2月 042013
 

第12回 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会:総会議案
第12回 総会議事次第 14:00~15:00
議長選出
開会あいさつ           
2011年度活動総括         
会計報告
会計監査報告            
質疑討論&採択
2012年度活動方針案提案(役員体制含む) 
質疑討論&採択
新旧役員 あいさつ

  
1.2011年度活動総括 
(1)2011年度活動記録(2011.5~2012.4)
2011年
3月13日 HANWA声明発表、政府、保安院、東電、中電に送付
   「東日本大地震津波の被災地援護と福島原発事故への厳正な対応をもとめる」
4月25日 「子どもに「年20ミリシーベルト」を強要する日本政府の非人道的な決定に抗議 し、撤回を要求する」緊急声明に賛同
5月10日 記者会見
5月13日 事務局会議
5月 14日 HANWA結成10周年 第11回総会・記念講演会
「福島原発大事故を受けて~核と人類は共存できない~」
講演:豊﨑博光さん「ヒバクシャ-われらみな核の風下の人びと」
5月26日 事務局会議
6月 7日 第87回運営委員会・内部被曝学習会  講師;鎌田七男さん
6月21日 HANWA・松井広島市長と面談
6月27日 学習会「福島原発震災と放射線被曝防護基準~被災の現場から考える~」
講師:振津かつみさん(共催)
7月14日 事務局会議
7月19日 第88回運営委員会(台風で中止)
7月26日 第88回運営委員会
7月30日 8・6案内発送
8月 6日 被爆66年 8・6 ヒロシマ集会“内部被ばく”から問い直す核/原子力体制 
~ ヒロシマ・イラク・フクシマ ~(4者共催)
9月21日 事務局会議
10月1日 10/7案内はがき発送
10月4日 第89回運営委員会
10月5日 ニュースレターNo.16発行・発送
10月7日 原爆・原発・放射能 「世界核被害者大会」~広島開催をめざして~
講師:セバスチャン・フルークベイル博士、横原由紀夫さん
11月 2日 運営委員・高橋昭博さん永眠
11月 9日 事務局会議
12月12日 第90回運営委員会
2012年
2012年1月14日~15日の脱原発世界会議(横浜市)に賛同団体になる。青木代表派遣。
1月18日 事務局会議
2月 6日 第91回運営委員会
2月16日 ドローテ・メンツナー独国会議員講演会協賛
2月25日 フォト・ジャーナリスト豊田直巳及びイラク・ファルージャ医師報告会
  「フクシマの一年」―ヒロシマ・チェルノブイリ・イラクと結んで―HANWA共催 120人参加
3月11日 反原発共同行動(広島中央公園)にHANWA共同代表他呼びかけ人として参加
2000人結集
3月30日 事務局会議 
4月 9日 第92回運営委員会 低レベル放射性廃棄物について議論、HANWAの姿勢を決定
4月19日 事務局会議
5月 1日 ニュースレターNo.17発行発送
5月 9日 運営委員・碓井靜照さん永眠
(2)2011年度HANWA活動総括
2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震により福島第1原発の原子炉1〜3号機がメルトダウンしました。その後間もなく、1号機と3号機の原子炉建屋では水素爆発が起き、大量の放射性物質が外部に放出されました。大量の使用済み燃料プールがある4号機は運転停止中でしたが、この建屋も一部爆破し火災を起こし、ここからも大量の放射能が放出して、史上最悪の原発事故となりました。
HANWAは、この事故を受けて、3月18日付けで当時の内閣総理大臣菅直人、経済産業大臣海江田万里、原子力安全・保安院院長寺坂信昭、東京電力株式会社取締役社長清水正孝の各氏宛に要望書を送りました。この要望書の中で、以下のような要望を出しました。
1.原発事故とその対応の正確な具体的情報を迅速に公開すること。
2.最悪の事態である炉心融溶を避けるべく事故収束に向けて他国の援助も含め全力で取り組むこと。
3.被曝を最小限に食い止め、被曝者の検出と治療に万全を期すこと。拡散する放射性物質による内部被曝を防ぐための具体的知識の普及に務めること、より広範囲な範囲での退避の実施による被爆予防を諮ること。
4.原発事故の制御作業に身の危険を賭して携わる作業員たち、避難地域で避難民の世話をしている地方自治体員などへの長期に渡るケアの保障措置を諮ること。
5.引き続いている余震の影響で大きな事故を起こす危険性のある静岡県の浜岡原発を即時停止し、代替電力の確保に努めること。
6.地震多発地帯に原発を建設してきた政策を根本的に転換し、新たな原発建設計画は即時中止し、稼働中の原発も早急に順次廃炉するとともに、原発に代わる自然エネルギーの活用と、電力の需要のみなおしをすすめること。
同時に、同じ内容の要望書を中国電力宛にも送り、以下の要望を伝えました。
1.今回の地震事故発生により、想定される地震に対する耐震対策の訂正が必要であり、国に提出した原子炉許可申請を取り下げること。
2.活断層が近くに存在する上関原発建設計画を白紙撤回すること。
3.抗議行動をおこなっている住民にたいする提訴をとりさげること。
4.島根原発3号機建設を中止、1,2号機を順次廃炉すること。
5.自然エネルギー活用に方向転換。
この事故が起きるまで、日本では「放射能被曝」とは、主として、1945年8月の原爆投下による都市破壊と無差別大量虐殺を生き延びた被爆者たちが浴びた放射能の問題と受け止められており、一般市民には関係の薄いことがらであると考えられていました。ところが、この原発事故で大量の高濃度放射能が福島県近辺地域のみならず、日本全国、ひいては東アジアやアメリカ西海岸にまで降り注ぐことが明らかとなるや、「被曝」は、突然、我々市民一人一人に直接影響を与える由々しい問題であるということが強く認識されるようになりました。その結果、「広島・長崎」と「福島」の関連性がにわかに問題にされるようになりました。
放射能の大量放出という状況に政治的に対処するため、日本政府は、それまでの放射能許容量レベルを次々に緩め、放射能に最も影響を受けやすい子供にまで、「年間20シーベルト」という危険な「許容量」を強制するという無責任極まりない方針を打ち出しました。4月に、HANWAは、こうした政府の非人道的な政治的決定に他の市民諸団体とともに抗議し、この決定の撤回要求に加わりました。
5月14日には、結成10周年HANWA第11回総会を開き、総会後、世界各地の核汚染問題を長年にわたって取材・追求してきたフォト・ジャーナリストの豊﨑博光氏を講師とする記念講演会を開催しました。豊﨑氏の講演は、「福島原発大事故を受けて 核と人類は共存できない ヒバクシャ-われらみな核の風下の人びと」と題するもので、原爆投下はもちろん、ウラン採掘、核兵器製造、核実験、原発運転、放射性廃棄物処理の全ての段階で放射能が放出され多くの人たちが「被曝」している現状をふまえ、福島の事故の重大性を改めて厳しく指摘する内容のものでした。
