知らせることを通して核兵器の廃絶を訴え続けてきた。
 3月31日に青森県の日本原燃六カ所再処理工場で、原発から出た実際の使用済み燃料を再処理するアクティブテストが、国内のみならず世界各国からの中止・凍結を求める声を無視して強行された。再処理工場の実質的な稼働は、単に原子力エネルギー利用上のみの問題ではなく、世界の核拡散と日本の核武装化にも密接に関わりを持つ問題であり、私たち「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」としても黙過できることではなく、アクテイブ試験の強行に強く抗議するとともに、再処理工場の凍結を求めるものである。私たちは、核兵器廃絶を切に求める立場から、使用目的のわからない核兵器原料の大量生産への道を性急に強行した日本原燃および政府に対して強い抗議の意思を表明するものである。
 そもそも再処理は長崎原爆に使われたプルトニウムを取り出すために開発された技術であり、現在もプルトニウムという物質は核兵器を作るために必須の最重要物質であり続けている。日本はこれまで使用済み核燃料の再処理をフランス・イギリスに委託して、そのようなプルトニウムを既に43トンも「平和利用」目的として保有している。
 ところがプルトニウムを燃やすための高速増殖炉「もんじゅ」は10年以上も停止中であり、余剰プルトニウムを減らすために軽水炉で燃やすというプルサーマル計画はまだ1基も稼動していない。このようにプルトニウムを消費する受け入れ先がない状況にも拘らず六カ所再処理工場を急いで稼動させなければならないという納得のいく説明は日本原燃からも政府からもなされていない。
 日本はプルトニウムを核燃料として利用する核燃料サイクル政策をとっているが、原子力のエネルギー利用という目的のみからはプルトニウムを利用することの必然性はない。むしろ核燃料サイクルは経済的にも安全上も困難が多く、さらに軍事転用が容易で核兵器拡散につながる問題のため主要国はエネルギー政策を見直し、核燃料サイクル路線から撤退している。そして、再処理技術を持つ日本以外の国では核のエネルギー利用と軍事利用は不可分に共存しているのが現実の姿であろう。六カ所再処理工場は本格稼動すれば1年間に核兵器1000発分以上にも当たる8トンのプルトニウムを取り出すもので、そのような状況の中では核兵器数発分程度のプルトニウムの厳密な管理は実際上不可能とされている。 
 世界の核不拡散という角度からは、昨年5月のNPT再検討会議に先立つ2005年2月に、IAEAのエルバラダイ事務局長はウラン濃縮と再処理施設の建設を5年間凍結するよう提唱している。また、アメリカのUCS(憂慮する科学者同盟)は27名の著名な科学者・政策立案者による日本政府への六カ所再処理工場の運転無期限延期の要請を発表、マーキー下院議員等6名の議員も日本の核再処理についての懸念を表明、韓国からはNGOや国会議員李美卿議員等10名の議員による六カ所再処理計画撤回を求める声明の発表など、国際的な懸念の表明が続いている。
 このような背景の中で今回六カ所再処理工場の実質的稼働であるアクティブ試験を日本政府が強行させたことは、イランや北朝鮮の核開発が核不拡散上の問題とされている現在の不安定な核情勢の中で、世界の核拡散を助長しかねないものとして各国に危惧を抱かせることを私たち日本の国民はもっと直視するべきである。アクティブ試験は青森県だけの問題でもなければ、単にエネルギー政策にのみ関わる問題でもなく、世界の核拡散の動きにまで影響を及ぼす大きな問題である。
 今、日本の核政策が世界から懸念される状況に直面して、私たちは、世界に対して核廃絶を訴える立場から、使用目的の不鮮明な大量の核兵器の原料を生産する再処理工場の稼動の中止と閉鎖を強く訴えるものである。
 このような観点から、私たちは日本原燃に対しては再処理の稼働を即刻に止めること、および青森県・政府に対しては再処理の稼働を即刻停止させた上で全国民と各国からの懸念に対して誠実な対応を示されることを求めるものである。

2006年4月14日            
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition(HANWA)
共同代表:岡本三夫 河合護郎 森瀧春子
事務所:広島市中区上八丁堀8-23
TEL 082-502-3651 FAX 082-502-3860
https://www.e-hanwa.org  E-mail:hanwa@e-hanwa.org

