10月 012005
 

核軍縮に関する要請
――国連総会第1委員会を前にして――

 
2005年9月27日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
核兵器廃絶ナガサキ市民会議
核兵器廃絶市民連絡会議

町村信孝 外務大臣様

 日本外交のための日頃のご努力に敬意を表します。
 5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議が成果なく終わってから初めての国連総会が開催されています。しかし、9月14-16日の特別首脳会議の最終文書(成果文書)から軍縮・不拡散のテーマが削除されてしまったことに表れているように、私たちの目指す「核兵器のない世界」への道は大きな困難に直面しています。私たちは、このような状況においてこそ、核兵器の非人道性を知る日本が揺るがぬ確信を持って核兵器廃絶の緊急性を強く主張することが必要であると考えます。
そこで私たちは、国連総会第1委員会の開会に先だって、次のことを日本政府に要請いたします。

1.新しい核兵器廃絶決議(日本決議)の提案について

 現在日本政府が準備中と伝えられる核兵器廃絶を求める国連総会決議案は、1994年と2000年の原型的決議案に続いて、第3の原型ともなる大切な決議案であると考えられます。報道によると、日本政府は、これまでの決議よりもメッセージ性を強めた簡潔な決議案を作成する意図であると聞きます。私たちは、このような意図を基本的に支持します。より具体的には、少なくとの次の2点の基本メッセージを含む骨太の決議案を日本政府は提案すべきであると思います。

 (1)核兵器は非人道兵器であり早急に国際法で禁止されるべきであること。化学兵器、生物兵器が非人道兵器としてすでに禁じられているにもかかわらず、それらよりはるかに非人道的な核兵器を容認するいかなる立場も、厳しく批判されるべきです。
 (2)核軍縮の促進には、ステップ・バイ・ステップの段階的措置を積み重ねることと同時に、全体としてのゴールを具体的に示す包括的なプランの追求が必要であること。(この点に関しては、以下の二つの項目を参照して下さい。)
 これらのいずれも、過去の日本決議には欠如していた基本的メッセージであり、節目となる今回の新決議案に盛り込むべきであると考えます。

2.国連第一委員会への「核兵器廃絶のための特別委員会(仮)」設置について

 8月に開催された平和市長会議(会長:秋葉忠利広島市長、副会長:伊藤一長長崎市長など)総会は、「核兵器のない世界の実現と維持とを検討する特別委員会」を国連総会第一委員会に求めることを決議しました。日本政府が、この特別委員会の実現に尽力することを私たちは要請します。
 この提案は、上記第1項(2)で私たちが要請した新日本決議に盛り込まれるべき「包括的プラン」追求の趣旨にふさわしい具体的提案であります。私たちは、日本政府が新決議案にこの内容を盛り込むことを要請します。また、他の国が同様な決議案を準備している場合、日本政府はその共同提案国になるか、あるいは、少なくとも積極的に賛成すべきであります。

3.MPIが招待した「第Ⅵ条フォーラム」への参加について

 10月3日、ニューヨーク国連本部において開催される第1回「第Ⅵ条フォーラム」について、ダグラス・ロウチ中堅国家構想(MPI)議長から日本政府に対してすでに招待状が出されたと聞きます。MPIの説明によれば、このフォーラムは、添付しました「原則のステートメント」にある通り、核軍縮に熱心な同志国家が集まって「核兵器のない世界が必要とする法的、技術的、政治的要件を検討し、一つの国が単独で、二国間で、地域的に、あるいは多国間で取り組むことができる手段を特定する」ための会議であります。
私たちは、核兵器廃絶を求める強い国民世論をもつ日本政府が、同志国家の一員として「第Ⅵ条フォーラム」に積極的に参加することを強く要請します。「フォーラム」は、核兵器のない世界実現のための有力な協議の場となることはもちろん、上記第1項(2)の日本決議に盛り込むべき包括的プランの追求や、第2項において設置されるべき特別委員会の討議内容を設定するためにも非常に有益な知見を得る場になると考えます。