この講演会の直前に、長年、被爆者証言運動と被爆青桐の種の拡散運動をすすめてこられた沼田鈴子さんが会場に来られ、車椅子に座られたまま挨拶をされ、原発廃止の強い願いを訴えらえました。そのほぼ2ヶ月後の7月12日に沼田さんは永眠されました。残念なことに、HANWAでのご挨拶が私たちに対する彼女の最後のメッセージとなりました。沼田さんは、チェルノブイル事故直後から原発反対の意見をご自分の証言運動の中に取り入れられ、「日本で原発事故がおきれば、日本人全てがヒバクシャになる」と注意を促し続けてこられました。
HANWAは、会員の放射能被曝問題に関する知識を深めるため、6月7日の第87回運営委員会では「内部被曝学習会」を行うことを決め、福島まで調査に行かれた鎌田七男先生を講師としてお招きして、内部被曝の実態と危険性について学びました。さらに同月27日の、振津かつみ氏を講師とする学習会「福島原発震災と放射線被曝防護基準 ~被災の現場から考える~」をICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)ヒロシマとの共催で開きました。
6月21日には、青木克明共同代表、利元克己、久野成章の両運営員の3名が松井一實市長と面談し、福島原発事故による放射能汚染を考慮し、被曝70周年にあたる2015年には、広島で、平和市長会議の強力な支援で「世界核被害者大会」を開けるように努力してもらいたいという希望を伝え、意見交換を行いました。同時に、「黒い雨」問題にも青木克明共同代表が触れ、「黒い雨」が降った地域には放射性降下物が多い地域があり、福島でも同じ現象があり、残留放射線の問題もあるので、「黒い雨」の地域拡大をさらにお願いしたいと述べました。
これまで、例年の8月6日のHANWA集会は、HANWA独自で開催してきましたが、2011年度の8・6集会は、急速に盛り上がってきた反原発運動との連帯行動で反核・反原発運動の統合をはかるべく、「原発・核兵器なしで暮らしたい人々」、「ECRR市民研究会・広島」、「ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)ジャパン」との共催で行い、多数の参加者が集う活気ある集会となりました。
「福島原発事故以降、大きくクローズ・アップされてきている<内部ヒバク>問題に焦点を当てつつ、核兵器と原子力発電、そして、放射性廃棄物の軍事利用である劣化ウラン兵器が一連のサイクルをなす核/原子力体制 を、改めてその根底から問い直す場としたいと思います」という趣旨のもとに、「被爆66年 8・6ヒロシマ集会“内部被ばく”から問い直す核/原子力体制 ~ ヒロシマ・イラク・フクシマ ~」というタイトルで行われたこの集会では、以下の5名がそれぞれの立場から意見を述べ、予定時間を大幅に超える熱い議論が展開されました。
•「ヒバク問題を考える」
振津かつみ(医師、チェルノブイル・ヒバクシャ救援関西、ICBUW運営委員)
•「福島現地からの報告」 佐藤和良(いわき市議、脱原発福島ネットワーク)
•「残留放射能と今」丸屋 博(被爆者、医師)
•「原爆と原発のマジックを読み解く」 アーサー・ビナード(詩人、翻訳家)
•「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ:核被害者世界大 会開催を考える」
 田中利幸(広島市立大学広島平和研究所教授、HANWA運営委員)
10月7日には、ドイツ放射線防御協会・会長であるセバスチャン・フルークベイル博士を講師として招き、「原爆・原発・放射能 <世界核被害者大会> ~広島開催をめざして~」と題して講演をいただき、その後、横原由紀夫・運営委員によるコメント発言がありました。この講演では、チェルノブイル原発事故による放射能被害、とくに乳幼児と妊婦に対する影響について詳しい説明があり、さらには、日本政府がとっている「放射能暫定規定値=汚染許容量」がいかに無責任なものであるかを、フルークベイル博士は厳しく批判されました。
11月2日、元広島平和記念資料館長で、HNWA運営委員でもあった高橋昭博氏が、長く入院されていた土屋病院で亡くなられました。高橋さんは、平和記念資料館長として様々な斬新な原爆問題に関する教育プログラムを導入され、退職後も被爆証言を国内外で晩年まで続けられ、世界各国の政治家たちの前で原爆投下の恐怖と核廃絶の重要性を訴えられました。HANWA運営員としても、体調がよほど悪くないかぎりは、運営委員会に毎回出席され、様々な議題に被爆者として意見を述べられ、HANWA活動におおいに貢献されました。
11月26日、スイス・ジュネーブで開催されていた運動代表者会議で、国際赤十字社および赤新月協会国際連盟は、核兵器廃絶を呼びかけ、傘下全組織に対し、人類の破滅に至る核戦争の結末について啓蒙活動を行うよう要求する、ユニークな決議を採択しました。この決議提案を行ったのは、オーストラリア赤十字社(とくにロバート・ティクナー社長ならびに国際活動担当のヘレン・ダラム博士のイニシアティブによるもの)でありましたが、オーストラリア赤十字社を動かした大きな要因となったのが、2010年NPT再検討会議に向けてHANWAが出したアピール文(とくにジュネーブ追加議定書を核兵器禁止条約設置に向けて活用すべきであるという提言)でした。これまで長年の間、核兵器問題には極めて消極的であった国際赤十字社を動かし、こうした決議採択にまで持込んだことは極めて画期的なことでした。その意味で、HANWAの活動は、国際的にも影響を少なからず持っていることを深く自覚しながら、私たちは今後の活動面で斬新且つ効果的な方法を考え出し、具体的に国内外でそれらを推進していくべきであると思われます。
2012年1月14日〜15日、横浜市で開催されたピースボート主催の「脱原発世界会議」に県保険医協会から参加された青木克明HANWA共同代表に、HANWA代表派遣を兼ねていただくと同時に、賛同団体にもなりました。2月25日には、フォト・ジャーナリスト豊田直巳氏の写真展、「フクシマの1年 ― ヒロシマ・チェルノブイリ・イラクと結んで ―」がICBUWヒロシマ・オフィスの主催で、広島で開かれましたが、HANWAが共催団体となりました。さらに、福島原発事故から1年目にあたる3月11日には、広島市内で大規模に行われた「反原発共同行動」には2000人が結集しましたが、森瀧春子共同代表ならびに河合護郎代表委員が呼びかけ人として参加しました。このように、2011年度を通して、国内の様々な反原発関連の行事に、HANWAは積極的に参加しました。
3月23〜24日には、韓国のハプチョンで「非核平和大会」が開催されました。これは、同時期にソウルで開催された第2回核安全保障サミットに合わせ、韓日両国の被爆者をはじめ、世界の放射能被害者の声を強くあげようという目的のもとに企画され、韓日両国はもちろん世界各地から被害者代表が多数集まり、さまざまな芸術活動を含む、活気ある集会となりました。この大会にも青木克明HANWA共同代表が参加し、発言を行いました。2015年に広島で開催されるべきである「世界核被害者大会」のモデルともなるような大会であったと考えられます。
                             