町村外務大臣宛 核軍縮に関する要請

土曜日, 10月 1st, 2005

核軍縮に関する要請
――国連総会第1委員会を前にして――

 
2005年9月27日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
核兵器廃絶ナガサキ市民会議
核兵器廃絶市民連絡会議

町村信孝 外務大臣様

 日本外交のための日頃のご努力に敬意を表します。
 5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が成果なく終わってから初めての国連総会が開催されています。しかし、9月14-16日の特別首脳会議の最終文書(成果文書)から軍縮・不拡散のテーマが削除されてしまったことに表れているように、私たちの目指す「核兵器のない世界」への道は大きな困難に直面しています。私たちは、このような状況においてこそ、核兵器の非人道性を知る日本が揺るがぬ確信を持って核兵器廃絶の緊急性を強く主張することが必要であると考えます。
そこで私たちは、国連総会第1委員会の開会に先だって、次のことを日本政府に要請いたします。

1.新しい核兵器廃絶決議(日本決議)の提案について

 現在日本政府が準備中と伝えられる核兵器廃絶を求める国連総会決議案は、1994年と2000年の原型的決議案に続いて、第3の原型ともなる大切な決議案であると考えられます。報道によると、日本政府は、これまでの決議よりもメッセージ性を強めた簡潔な決議案を作成する意図であると聞きます。私たちは、このような意図を基本的に支持します。より具体的には、少なくとの次の2点の基本メッセージを含む骨太の決議案を日本政府は提案すべきであると思います。

 (1)核兵器は非人道兵器であり早急に国際法で禁止されるべきであること。化学兵器、生物兵器が非人道兵器としてすでに禁じられているにもかかわらず、それらよりはるかに非人道的な核兵器を容認するいかなる立場も、厳しく批判されるべきです。
 (2)核軍縮の促進には、ステップ・バイ・ステップの段階的措置を積み重ねることと同時に、全体としてのゴールを具体的に示す包括的なプランの追求が必要であること。(この点に関しては、以下の二つの項目を参照して下さい。)
 これらのいずれも、過去の日本決議には欠如していた基本的メッセージであり、節目となる今回の新決議案に盛り込むべきであると考えます。

2.国連第一委員会への「核兵器廃絶のための特別委員会(仮)」設置について

 8月に開催された平和市長会議(会長:秋葉忠利広島市長、副会長:伊藤一長長崎市長など)総会は、「核兵器のない世界の実現と維持とを検討する特別委員会」を国連総会第一委員会に求めることを決議しました。日本政府が、この特別委員会の実現に尽力することを私たちは要請します。
 この提案は、上記第1項(2)で私たちが要請した新日本決議に盛り込まれるべき「包括的プラン」追求の趣旨にふさわしい具体的提案であります。私たちは、日本政府が新決議案にこの内容を盛り込むことを要請します。また、他の国が同様な決議案を準備している場合、日本政府はその共同提案国になるか、あるいは、少なくとも積極的に賛成すべきであります。

3.MPIが招待した「第Ⅵ条フォーラム」への参加について

 10月3日、ニューヨーク国連本部において開催される第1回「第Ⅵ条フォーラム」について、ダグラス・ロウチ中堅国家構想(MPI)議長から日本政府に対してすでに招待状が出されたと聞きます。MPIの説明によれば、このフォーラムは、添付しました「原則のステートメント」にある通り、核軍縮に熱心な同志国家が集まって「核兵器のない世界が必要とする法的、技術的、政治的要件を検討し、一つの国が単独で、二国間で、地域的に、あるいは多国間で取り組むことができる手段を特定する」ための会議であります。
私たちは、核兵器廃絶を求める強い国民世論をもつ日本政府が、同志国家の一員として「第Ⅵ条フォーラム」に積極的に参加することを強く要請します。「フォーラム」は、核兵器のない世界実現のための有力な協議の場となることはもちろん、上記第1項(2)の日本決議に盛り込むべき包括的プランの追求や、第2項において設置されるべき特別委員会の討議内容を設定するためにも非常に有益な知見を得る場になると考えます。

