News Letter No.6
2006年07月21日
2006年07月20日
2006年5月12 日
外務大臣
麻生太郎様
要請書
(団体名)核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
核兵器廃絶ナガサキ市民会議
核兵器廃絶市民連絡会議
外交のために、日頃よりご尽力いただいていることに感謝し、かつ敬意を表します。
昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が成果なく終わって以来、核兵器廃絶への道筋が見えにくくなっています。本年のジュネーブ軍縮会議(CD)は第2会期に入ろうとしていますが、この場も、核軍縮などについてほとんど前進が見られていません。
そうした中で、米政府が現有の核弾頭をより頑丈で耐久性のある弾頭に総入れ替えする計画を明らかにしています。2007年度における米エネルギー省の予算要求やそれを巡る関係者の議論に接すると、米国政府の中に核兵器の永久保持を目指す憂慮すべき動きが顕在化していると、私たちは指摘せざるを得ません。
私たちは、日本政府がこの動きに対して明確な意思表示をすることが今極めて重要であると考え、以下のように政府の見解を質すとともに行動を要請したいと思います。
1)信頼性代替弾頭(RRW)を計画する米国核政策について
2006年度の米国の核兵器予算において、いわゆる核バンカーバスター(強力地中貫通型核兵器、RNEP)の研究開発予算が消え、代わりに信頼性代替弾頭(RRW=Reliable Replacement Warhead)計画の予算が増えました。議会がRNEPに否定的な見解を示したことは歓迎すべきことです。しかし、RRW予算に関しては、国家核安全保障管理局(NNSA)が935万ドルを要求したのに対し、議会は大幅に増額して2500万ドルを支出することを決定しました。これに勢いを得て、2007年度大統領予算はRRW計画に2770万ドル(約33億円)を要求しています。
私たちがまず第一に憂慮するのは、RRW計画が核弾頭のいっそうの削減を可能にし、また核爆発実験の再開をしなくても済む道であるという一見魅力的な理由を掲げながら、実は核兵器の延命をもくろんでいることです。昨年の予算に最終合意したときの米議会上下両院協議会報告書は、次のように書いています。
「(両院協議会は)RRW計画のもとで行われるいかなる兵器設計作業も、現存する貯蔵兵器の軍事的能力の範囲内にとどまらねばならない、また、いかなる新型兵器設計も過去の核実験によって確認された設計パラメーターの範囲内にとどまらねばならない、という2005会計年度に与えられた指示をくり返す。協議会は、NNSAが、合衆国の核貯蔵規模をかなり縮小するという政府決定をサポートするため、科学的貯蔵管理計画の成果を基礎にして製造工程を改善し、コストを下げ、そして動作マージンを増加させることを期待する。」
このようにして、老朽化によって2040年までに寿命を迎えるとされる現存の核弾頭の総入れ替えが実行されようとしています。
それだけではありません。私たちが第二に憂慮するのは、RRW計画は現有の核兵器の能力を超えないという条件で行われると言いながらも、そのための投資は施設の面でも人材の面でも、米国の核兵器開発能力を間違いなく強化することです。それは核兵器研究所や弾頭製造工場に資金を投入し、人材を豊富にし、これまでよりも近代的な核兵器生産のインフラを作り上げることになります。新しいインフラがあれば、さらに高度な核兵器開発も可能になります。米国政府がそのことを明確に意図していることが、NNSAブルックス局長の次のような演説(06年3月3日。原文を資料として添付します)で明らかになりました。
「2030年には、我々の即応性のあるインフラによって、現在とは異なる、もしくは改良された軍事的能力を持つ核兵器を生産することが、要求に応じて可能になっています。RRW計画によって活性化された兵器設計コミュニティは、18ヶ月以内に既存の兵器を改造し、新たなデザインを設計し、開発し、エンジニアリング開発段階に進むことを決定してから3、4年以内にその生産を開始する能力をもっています。」
私たちは、米国のこのような計画は核兵器廃絶を求める私たちの努力への重大な挑戦であると考え、RRW計画に強く反対します。計画は、米国のNPT第6条を「誠実」に履行する義務に違反し、2000年のNPT再検討会議での「保有核兵器の完全廃棄に関する明確な約束」を反故にするものです。
そこで、私たちは日本政府に、このような米国の信頼性代替弾頭(RRW)計画をどのように考えているか、その見解を質したいと思います。そして、日本政府が、RRW計画を中止し、NPT再検討会議での「明確な約束」を履行する具体的なプログラムを提示するよう米政府に要求するよう求めます。
2)CDにおける現状打破の動きについて
昨年の国連総会で、CDが現状の行き詰まりを克服して正常に機能するまで、第1委員会に特別委員会を設置して核軍縮などの協議を進めるという決議案を、カナダ、メキシコなど6か国が準備しました。しかし、6か国は2006年のCDの発展に期待し、昨年の提案を見送ったという経緯があります。提案を見送るに当たって、6か国は「CDが2006年もまた結果を残せないままに1年を送ることになれば、大多数の国の安全保障上の利益が少数の国の政策によって人質にとられているような状況に対する、民主的なかつ多国間的な代案を保証する手段の一つとして、この提案を再度提出するという選択肢は捨てない」と述べていました。
そのような経過を受けて、2006年にCD議長となる6大使が1年をとおして系統的な努力をするという、かつてない取り組みを開始していると聞きます。しかし、残念ながら私たちはCDの正常化について、まだなんらの朗報にも接していません。
そこで、私たちは、日本政府に次のことをお尋ねし、要請します。
1.第1会期において、日本政府はCD正常化のためにどのような方針で臨みましたか。その成果をどう評価していますか。第2会期にはどう臨みますか。
2.議長となる6大使の努力がどのような変化をもたらしていますか。今後の予測はどうですか。
3.CDが今年も正常化しない場合、日本政府はカナダ、メキシコなどの提案を積極的に推進するよう要請します。また、それに代わる構想があれば聞かせてください。
以上、お尋ねするとともに要請いたします。
連絡先:特定非営利活動法人ピースデポ
2006年04月15日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は4月14日に記者会見を行い、抗議声明を発表すると同時に次のところに郵送致しました。
郵送先;小泉総理大臣、外務大臣、経済産業大臣、日本原燃、青森県、佐賀県、広島県、広島市、長崎県、長崎市
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抗 議 声 明
六カ所再処理工場アクティブ試験の即時中止を!