(3)2011年度会計報告 
(別紙で報告)

2.2012年度活動方針 
(1)情勢分析  2012年世界の核情勢 ~アメリカの核政策を中心に~
1)米国核関連予算
本年2月13日、オバマ米国大統領は、総額約3兆8千億ドル(約300兆円)の2013会計年度(12年10月~13年9月)予算方針を示す予算教書を連邦議会に提出した。財政赤字大幅削減を目指す様々な政策が含まれているが、11月の大統領選挙で2期目を目指すオバマ大統領は、選挙票獲得のための一般国民向けアピールという目的もあって、富裕層に対する増税、中小企業の雇用増加のための減税措置、雇用創出のための公共事業計画や研究開発、雇用機会増進のための労働者向け再教育・訓練などの政策に6千億ドル(約48兆円)以上を割り当てた。こうした新政策の中には、全国3万5千校の学校の近代化、道路・鉄道・空港滑走路などインフラ・ストラクチャーの修理も含まれている。
その一方で、兵器調達費や軍事人件費を大幅に節約することで、国防関連歳出を今後10年間でこれまでの計画より4870億ドル(約39兆円)削減するよう国防総省に求めた。すなわち年間にして4兆円近い節減を要求しているわけであるが、これほど多額の節減が、超巨大な軍産複合体制に膨れ上がってしまっているアメリカで、はたして可能かどうかはおおいに疑問のあるところである。
2013年度国防総省の基本予算は、2012年度予算額に比べ、約51億ドル削減して5254億ドル(42兆円)。たった1%の削減にしか過ぎない。これとは別に、海外での戦費はイラクからの撤退やアフガニスタンからの撤退計画を受け、23%減の885億ドルが計上されている(ただし、アフガニスタンへの派兵については、2013年末まで6万7500人の兵員維持を想定)。さらに新しい削減政策の一つとして、現在11隻保有している空母を1隻減らして10隻とするという計画が出された(ちなみに、空母2隻以上を保有している国は米国以外に存在しない)。
この予算教書提出の翌日、「オバマ大統領が、戦略核弾頭の配備数を300〜400発に減らすことを選択肢の一つとして検討している」と一部のメディアが報じた。しかし、今後の核兵器配備水準として、実際にオバマ政権が想定しているのは、1000〜1100発、700〜800発、300〜400発という三つの選択肢であり、しかも、これはあくまでも「希望的想定」であって、これら削減目標達成に向けての具体的な政策があるわけではないし、また期限を設定しているわけでもない。どうも、この発表は実際の政策作成というより、3月末にソウルで開催された第2回核安全保障サミットに向けて、「アメリカは核軍縮に積極的である」ということを世界に知らしめるための、一種の宣伝工作のためであったように思える。
にもかかわらず、ここ数ヶ月のオバマ政権の動きに関するメディア報道は、核軍縮に向けて米国政府が極めて積極的に動いているかのような印象を我々に与えるのであるが、果たして現実はどうであるのか、検討を加えてみたい。