4.「東北アジア非核兵器地帯」設立について

 核軍縮に積極的に取り組む土台として、日本政府は米国の「核の傘」に依存する現在の政策から脱して東北アジア非核兵器地帯を建設する協調的地域安全保障政策に向かうべきであります。私たちはこのことを繰り返し要請します。日本政府は時期尚早との立場を繰り返し表明していますが、「スリー・プラス・スリー案」は現在の6か国協議のテーブルに載せても早すぎることはない案であると、私たちは思います。特に、最近の第4回6カ国協議で初めての6者共同宣言が採択されるなど、この枠組みが一定の成果を挙げつつある今こそ、さらに積極的なビジョンを提示すべきであります。実現に時間がかかっても、提案することによって、東北アジアに好ましい環境を作り出すことになるでしょう。

 以上について、日本政府の真剣な検討と実行を希望します。

◆連絡先:NPO法人ピースデポ 
   〒223-0051 横浜市港北区箕輪町3-3-1-102
   電話:045-563-5101 FAX:045-563-9907 (担当:中村桂子)

◆要請団体の連絡先
 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
   〒730-0012 広島市中区上八丁堀8-23林業ビル4F
  電話:082-502-3850
 核兵器廃絶ナガサキ市民会議
   〒852-8105 長崎市目覚町25-5 長崎平和研究所内
  電話:095-848-6037
 核兵器廃絶市民連絡会議
   〒101-0053 千代田区神田美土代町11-8 SKビル2F 
          東神田法律事務所内
  電話:03-5283-7799 FAX:03-5283-7791

(さらに…)

To: The September 11th Families for the Peaceful Tomorrows ピースフル・トゥマローズへの手紙

土曜日, 9月 10th, 2005

September 10, 2005

To: The September 11th Families for the Peaceful Tomorrows
From: Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

Dear friends,

As the fifth anniversary of the 9/11 tragic event approaches, we would like to extend our heartfelt sympathy to you and your loved ones, although we are aware that no words can sufficiently convey our true feelings. We, the hibakusha and the citizens of Hiroshima, the original Ground Zero, share with you the philosophy of non-violence and non-revenge, which you have cultivated among you and with which you have given comfort and courage to so many suffering people around the world.

The principle to which you adhere is not easy to maintain. However, we stand by you in that effort and promise that we will not only remain committed to that principle ourselves, but we will also make every effort to promulgate it through this world full of wars, terrorism, the abuse of human rights, and myriad other forms of violence. The run-away tragedies in Afghanistan and Iraq eloquently illustrate that violence begets nothing but more violence.

In August, Hiroshima and Nagasaki commemorated the 60th anniversary of the atomic bombings. In collaboration with the citizens of Nagasaki, HANWA campaigned to have an opinion advertisement printed in The New York Times on April 29th, timed to coincide with the Review Conference of the Non-Proliferation Treaty of Nuclear Weapons at the UN. The message of that ad corresponds precisely to your philosophy of non-violence and non-revenge, namely, “No More Hiroshima! No More Nagasaki!”

The abolition of nuclear weapons is not simply the wish of Hiroshima and Nagasaki. It is the wish of the majority of people on earth. Nuclear weapons are the pinnacle of violence. They are the culmination of the spiral of violence. Thus, the vicious circles of violence and revenge must be interrupted if humanity aspires to live in peace and harmony. At present, the world appears to be drifting in exactly the opposite direction.

Dear friends, please rest assured that we are in loving solidarity with you. We are convinced that the majority of the people desire the peaceful tomorrows that you have so courageously embodied in your unremitting, tenacious championing of the principle of non-violence and non-revenge. You have generously offered the world its only hope of lasting peace and prosperity. We thank you, indeed, for your enduring contribution, and we are thinking of you at this time.