私たち「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」は、世界で最初に原爆による被害を受けた広島の地で、核の被害者の立場を中心にすえて、核の悲惨さを広く世に知らせることを通して核兵器の廃絶を訴え続けてきた。
3月31日に青森県の日本原燃六カ所再処理工場で、原発から出た実際の使用済み燃料を再処理するアクティブテストが、国内のみならず世界各国からの中止・凍結を求める声を無視して強行された。再処理工場の実質的な稼働は、単に原子力エネルギー利用上のみの問題ではなく、世界の核拡散と日本の核武装化にも密接に関わりを持つ問題であり、私たち「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」としても黙過できることではなく、アクテイブ試験の強行に強く抗議するとともに、再処理工場の凍結を求めるものである。私たちは、核兵器廃絶を切に求める立場から、使用目的のわからない核兵器原料の大量生産への道を性急に強行した日本原燃および政府に対して強い抗議の意思を表明するものである。
そもそも再処理は長崎原爆に使われたプルトニウムを取り出すために開発された技術であり、現在もプルトニウムという物質は核兵器を作るために必須の最重要物質であり続けている。日本はこれまで使用済み核燃料の再処理をフランス・イギリスに委託して、そのようなプルトニウムを既に43トンも「平和利用」目的として保有している。
ところがプルトニウムを燃やすための高速増殖炉「もんじゅ」は10年以上も停止中であり、余剰プルトニウムを減らすために軽水炉で燃やすというプルサーマル計画はまだ1基も稼動していない。このようにプルトニウムを消費する受け入れ先がない状況にも拘らず六カ所再処理工場を急いで稼動させなければならないという納得のいく説明は日本原燃からも政府からもなされていない。
日本はプルトニウムを核燃料として利用する核燃料サイクル政策をとっているが、原子力のエネルギー利用という目的のみからはプルトニウムを利用することの必然性はない。むしろ核燃料サイクルは経済的にも安全上も困難が多く、さらに軍事転用が容易で核兵器拡散につながる問題のため主要国はエネルギー政策を見直し、核燃料サイクル路線から撤退している。そして、再処理技術を持つ日本以外の国では核のエネルギー利用と軍事利用は不可分に共存しているのが現実の姿であろう。六カ所再処理工場は本格稼動すれば1年間に核兵器1000発分以上にも当たる8トンのプルトニウムを取り出すもので、そのような状況の中では核兵器数発分程度のプルトニウムの厳密な管理は実際上不可能とされている。
世界の核不拡散という角度からは、昨年5月のNPT再検討会議に先立つ2005年2月に、IAEAのエルバラダイ事務局長はウラン濃縮と再処理施設の建設を5年間凍結するよう提唱している。また、アメリカのUCS(憂慮する科学者同盟)は27名の著名な科学者・政策立案者による日本政府への六カ所再処理工場の運転無期限延期の要請を発表、マーキー下院議員等6名の議員も日本の核再処理についての懸念を表明、韓国からはNGOや国会議員李美卿議員等10名の議員による六カ所再処理計画撤回を求める声明の発表など、国際的な懸念の表明が続いている。
このような背景の中で今回六カ所再処理工場の実質的稼働であるアクティブ試験を日本政府が強行させたことは、イランや北朝鮮の核開発が核不拡散上の問題とされている現在の不安定な核情勢の中で、世界の核拡散を助長しかねないものとして各国に危惧を抱かせることを私たち日本の国民はもっと直視するべきである。アクティブ試験は青森県だけの問題でもなければ、単にエネルギー政策にのみ関わる問題でもなく、世界の核拡散の動きにまで影響を及ぼす大きな問題である。
今、日本の核政策が世界から懸念される状況に直面して、私たちは、世界に対して核廃絶を訴える立場から、使用目的の不鮮明な大量の核兵器の原料を生産する再処理工場の稼動の中止と閉鎖を強く訴えるものである。
このような観点から、私たちは日本原燃に対しては再処理の稼働を即刻に止めること、および青森県・政府に対しては再処理の稼働を即刻停止させた上で全国民と各国からの懸念に対して誠実な対応を示されることを求めるものである。
2006年4月14日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition(HANWA)
共同代表:岡本三夫 河合護郎 森瀧春子
事務所:広島市中区上八丁堀8-23
TEL 082-502-3651 FAX 082-502-3860
http://www.e-hanwa.org E-mail:hanwa@e-hanwa.org