A) 核兵器「現代化」のための2013会計年度予算
米国は、昨年2月にロシア政府との間で批准した核軍縮条約「新START」で、2018年までに核弾頭の配備数を1550発以下にする方針を決定したが、その一方で、貯蔵核兵器の「現代化」(既存核兵器の「寿命延長化LEP」=「老朽化し、2040年までに寿命を終える現存の核兵器を、単純で堅牢な新型弾頭で置き換えるという計画」を含む)のためのプログラムを積極的に推進するために巨額の予算を計上してきたことは周知の通りである*。この核兵器「現代化」プログラムの任務を実際に負うのが、エネルギー省内の国家核安全管理局(NNSA)であるが、このNNSAに配分された2013年度予算は76億ドル(約6080億円)であり、これは2012年度予算の5%増額となっている。
確かに、今年度まで巨額の予算が投じられてきたニューメキシコ州ロスアラモスの「化学冶金施設建替え計画第2段階」には、来年度は全く予算配分を行わず、この計画は事実上延期となった。しかし、その分だけ大幅予算増加が想定されているのが、テネシー州オークリッジの新しいY-12ウラン処理施設建設費であり、1.6億ドルであった2012年度予算額が、2013年度要求額では3.4億ドル(約272億円)に跳ね上がっており、完成までの総額費は65億ドルから75億ドル(約6000億円)になると推定されている。
ロスアラモスの「化学冶金施設」は、年間50〜80個の核弾頭を製造する目的のための施設であるが、NNSAによれば、ロスアラモスやネバダ核実験場、カリフォルニア州ローレンス・リヴァモア国立研究所などの既存の施設の活用で、年間10〜20個の核弾頭製造ならびに核弾頭寿命延長研究は十分行えるとのこと。「化学冶金施設建替え計画第2段階」を5年間延期することで、13億ドル(1040億円)を節約し、その分をY-12ウラン処理施設建設費やその他の核兵器製造プログラムに増配分しようというわけである。
にもかかわらず、共和党のタカ派の議員の中には、「オバマの2013年度NNSA予算配分は核兵器現代化という公約を破るものであり、予定通りの予算配分を行わなければ、新STARTに基づく核弾頭配備数の削減実施を妨害する」とまで述べて強く反対している。すでに述べたように、実際には5%の増額になっているのであるが、2010年にオバマ政権が算定した2013年度の予測予算配分と比較すると4%減っているではないかというのが、彼らの言い分なのである。これほどまでの巨額を核兵器製造・寿命延長プログラムにつぎ込んでおきながら、まだ不十分であると主張する議員たちがいるのがアメリカ軍産複合体制の実態である。(ちなみに、カーネギー国際平和研究財団の推定によれば、2012年度の米国の核兵器関連予算の総額は613億ドル[4兆9千億円]であったのに対し、ロシアは148億ドル、中国が76億ドル、フランスが6億ドル、インドが4.9億ドルと算出されており、米国の核関連予算はダントツである。)
さらに、オバマ政権下では、2010年9 月、11月、12月と3回、2011年には2月、3月、9月、11月と4回にもわたり、次々と、未臨界実験であるが、核実験を実施してきた。おそらく、今後も新型核兵器をはじめとするこの種の未臨界実験は繰り返されるであろう。
NNSAのプログラムを詳しく紹介しているスペースがここではないが、結論として言えることは、米国は、核弾頭の配備数は削減するが、新型核兵器、とりわけ戦術核兵器の威力強化を計るプログラムには巨額の予算を配分しているのであり、2009年4月のプラハにおける、オバマ大統領の「核兵器のない世界を目指す」という表明とは裏腹に、それとはまさに逆行する政策を米国はとっていることは明らかである。
したがって、オバマ大統領の表向きの「核軍縮政策」を応援すれば核廃絶の道は開けると、「オバマジョリティ・キャンペーン」などという愚鈍な運動を、違法にも市民の税金まで使って推進した前広島市長、秋葉忠利氏の広島市民に対する責任は極めて重いと言わざるをえない。

B) 核兵器運搬手段のための2013会計年度予算
オバマ政権は、核兵器の新型化に巨額の予算配分をしているだけではなく、核兵器運搬手段の「現代化」にも同じく多額の金を注ぎ込んできたが、2013年度予算でも、その傾向は変わらない。核兵器運搬手段開発のための2013年度予算は、2012年度と比較して1850万ドル(15億円)の増加となっているが、そのうちの主たるプルグラムには次のようなものが含まれている。

* 1機5.5億ドル(440億円)の核兵器搭載用新型爆撃機LRPBの開発:長距離飛行が可能な新型爆撃機を2020年代半ばまでに80機から100機製造するための開発費に、2013年度予算として2億9千ドル(232億円)を計上。核兵器搭載用爆撃機として、現在、91機のB-52と20機のB-2を米軍は保有しているが、これらは2040年代半ばまで配備し続け、その後は40億ドルをかけて5年間で改良する予定となっている。この新型爆撃機LRPB研究開発のために、空軍は、これから5年間で63億ドル(5040億円)を要望している。
* 核弾頭搭載用の新型クルーズ・ミサイルの開発研究予算として200万ドル(1億6千万円)。この上に、既存の核弾頭搭載クルーズ・ミサイルW80-1の寿命延長計画のために、NNSAは来年度予算として4600万ドル(36.8億円)を要求している。
* 新型大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)の開発研究:現存する450発のMinuteman III 型ICBMは2030年まで配備し続けられるが、その後配備予定のICBMの開発研究のために1160万ドル(約9億3千万円)。さらに、Minuteman III 型ICBMにはW78型核弾頭が装備されているが、現在、これを順次、新型でさらに強力なW87型核弾頭に入れ替えている。このW87型核弾頭を2025年まで配備可能なようにするために、空軍は2013年度予算として8600万ドル(69億円)を要求している。
* 核ミサイル搭載用新型潜水艦の開発研究:現在使われている14隻のオハヨー型潜水艦を、2031年から戦略核兵器搭載用の新型潜水艦SSBN-Xと徐々に入れ替えるための、開発研究費として来年度は5億6500万ドル(452億円)を要求。最終的に、海軍は12隻のSSBN-X製造を希望しているが、現段階での総額見積もりだけでも850億ドル(6兆8千億円)がかかると推定されている。
これらのプログラムのどれも、今後、数十年にわたるタイムスパンを考えての研究開発・製造であることから、米国が近い将来に向けて、核軍縮政策を積極的に推進していこうなどという意向は全く持っていないことは明らかであろう。
しかしながら、「このような巨額な予算を毎年繰り返し核兵器ならびに核兵器運搬手段に注ぎこむことが、経済的にいつまで可能なのか」と、誰しも疑問をもたざるをえない。軍産複合体制は、まさに薬物中毒と言えるだろう。「兵器製造」という薬物にどっぷりと浸かってしまっているアメリカの経済構造を、徹底的に解毒して根本から変革するのは容易ではない。しかし、そうした解毒処理をしなければ、遅かれ早かれアメリカ経済は崩壊する。崩壊の兆しは、言うまでもなく、すでにいろいろな形で現われていることは間違いない。
赤字大幅削減を目指した2013年度予算方針がそのまま実行されたとしても、赤字は9010億ドル(72兆円)を超えるであろうと予測されている。2012年度の財政赤字予想額が1兆3300億ドルなので、確かに改善したと言えるかもしれないが、こんな状態を長年にわたって続けることができるはずがない。経済が崩壊したとき、残った「資産」が膨大な量の核兵器というというのではあまりにも悲惨である。

