原爆投下に関する久間氏の発言に抗議し、政府の統一見解を要求する!

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原爆投下に関する久間氏の発言に抗議し、政府の統一見解を要求する!

                             2007年7月5日
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿
防衛大臣    小池百合子 殿

                 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
                 共同代表
                  岡本三夫
                  河合護郎
                  森瀧春子

 「原爆投下はしょうがない」という久間前防衛大臣の暴論に改めて強く抗議し、謝罪を要求する。原爆投下が戦争終結を早めたというのは俗論にすぎず、むしろ原爆完成まで戦争を長引かせたというのが主要な日米戦争史家たちの結論である。だが、3日には「原爆が日本人を救った」という米政府高官の侮辱的発言が伝えられた。日本の政治家が生半可な知識に安住し、原爆の犯罪性を主張しないためだ。
 1996年7月8日、国際司法裁判所は「核兵器の使用と核兵器による威嚇は人道法に違反する」という勧告的意見を発表した。つまり、核兵器使用は戦争犯罪だという認識である。7月16日に広島で開催される「原爆投下を裁く国際民衆原爆法廷」判決公判でも、被告である当時のトルーマン米大統領ほかへの厳しい判決が発表されるだろう。
 原爆(核兵器)は皆殺しの非人道的兵器であり、原爆は「絶対悪」(湯川秀樹博士)である。放射能による後遺症は被爆者を生涯にわたって苦しめる。北朝鮮の核だけが問題なのではない。米国をはじめ、すべての核兵器国は「悪魔の兵器」である核兵器を廃絶し、非核の平和と安全保障を追究すべきだ。
 アウシュヴィツでの非人道的行為は敗者(ドイツ)の犯罪だったため裁かれ、原爆投下という非人道的行為は勝者(米国)の犯罪だったため裁かれなかった。だが、両方とも第2次世界大戦中の2大戦争犯罪だった。無論、日本軍による数々の戦争犯罪が原爆投下で免罪されたわけではない。
 「原爆投下はしょうがない」発言で久間前防衛大臣は辞任したが、これで「幕引き」になったわけではない。選挙対策の辞任にすぎなかったからだ。防衛省が国民向け謝罪文と原爆投下をどう認識しているかを声明文として公表するよう小池防衛大臣に要求する。そうでなければ、「原爆が日本人を救った」という日米における原爆善玉論を根絶することはできない。
 また、被爆国であり、非核三原則を国是とする日本の舵取り役である自公連立政府が広島・長崎への原爆投下をどう評価しているか、諸国の核兵器保有をどう見ているか、日本が今後も非核三原則を順守するのかは、国民にとっても世界市民にとっても重大関心事である。これらの課題に関する安倍内閣の明白な統一見解の公表を要求する。

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 
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