Sincerely Yours,

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
Presidents: Mr. Goro Kawai, Ms. Haruko Moritaki, Mr. Mitsuo Okamoto, Ph.D.
————-
4年目を迎えた9・11遺族の会「平和な明日のための9・11家族の会」
(通称 ピースフル・トゥモローズ)にHANWAから連帯のメッセージを
送りました。共同代表の岡本三夫が執筆しています。

声明:核兵器廃絶への更なる努力を NPT再検討会議の決裂を越えて

土曜日, 6月 4th, 2005

 5月2日からニューヨークの国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は27日夕(日本時間28日朝)、実質的な成果のある文書を取りまとめられないまま閉幕した。2000年の会議では、「核兵器廃絶への明確な約束」など13項目の核軍縮合意を盛り込んだ最終文書を採択しており、それと比べると核兵器廃絶から大きく後退した結果となり、私たちも、その場に代表団を送り、核兵器廃絶への道筋をたててほしいと働きかけていただけに、無念としか言いようがない。
 被爆60年に開催されたNPT再検討会議が、このような形で閉幕してしまったことに、強い憤りを覚えるとともに、心から悲しい思いでいっぱいである。人類は、「ヒロシマを考え」、あの原爆地獄から本当の教訓を学び、核兵器のない平和な地球社会の構築にいつ成功するのだろうかと暗澹たる思いを抱かざるをえない。広島・長崎で被爆した人々は、一刻も早い核兵器廃絶を求めて、一日千秋の想いで、朗報を待っていたはずだが、その想いを裏切られたことは本当に残念である。
本格的な検討は別の機会に譲るとして、問題点を記憶にとどめるために、簡単に整理しておきたい。5月23日、各委員会の最終文書草案の骨子は以下の通りである。

第1委員会【核軍縮】
・新型核の研究開発の断念を核保有国に要請
・核実験全面禁止条約(以下、CTBT)の早期発効に向けた努力を歓迎
・CTBT発効までの核実験中止(モラトリアム)継続を要請
・核軍縮推進に向け、軍縮会議に特別委の早期設置を約束

第2委員会【核不拡散】
・追加議定書の普遍化の重要性を認識
・インド、イスラエル、パキスタンの加盟促進
・「核の闇市場」に深い懸念を表明
・核拡散防止は、対話による解決を目指す

第3委員会【原子力平和利用】
・ウラン濃縮、核燃料再処理を断念した国に対する核燃料の供給保障を国際原子力機関(IAEA)で検討するよう要請

 第1委員会(核軍縮)では、CTBTの早期発効努力を歓迎する、新型核研究開発の放棄要請などの草案に米国が強く反発し、合意に至らなかった。NPT脱退問題では、脱退した国に対して原子力資材や機材の返還を義務づける案に、途上国が反発した。第3委員会(原子力の平和利用)は、95年の再検討会議で採択された声明で「平和目的の核施設への攻撃や威嚇は国際法上の懸念」と指摘していることなどを、イランが改めて確認するよう再三、強調したが、米国は結局、イランの意向に反対し続けた。日本の再処理が2005年中に始まることへの追及はない中での、ダブルスタンダードの問題性が浮かびあがっている。
 直接的には、エジプトなどの一部中東諸国がイスラエルの核問題の解決を優先したことが原因との見方があるが、核軍縮に向けた措置をめぐって強硬な反対姿勢を貫いた核保有国=米国にほとんどの責任があることは明白である。2001年9月11日のアメリカ東部でのできごとを契機としたアメリカ政府のかたくなな姿勢は、結果として力対力の悪循環を導くだけであることを悟るべきである。
これでNPT体制の根本的な見直しや核不拡散をめぐる新たな枠組み構築を求める声が強まりそうだとの見解もあるが、国家間の関係が変わらない中では、同じ問題を抱えている。問題は、組織のあり方ではなく、NGO,自治体などが、自国の政策を変えていける力関係を構築することが最も重要である。
 今後、米国はNPTの見直しよりも、独自の核不拡散対策を強化する可能性が高い。ブッシュ米政権はもともと、現行の国際法や取り決めでは核や大量破壊兵器の拡散防止の効果はないと見ていた。そのため03年、航空機や船舶などへの監視を強化し、積み荷を押収する大量破壊兵器の「拡散防止構想」(PSI)を提唱し、現在、米、英、日本など15カ国が運営主体となっている。今後、アメリカは、PSI強化など有志連合方式を一層重視していく可能性が高い。
 NPTは00年の再検討会議で、核兵器廃絶への「明確な約束」やCTBTの早期発効など核軍縮に向けた13項目を明記した最終文書を採択したが、その到達点は、死んだわけではない。むしろ、このような事態を迎えて、改めて、その価値が高まっていると言うべきである。
 そもそもNPTは核兵器の保有をアメリカなど5カ国にだけ認めたうえで、5カ国は核軍縮を進め、非核保有国は原子力の平和利用の権利を持つという「三つの取引」の均衡で成り立つ極めて危うい枠組みである。核保有国と非核保有国との対立は長年続いており、今回のことはその一コマであると見るしかない。
 ただ核兵器保有5カ国が、核軍縮の取り組みをまとめた共同声明が準備されていたと言われており、これは、44項目、10ページに及ぶ長文の文書だと報道されている。NPTの役割の再認識、核実験のモラトリアムなどに加えて、NPT脱退と核兵器保有を宣言した北朝鮮に対し、NPTや6カ国協議への早期復帰を促す内容を盛り込んでいたと言うが、この公開を求めたい。