2)アメリカの外交政策と核問題
相変わらずアメリカ政府は、北朝鮮同様に、イランを核兵器開発を進めている「ならず者国家」とみなし、経済制裁や軍事的な脅かしなど様々な抑圧をかけている。ところが、不思議なことには、CIAや国家情報会議 (National Intelligence Council)などの米国の諜報機関も、IAEAの科学者たちも、現在、イランが取り組んでいるウラン濃縮工程は20%以上の濃縮を超えるものではなく、核兵器製造にはほど遠いと結論づけているのである。しかも、イランはインドや北朝鮮とは異なり、NPT(核拡散防止条約)の加盟国であり、「NPT脱退」などということはこれまでにほのめかしたこともない。すなわち、イランの行動はNPTに沿った正当なものであると現在の段階では言わざるを得ないのである。(誤解していただきたくないが、私は、イランの「原子力平和利用」計画を支持しているわけでは決してない。どのような形であれ、核利用には私は絶対反対である。)
オバマ政権の、中東における石油資源確保という真の目的を隠した「イラン敵視政策」は、「大量破壊兵器を隠し持っている」という口実をもとに、国際法に違反してまでイラクを攻撃したブッシュ政権と類似している点で、ひじょうに危険性を感じざるをえない。
最近、イランへの武力攻撃の可能性をあからさまに公言しているイスラエルは、NPTに加盟することを強く拒み続け、200発から400発の核弾頭を保有しているのみならず、大量の化学・生物兵器も貯蔵していると言われている。このようなイスラエルのイラン攻撃計画を、オバマ大統領は暗に支持するどころか、イスラエルのネタンヤフ首相のワシントン訪問に合わせた今年3月の『アトランティック誌』の記者とのインタヴューでは、「時期と状況が必要とするならば、軍事力を使う」と述べて、アメリカ自体も攻撃を行う可能性があることを公言してはばからない。
「中近東非核地帯」の設置に向けてアラブ諸国はひじょうに積極的であるが、この実現に向けての努力に最も妨げになっているのも、パレスチナをはじめ近隣諸国に対して無法な武力行動を繰り返している核兵器保有国イスラエルであることは、改めて述べるまでもないであろう。イスラエルの最近のある世論調査によれば、イスラエル市民の64%が「中近東非核地帯」の設置に賛成しているにもかかわらずである。
NPTを尊重せよと主張しているアメリカが政治的圧力を加えるべき相手は、したがって、本来ならば、イランではなく、むしろイスラエルであろう。ところがアメリカは、イスラエルにはもちろんのこと、中近東の他の親米国にも大量の武器を輸出し、この地域の政治不安定を増長しているのが実態である。例えば、サウジアラビアには、現在、戦闘機、戦闘用ヘリコプター、最新式銃砲など、総額600億ドル(4兆8千億円)にものぼる史上最多額の兵器をアメリカは輸出しつつある。「イラクからは撤退した」というオバマ政権であるが、兵員、CIAメンバー、軍委託民間人など1万6千人ものアメリカ人がいまだイラクにとどまっている。
さらには、イランを重要な攻撃目標の一つにした「ミサイル防衛システム」をヨーロッパに置くというアメリカの戦略は、ロシア政府に深い疑念と反感を呼び起こしており、昨年11月には、(この5月に大統領に再び就任した)当時のプーチン首相をして、「新START」の破棄もありうるとまで言わせているのである。同じ昨年11月に、当時のロシア大統領メドベージェフも、NATOとアメリカの「ミサイル防衛システム」に対抗できるような軍事力増大と戦略作戦構築をロシア軍に命令している。ロシアが「新START」を破棄することになれば、その影響は、すでに弱体化しているNPT体制をさらに無力なものにすることにまで及ぶことは確実であろう。
ヨーロッパにおける「ミサイル防衛システム」は、現在その第1段階にあり、地中海を航海するイージス艦に搭載されたSM-3ミサイルと、トルコに設置されたレーダーを活用することになっている。今後、2015年にはルーマニアに、2018年までにはポーランドからミサイル発射ができるようにし、2020年までには長距離弾道弾を撃ち落とすことができるSM-3IIBを配備する計画となっている。現在、アメリカは、800個のICBMが緊急発射でき、潜水艦からも弾道ミサイルが発射できる体制をとっており、基本的に冷戦時代と変わらない体制を取り続けているのである。ロシアや中国が懸念しないわけにはいかないこのような状況を作り続けているアメリカに、他の核兵器保有国や核兵器開発を目指している国を非難する資格はない。
3月末にソウルで開催された第2回核安全保障サミットでは、アメリカの主導で「核テロ」の危険性ばかりが強調され、主題となるべき「核保有国の核兵器をどうするのか」という問題についてはほとんど議論されなかった。過去20年間で核燃料の紛失または盗まれたケースが500以上あるという国連報告は確かに懸念すべき事態であり、確固たる安全対策が早急にたてられる必要がある。しかし、福島原発事故いらい多くのアメリカ市民が最も心配している「テロ」は、核兵器を使うテロではなく、例えば、ニューヨーク市街地から50キロしか離れていないインデアン・ポイントの原発への民間飛行機の乗っ取り・激突という、「9・11テロ」と同類の攻撃である。原発へこのような攻撃が行われたならば、その甚大な被害は想像を絶するものになることは間違いない。このような事態を避ける有効な方法は、「テロ対策」などではなく、テロを発生させないような外交政策を展開し、平和構築への努力を地道に行うことであることは改めて言うまでもないであろう。同時に、一日も早く原発廃止を具体的にすすめていく政策の導入が求められる。
NPT加盟国でないイスラエルやインドに核技術のみならず最新兵器の輸出まで行う一方で、NPT加盟国であるイランを敵視し封じ込め作戦を展開するというアメリカ政府の矛盾。しかも、自国は核兵器と核兵器運搬手段の「現代化」に巨額の金を注ぎ込んでおきながら、ソウルでの第2回核安全保障サミットでは「核テロ」の危険性を指摘するという矛盾。このようなアメリカの核政策がもつ深い矛盾を目にし、イラク戦争期に次期攻撃目標国として名指しされた北朝鮮が、核武装を行いICBM開発までしてアメリカと対峙しようとする態度を固持していることを一方的に批判することだけでは、北東アジアの不安定が解決できないことも明らかであろう。
4月13日に打ち上げ失敗に終わった北朝鮮のロケット発射を、北朝鮮はあくまでも人工衛星用ロケットであると主張したにもかかわらず、アメリカ、日本、韓国をはじめ多くの国々がこれを長距離弾道ミサイル発射実験であると決めつけ、実験前から強く非難。この機を逃すなとばかり、自衛隊は沖縄にミサイル防衛システムを配備し、メディアも連日この問題を大きくとりあげ、大騒ぎとなったことは記憶に新しい。その6日後の4月19日、今度はインドが核弾頭搭載可能な長距離弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験を行い、成功したと発表した。このミサイルの射程距離は約5000キロで、中国全土を射程内におさめることができる。インドは1年以内にこの新型ミサイルを実際に配備する計画で、その上に、現在、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も開発中である。ところが、アメリカはもちろん、ほとんどの国がこれを黙認状態で、メディアもほとんど報道しないというありさまであった。北朝鮮のロケット発射事件だけが、実験失敗後も問題は尾を引いて、国連安保理事会で北朝鮮への経済制裁措置まで決められた。いったい、我々はどこに「国際正義」を求めたらよいのであろうか。(これまた誤解していただきたくないが、私は北朝鮮の行動を支持しているのでは全くない。)
毎年、米国の軍事予算が発表されるたびに、アメリカ核政策批判を同じように繰り返し述べなければならないのは実に残念であるが、現在の核兵器をめぐる世界状況を変えるには、まずは、核超大国であるアメリカの核政策をいかに変えるかを常に問題にし、それを念頭におきながら、反核運動を世界的な規模で展開していく具体的で有効な方法を模索し続けていく必要がある。
さらに、我々日本の市民が深く考えなければならないことは、単に、こうしたアメリカの核政策を日本がこれまで戦後一貫して支え、アメリカの「核抑止力」に依存してきたということだけではない。最近、アメリカでも議論され始めたように、アメリカは、日本に核再処理施設の設置と高濃度プルトニュウムの抽出を許し、日本が核兵器製造能力を開発・維持することを積極的に援助してきたという事実である**。日本の原発推進は、これまで議論されてきたような、単なるエネルギー問題では決してなく、「核兵器製造能力の維持」という日本政府の隠された一貫した政策と密接に絡んでいたことを、今こそ我々は深く再確認し、その知識を今後の反核・反原発運動に十分に活用していく必要があることを忘れてはならない。私はこれまで、様々な場所で繰り返し述べてきたが、核兵器と原発は決して分離できない、表裏一体となった問題であり、このことは日本においても決して例外ではないのである。
* 詳しくは、例えば、拙著「「2010 NPT 再検討会議」の結果とオバマ政権の核政策批判」を参照されたし。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2010/09/2010_npt.html
** 最近発表された Joseph Trentoの論考 ‘United States Circumvented Laws To Help Japan Accumulated Tons of Plutonium’ は、この歴史的事実を、多くの証拠書類を使いながら極めて詳細に紹介している。
http://www.dcbureau.org/201204097128/national-security-news-service/united-states-circumvented-laws-to-help-japan-accumulate-tons-of-plutonium.html
文責:運営委員 田中利幸