4.「東北アジア非核兵器地帯」設立について

 核軍縮に積極的に取り組む土台として、日本政府は米国の「核の傘」に依存する現在の政策から脱して東北アジア非核兵器地帯を建設する協調的地域安全保障政策に向かうべきであります。私たちはこのことを繰り返し要請します。日本政府は時期尚早との立場を繰り返し表明していますが、「スリー・プラス・スリー案」は現在の6か国協議のテーブルに載せても早すぎることはない案であると、私たちは思います。特に、最近の第4回6カ国協議で初めての6者共同宣言が採択されるなど、この枠組みが一定の成果を挙げつつある今こそ、さらに積極的なビジョンを提示すべきであります。実現に時間がかかっても、提案することによって、東北アジアに好ましい環境を作り出すことになるでしょう。

 以上について、日本政府の真剣な検討と実行を希望します。

◆連絡先:NPO法人ピースデポ 
   〒223-0051 横浜市港北区箕輪町3-3-1-102
   電話:045-563-5101 FAX:045-563-9907 (担当:中村桂子)

◆要請団体の連絡先
 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
   〒730-0012 広島市中区上八丁堀8-23林業ビル4F
  電話:082-502-3850
 核兵器廃絶ナガサキ市民会議
   〒852-8105 長崎市目覚町25-5 長崎平和研究所内
  電話:095-848-6037
 核兵器廃絶市民連絡会議
   〒101-0053 千代田区神田美土代町11-8 SKビル2F 
          東神田法律事務所内
  電話:03-5283-7799 FAX:03-5283-7791


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参考資料として提出
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中堅国家構想(MPI):第Ⅵ条フォーラム
原則のステートメント

目的は?
 核軍縮の現在の行き詰まりを考え、MPIは、核不拡散条約(NPT)体制の下で持続的な核軍縮・不拡散のイニシャチブを探求し作業に取り組むため、非核・同志国家の「第Ⅵ条フォーラム」を主催する。「第Ⅵ条フォーラム」は、核兵器のない世界が必要とする法的、技術的、政治的要件を検討し、一つの国が単独で、二国間で、地域的に、あるいは多国間で取り組むことができる手段を特定する。不拡散と核軍縮は相互に強め合うプロセスであると確信するので、「フォーラム」は核軍縮と不拡散の両方を支援する手段を発展させる。

参加者は?
 最初の段階においては、MPIは、NPT第Ⅵ条の核軍縮条項の履行の緊急性について同様な見解を持っている世界各地の約30の非核国家に対して、2005年10月3日、ニューヨーク国連本部において開催されるフォーラムに上級代表を派遣するよう呼びかける。そこにおいて、核兵器の無い世界のための法的、技術的、政治的要件を専門家と共に協議する2日間のフォーラムの計画を立てる。「第Ⅵ条フォーラム」が進展したある段階において、参加を希望する核兵器国も含めて、このプロセスへの他の国家の参加を呼びかける。

NPTを支援
 「第Ⅵ条フォーラム」は、NPTやCD(ジュネーブ軍縮会議)を回避する試みではない。それどころか、それら軍縮の場の審議と交渉のプロセスを、非好戦的な雰囲気で刺激し活性化する試みである。核兵器国を糾弾する意図からではなくて、むしろ、彼らの核軍縮義務履行の手段を提供し、同時に生産的で礼儀正しい雰囲気で、持続的な不拡散を達成する手段を提供しようとするものである。2005年NPT再検討会議の議長であったセルギオ・ドゥ・ケイロス・ドゥアルテ大使は「あなたのイニシャチブを全面的に賛成する」と述べて「第Ⅵ条フォーラム」を支持した。

フォーラムの議題
 「第Ⅵ条フォーラム」第1回会議では、阿部信泰・国連事務次長(軍縮)が挨拶をする。カナダ代表、マレーシア代表、ニュージーランド代表が核軍縮に関係する政治的、法的、技術的な諸要素について話をする。その後の会合においては、「第Ⅵ条フォーラム」は二つの軌道で進むことがあり得るだろう。一つはこれら諸要素の発展・履行のための情報・準備に関する努力、もう一つは核軍縮手段に関する交渉、最終的には核兵器禁止条約、あるいは核兵器廃絶の条約的枠組みの締結に関する交渉を開始する道の探求、である。

ブリーフィング・ペーパー
 詳細をMPIのブリーフィング・ペーパーに記載する。

  投稿 @12:08 AM

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