 1945年8月、広島・長崎への無差別攻撃で始まった核文明は、今なおそのグロテスクな姿を保ったままである。特に米国は、CTBTへの批准を拒否し続け、使用可能な超小型の核兵器開発を公言し、NPTからの脱退さえちらつかせている。2005年NPT再検討会議は、現存の国際環境の中で、核軍縮をめぐる問題点を明らかにし、かつ核兵器廃絶のための歴史的な契機にする場として、機能しなかったとは言え、広島・長崎を初めとした世界中の市民が、あくまでも一刻も早い核兵器の廃絶を求めていることに、何の変化もない。そこで、改めて各国政府に以下の点の実現に向けて尽力されるよう要請する。

1. すべてのNPT締約国が、第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、核兵器国は保有核兵器の完全廃棄を達成するよう明確な約束を履行すること。

2. 各国はCTBTの早期発効を達成するために、遅滞なく、無条件に、批准すること。

3. CTBTが発効するまでの、核兵器の爆発実験またはその他のあらゆる核実験を停止すること。

4. 核軍縮、核実験と小型核兵器の研究の禁止、その他の軍備管理と削減措置に適用されるべき、不可逆性の原則を順守すること。また核軍備競争の逆行を助長するミサイル防衛(MD)計画を取りやめること。

5. 核兵器能力について、また、第6条にもとづく合意事項の履行について、核軍縮のさらなる前進を支えるための自発的な信頼醸成措置として、核兵器国が透明性を増大させること。

6.  一方的な発議にもとづいて、また、核軍備削減と軍縮過程の重要な一部分として、非戦略核兵器をさらに削減すること。

7. 核兵器国、および核兵器依存国は、自国の安全保障政策における核兵器の役割を撤廃すること。
8. 全ての核兵器保有国による核軍縮会議の早期開催について、検証制度の技術的会議を先行させ、非戦略核を優先させるなども含めて、実現に努力すること。

9. 全面かつ完全な軍縮が世界人民の究極的な理念であることを再認識し、戦力を放棄した日本の平和憲法を普遍化する積極的な努力を行うこと。

10 1996年7月8日の国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見を想起しつつ、NPT第6条義務の履行について定期報告をおこなうこと。

11. 第3者機関による、アフガニスタン、コソボ、イラクで使用された放射能兵器(劣化ウラン弾)の被害調査を十分に行い、その使用を禁止する方向で最大限の努力をすること。

 広島・長崎の被爆者は、もう待ちきれないという想いに駆られている。核保有国は核兵器廃絶に向けて、どのような道筋をつけるのかを明らかにしていただきたい。私たちは、被爆地・広島の市民・被爆者として、世界のNGO、そして自治体との連携を強め、その力で自国の核政策を変えていくとともに国際的な枠組みを早急に形成すべく全力を傾注する所存である。 

2005年6月1日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
共同代表 岡本三夫・河合護郎・森瀧春子
〒730-0012広島市中区上八丁堀8-23林業ビル4F
広島県生活協同組合連合会気付
E-mail kenren.h@proof.ocn.ne.jp
ホームページ https://www.e-hanwa.org/