(2)2012年度HANWA活動方針
世界の核をめぐる情勢分析にもとづき、2012年度HANWA活動方針を次のように提起する。
核保有国による核兵器技術のさらなる開発、ミサイル防衛網(MD)など核運搬手段の開発推進、日米軍事同盟の再編強化などは、核抑止力依存から一歩も出ない現状を呈している。同時に、福島原発大事故とそれに起因する広範で深刻な放射能汚染は、核利用が軍事利用であれ、商業利用であれ人類の生存を脅かすものであることの警鐘を鳴らしている。
HANWAは、広範な広島市民の声を一つにして最たる非人道的兵器である核兵器廃絶を実現するために活動してきたが、原発事故を受けてあらためて「核と人類は共存できない」との共通認識のもとに、昨年度に続き原発廃止のため今年度も活動を強化していく。

1)国際NGOの運動において、2010年NPT再検討会議への取り組みを通して、核兵器禁止条約が正面に掲げられるにいたった。HANWAとしては2008年以来、核兵器廃絶への鍵としての核兵器禁止条約の制定と、それに先駆けて、ジュネーブ条約追加議定書への「核兵器、ウラン兵器などの大量破壊兵器、無差別殺傷兵器の使用禁止」の条項追加をHANWA提言として国内外に提起し国際赤十字社などへの一定の影響を与えてきた。最近では、平和市長会議の運動においても「核兵器禁止条約」をもとめる署名活動など展開されているが、国際的連帯のもと核兵器禁止条約の実現を目指して更に活動していかなければならない。
国際社会に対し、核抑止論に立つ核政策の根本的な転換を要求し、核保有国に対し核兵器の先制不使用要求、東北アジア非核地帯の設置、アメリカの核の傘からの脱却、日米ミサイル共同開発中止などを求めていく。
2)核大国アメリカ・オバマ政権の核政策の動向に注意し、新種の核兵器開発や核軍事力の維持を図る臨界前核実験や核拡散の危険性を拡大する米印原子力協力協定の見直し、米ロの緊張をもたらしている欧州へのミサイル防衛網設置、日米によるミサイル共同研究開発、合同軍事演習などの停止を要求していく。
核抑止論を完全に否定し、日米軍事同盟のさらなる強化である基地再編を撤回させ、テロとの戦いの名のもとにアフガニスタンやパキスタンなどへの主権侵害をこれ以上許さず、米軍の完全撤退を要求していく。
3)韓国などの東北アジアの非核地帯の設立の運動と連帯して行動する。世界的な核軍縮は、核兵器保有国だけでなく、とりわけ安全保障を核の傘に依存している国を含む全ての国の責務であり、すべての国が核兵器に依存しない安全保障政策に移行する道を追求する責任がある。北東アジア非核兵器地帯は、日本、韓国など北東アジアの関係国にこのような道を可能にするものである。北朝鮮の核兵器、ミサイルの開発に反対していく。
4)4-5月、ウィーンでのNPT準備会議や秋の国連総会にむけて、政府間交渉に対するNGOの影響力を強める取り組みを、国際NGOと連携して継続的に行う。
核兵器廃絶日本NGO市民連絡会など国内NGOの結束で、被爆国日本政府への働きかけの強化を諮り、核兵器廃絶のため核兵器禁止条約制定におけるイニシアティブを国際社会において取るよう求めていく。
5)「核の傘」に依存する日米安保体制の重要な要素となっている沖縄の米軍基地、その即時閉鎖の要求とともに、岩国の米軍基地機能の拡大に反対する運動に連帯していく。
非核三原則法制化実現、核兵器廃絶のため、被爆地長崎との連帯を強め取り組みを進める。
6)政府は夏に向けて新しい原子力政策大綱をさだめようとしている。東日本大震災・福島原発大事故から政府は何も学ぶこと無く、大飯原発や伊方原発などの再稼働を強行しようとしているが、全国原発の再稼働をさせず、全原発の廃棄、新設阻止を求め、内外の反原発運動に連帯し、行動する。
また3.11事故後も、原子力産業の生き残りを測りマレーシア、トルコなど数カ国との原子力協定を追求し原発プラントの輸出を進めようとしている。脱原発に向かう世界の動向に逆らうものでありこれに反対していく。
7)福島の原発事故により引き起こされた放射能被害の将来に亘る健康管理、治療体制、治療の無償化など原発事故による被曝者の援護活動をすすめる。広島、長崎の被曝者救援運動の戦いに学び、原発被曝者への健康管理手帳の交付、原発被曝者援護法の制定を国に求めていく。放射能被曝のリスクを拡大しないため、環境汚染に関する情報の公開を求め、放射能内部被曝の危険性の教育活動、被害者の原発事故後の記録作業を支援し、福島県が進める200万県民の健康調査が単なるデータのための調査でなく、治療と保障に結びつくものになるよう求めていく。 福島住民の20ミリシーベルト以下の地域を避難指示解除準備区域として住民の帰還を促しているが、多くの住民により一層の被曝を強いるものであり、これに反対していく。
8)核燃サイクルの推進を止める。
政府はなお核燃サイクルの研究開発に300億円を計上しており、エネルギー資源として、また核兵器開発の潜在能力維持としてプルトニウムの製造を図ろうとしているが、それは厖大な高レベル、低レベル核廃棄物のこれ以上の蓄積をもたらし、その最終処分は見通しも立っていない。地球の未来に半減期2億4000万年の猛毒プルトニウムを引き継いではならない。
40トンに上る備蓄プルトニウムの使用先が、福島原発事故により、原発稼働でのMOX燃料、使用済み核燃料の再処理、高速増殖炉運転など全てにわたって不透明になる中でなお、プルトニウムの生産、備蓄の核燃サイクルを進めようとしている。このことは、単に原発推進政策の継続だけでなく、核兵器開発の潜在的可能性に固執していると言わざるを得ず、核兵器廃絶を推進していくべき日本政府が国際社会からの核保有への不信を招いている。このことからも核燃サイクルの維持政策に反対していかなくてはならない。
9)核兵器と同様に非人道的兵器であり、今現在使用され続けている劣化ウラン兵器の即時廃絶のため、クラスター禁止条約調印の流れの中で「次は劣化ウラン兵器禁止だ!」とウラン兵器禁止条約の成立をめざす国際キャンペーンに力を入れているNODUヒロシマ・プロジェクト(ICBUWヒロシマ・オフィス)や国際NGO[ウラン兵器禁止を求める国際連合(ICBUW)]を支援し連帯する。2010年の国連総会決議にある「劣化ウラン兵器を使用した国は、使用された被害国の要請によりDU使用の実体を報告せよ」を実行させる取り組みを推進し2012年国連総会での一層の進展を図る。 ベルギー、コスタリカ、アイルランドなどでの国法としてのDU禁止法の制定に倣うよう日本政府への働きかけを強める。
10) 核兵器廃絶運動、反原発運動の原点は被爆体験であり、被爆体験の継承は常にはかっていかなくてはならない。それを前進させるために、最大限の力を結集する。
・原点としての核被害の実体験を意識した核兵器、原発、放射線被曝など反核・平和問題に関する講演、学習会、シンポジウムなどを随時開催する。
・2012年も8月6日の「国際対話集会 反核の夕べ」を継続し、国際的な連携のもと反核運動の交流、連帯、展望を諮る。
・不在化或いは形骸化した教育現場での平和教育を再生・活性化し、推進しやすい環境をつくるために必要な支援に取り組む。
11)核開発のあらゆる過程(ウラン鉱山採掘から原爆、原発、劣化ウラン兵器など)で生み出されている世界の核被害の実態を明らかにし、被害者と連帯して、兵器や原発の廃絶を求めるために世界核被害者大会を広島で開催しよう(2015年目標)との呼びかけを国内外に広く強めていく。
12)ワーキング・グループ活動の推進
2003年から始めた課題別のワーキング・グループ活動を、より専門的、かつ具体的に推進している。
・NODUヒロシマ・プロジェクト(ICBUWヒロシマ・オフィス)
2003年の設立以来、イラク現地での劣化ウラン被害調査や、イラク医療支援としての医師招聘活動、書籍出版や写真店、講演活動、国際大会の開催などを通じて、非人道的な無差別殺傷兵器・放射性兵器である劣化ウラン兵器を禁止させていく国際キャンペーンを展開してきている。 ICBUW-Japanに結集して、日本政府に対して「ウラン兵器全面禁止と被害者支援・被害調査に関する申し入れ」や、2012年国連総会で再び議題となるウラン兵器のモラトリアム提案など積極的態度を示させるべく交渉を引き続き強める。日本政府が被爆国として国際禁止条約の設立に先進国ベルギーなどと連携して動くよう働きかけていく。 
・「日本の核兵器原料生産を問うWG」の早期の発足をめざす。
・「子どものための平和プログラム」推進グループを発足し、若い世代との交流体験継承、平和教育の側面支援をはかる。
これらの動きが顧問や運営委員の自主的な提起・企画として動いていくよう構想する。
13)運動の広がり、会員の拡大、ニュースの発行など。
反核世論の広範な盛り上がりのため、活動の活性化が必要である。HANWA結成時の原点に帰り、とりわけ、若い人達に期待し、様々に取り組みを工夫する必要がある。
ニュースの発行を通じて、会の運営・取り組みを知らせると同時に会員からの意見をくみ取っていくために会員へのアンケートなどを実施する。
また出発時と比べ、会費を納入する個人会員数が伸び悩んでおり、周囲で会員の加入を意識的に追究する。

(3)当面の具体的取り組み
1)広島市平和行政についての申し入れなど連携の取り組み
核廃絶に向けて今後市民と広島市、平和市長会議との核廃絶、平和推進に向けての連携を強める。
<要望ポイント>
・福島原発事故をうけて「核と人類は共存できない」の理念のもと被爆地から原発廃止への積極的な動きを要請。
・2015年(被爆70周年)に向けて、「核ヒガイシャ世界大会」開催の実現への協力。
・平和市長会議の有効な活動展開。2013世界平和市長会議開催時期にNGOと共催で国際反核シンポジウムの開催を求める。
・東北・関東大震災、特に福島原発事故の被害者の受け入れなど支援対策の強化とともに、放射能を含む震災瓦礫の受け入れをしないよう求める。
・被爆市として、中四国エリアの島根原発、伊方原発について、再稼働しない要求を表明するよう要請する。
・「平和宣言」の内容の充実化によるアピール力の強化を求める。
・市民の核廃絶運動への支援、現在長崎が行っている地球市民集会の長崎、広島での交互開催(長崎型をモデルとする財政的保障)など

2)原発再稼働阻止など東日本大震災・福島原発大事故問題への対応について
・日本政府、東電、中国電力などに、日本NGOと連携して再稼働反対、新規建設反対、原子力技術輸出反対など要求活動を強化していく。
・支援活動としての取り組み:行政、NGOと連携し、医療支援、教育支援、避難受け入れなどに取り組む。
・内部被曝の危険性などを広く伝えていくため、学習会、シンポジウム、機関紙を通じて取り組む。
3)被爆70周年の2015年に、世界核被害者大会を広島で開催するよう活動をすすめる。
広島及び国内のNGO,行政、諸関係機関に協力要請、実行委員会形成などに取り組む。
4)日本政府外務省と核兵器廃絶日本NGO連絡会との意見交換会(外務省)
日本政府の果たすべき課題の明確化、核の傘からの脱却をめざし、核兵器禁止条約を含む核兵器の非合法化に焦点を当てる。
2012年度 第1回4月24日 外務省 第2回 6月中旬予定
5)「8・6ヒロシマ国際対話集会-反核の夕べ2012」開催(HANWA毎年恒例)
日時:8月6日(土)16:00~18:30
会場:広島市民交流プラザ マルチメディア室
6)8月24-26日 IPPNW(核戦争防止国際医師会議)広島開催への関わり
1989年につぎ2回目の広島開催となるが、福島後の原発の問題がどのように取り組まれていくか積極的に参加していく。
 上記との関連で5月27日NPT準備委員会の報告と8月21日のICAN国際会議の準備のための会合に参加。

3.核兵器廃絶をめざすヒロシマの会役員(案)
共同代表
青木克明*  広島県保険医協会、広島共立病院  
河合護郎   元広島平和文化センター (・・・2012.10.1逝去)
田中利幸*  広島市立大学広島平和研究所   
森瀧春子*  NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト 
         
運営委員 
アーサー・ビナート 詩人、さよなら原発ヒロシマの会
足立修一   日本反核法律家協会 
井上正信   日本反核法律家協会
大越和郎   広島県原爆被害者団体協議会
岡村信秀*  広島県生協連
嘉指信雄*  神戸大学教員
片岡勝子   核戦争防止国際医師会議
亀井 章   広島ユネスコ協会
姜 文 熙   韓国人原爆被害者対策特別委員会
木原省治   原発はごめんだヒロシマ
岸本伸三   全国被爆二世教職員の会
箕牧智之   広島県原爆被害者団体協議会  
久野成章*  ピースリンク広島・呉・岩国
小山和子    通訳翻訳
篠原 収   広島女学院大学教員
スティーヴン・リーパー (公財)広島平和文化センター
高橋博子   広島市立大学広島平和研究所
月下美孝   広島県宗教連盟、広島市キリスト教会連盟
土井克彦   被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会
利元克己*   ヒロシマ革新懇
冨田 巖   広島県生活協同組合連合会(・・・2012.7.8逝去)
豊永恵三郎  韓国の原爆被害者を救援する市民の会
中嶋典子*  生協ひろしま
中谷悦子   広島県被爆二世の会
畑口 実   広島原爆傷害対策協議会
馬場浩太   広島修道大学名誉教授
藤井睦弘   広島平和教育研究所
藤原裕久子* 韓国の原爆被害者を救援する市民の会
舟橋喜惠   広島大学名誉教授
古田文和   原水爆禁止広島県協議会
宗藤尚三   日本基督教団牧師
盛谷裕三   日本基督教団牧師 観音協会      
山田順二*  平和のためのヒロシマ通訳者グループ
横原由紀夫  原水爆禁止広島県協議会
李 実 根   朝鮮人被爆者協議会
        
顧 問 
平岡 敬  個人
鎌田七男  広島原爆被爆者援護事業団理事長;元広島大学原医研所長
岡本三夫  広島修道大学名誉教授

会計監査委員
赤木弘子  広島YWCA
猪俣誠司 特別養護老人ホーム「静鈴園」 園長

事務局担当:
青木克明、板屋愛子、岡村信秀、嘉指信雄、久野成章、田中利幸、利元克己、
中嶋典子、藤原裕久子、森瀧春子、山田順二、

   *表示は事務局担当、アンダーライン表示は、2012年度新役員)

退任
運営委員:
高橋昭博(2011.11.2逝去)
木谷光太
宮田喜久代
碓井靜照(2012.5.9逝去)
久保正和

新任
共同代表新任
田中利幸

運営委員新任
アーサー・ビナート
足立修一
木原省治
中谷悦子
箕牧智之
宗藤尚三

      

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